欧米の子供たちはリーダーシップがあるかどうかの前に、何が聞かれ、何をどう表現したらいいかを小さい時から訓練されているように思います。
例えば、国際機関や外資系企業、欧米の大学・大学院や奨学金の応募で、よく聞かれるのが「リーダーシップ」に関する質問です。
仕事についてからも評価項目の中にも「リーダーシップ」が含まれると思っていていいと思います。
リーダーシップについて質問されたとしたら、どう答えたらいいのでしょうか?
まず、彼らのいう「リーダーシップ」について理解しましょう。
相手は何について聞きたいのでしょうか?
まず、「リーダーシップ」とは、社長とも部長とも委員会の委員長といった正式な役職や係とは違います。役職と権限は「リーダーシップ」とイコールではありません。
古いリーダーシップは一人のリーダーがチームを引っ張るトップダウン型でしたが、今は一人一人がそれぞれの役割と責任を持っているという意味で誰もが「リーダー」であるという考え方にシフトしてきているからです。
「リーダーシップ」と聞くと、「大きなこと」や「立派なこと」を話さないといけないと思うかも知れませんが、人は一人で成し得ることは限られているし、ただ文句を言うだけの人も、自分の意見だけを主張してチームとして動けない人も困りますから、小さいことでもいいから自分の役割を自覚し、誠実に取り組むことのできる姿勢は重宝されると言えます。
ですので、「リーダーシップ」に関する質問をされたら、
例えば、
身近なことでいいので、
会社の行事の幹事をした時とか、
「私はそのことを通じてこんな体験をして、こんなことを学びました」というように、
「ああ、この人は、『チームワーク』『リーダーシップ』について自分なりに学んだ体験があるんだな、チームで成果を出すための自分の役割とは何か」を体験的に分かっているな、という事が具体的な例と共に相手に伝わることの方が大切です。
私の友人で、「不法移民」だったので正式な職歴が短く本人も半分諦めていたのに、アメリカ連邦政府の幹部プログラムに受かった人がいます。
彼女と一緒に考えた作戦は、ウェイトレスとしての「リーダーシップ」体験を話すことでした。
正式な職歴はとても限られていましたが、イトレスとして働いていたレストランでは若い人たちに慕われ、いつも人の相談を受けていました。
ですので、面接では、以下の点を伝えることにしました。
同僚の間で常に信頼が高かったこと、
若い人のよい相談役になってきたこと、
時には職場内のいざこざを解消してきた事、
そして、不法移民でも諦めずに10年以上英語をコツコツ覚え続け、
働きながら大学院を修了した体験に関して、
どんな状況でも諦めずに道を切り開いてきたこと、
です。
彼女は見事に合格しました!
今ではワシントンDC郊外に3軒の家を所有し旦那さんと息子さんと幸せに暮らしています。
あまり正式な職歴はありませんと言うのか、こんな経験がありますと言うのか、「言い方」「魅せ方」一つで全く印象が変わります。
何をどう表現するかはとても重要です!
《まとめ》
1、一人のリーダーがチームを引っ張るトップダウン型から、一人一人がそれぞれの役割と責任を持っているという意味で誰もがリーダーであるという考え方にシフトしている
2、相手が何について聞いているのか、何を求めているのかを見極め、きちんと質問に答えること
3、事例やある結果など小さくてもいいので「根拠」を入れること
4、『リーダーシップ』について自分なりに学んだ体験を伝える
5、小さいことでもリーダーシップ(面接で聞かれるテーマ)を学んだ機会として組み立てる練習をする