キャリアと人生の法則【⑧】「失敗体験」をあなたの最大の武器にする方法

国連やアメリカの大学の出願や欧米組織では、「失敗体験」について聞かれることが多いということをご存知でしょうか?

 

2014年度の全米大学共通願書における設問にもまったく同じ質問が書かれていました。

 

実際、国際機関なり、欧米の大学や企業なり、米国政府幹部養成プログラムの採用面接や奨学金の面接でも、そうした場で聞かれる項目や質問には多少表現は違っても、かなりの共通点があるようです。

 

では、なぜ、失敗について聞かれるのでしょうか?

 

私自身、国連で採用面接官を務めたことがありますが、面接官は別にいじわるをしたいわけではありません。

 

それは、仮によく計算されたスピーチのようにペラペラと饒舌に話す人がいたとしても、それは必ずしも面接官が知りたいことを満たすことにはならないからです。

 

面接官が知りたいのは、

この人はどんな体験をしてきて、

そこから何を学んだのか?

そして、何を大切だと思っているのか?

 という「リアルな」あなたについてだからです。

 

だって、誰も完璧な人なんていないし、実際には、物事が計画通り上手く行くことの方が珍しいものです。

 

だとしたら、「そういう時にあなたはどうするのか?」「失敗した体験から何を学んだのか」の方が、その人のことがリアルに分かるからです。

 

ちなみに、他によく聞かれる質問には以下のようなものがあります。

⭕️ これまでチームとして働いた時、うまく行かなかったのはどんな時でしたか?それはどうしてですか?どう対処しましたか?

⭕️ 難しい課題に直面した時にどう対処してどう切り抜けましたか?

⭕️ 仕事上で自分の苦手分野を発見したことはありますか?それに対してあなたはどうしましたか?

 

こうした質問は全て同じ発想から来ています。相手が知りたいのは、チャレンジに直面した時、あなたという人はその状況をどう判断し、どう対処したのか?です。

 

こうした質問はbehavioral questionを呼ばれますが、全てCARの法則で答えることができます。

 

(C)hallenge=こんなチャレンジがありました。

(A)ction=私はその状況をこう理解し、このように対処・行動をしました。

(R)esults=結果、このようになりました、それによってこのようなことを学びました。

 

「失敗」が「失敗」で終わらず、そのチャレンジから学んだ自分なりの結論が最後にきちんと導き出されていることが大切です。もし、それによるなんらかの成果があるのならそれも付け加えましょう。より説得力が増します。

 

面接と聞くと、「大きなこと」や「立派なこと」を話さないといけないと思う人もいるかも知れませんが、身近なことでもいいので、「ああ、この人は、チームで成果を出すための自分の役割とは何かを分かっているんだな」、または「失敗はあったかもしれないけど、例えば、『リーダーシップ』について自分なりに学んだ体験があるんだな」という事が具体的な例と共に相手に伝わることの方が重要です。

 

私の友人で、長い間ビザがおりなかったために正式な職歴が短かく、本人も半分諦めていたのですが、アメリカ政府の幹部養成プログラムに受かった人がいます。

 

彼女と一緒に考えた方法は、ウェートレスとしての「リーダーシップ」体験を話すことでした。

同僚の間で常に信頼が高かったこと、

若い人たちのよき相談役になってきたこと、

職場内のいざこざを解消してきた事、

ビザがおりない時期でも諦めずに英語をコツコツ覚え続けたこと、

フルタイムで働きながら大学院を修了したこと、

どんな状況でも諦めずに道を切り開いてきたこと、

を全面に押し出しました。

 

そして、移民としての体験があるからこそ、相手国政府の状況がよく分かります、と言うことにしました。

 

あまり正式な職歴はありませんと言うのか、こんな経験がありますと言うのか、「言い方」「魅せ方」で印象は全く変わります。

自信を持って堂々と言ったのがよかったのかも知れません。彼女は現在、ワシントンDCのアメリカ合衆国国際開発庁(USAID)で働いています。

 

「失敗体験」を話すことは、自己開示をすることで相手との距離を縮めたり、互いの共感や信頼を得るという意味でも、実はお互いにとても効果です。

 

⬇️流れを止める人は、失敗が失敗のままで終わってしまい、失敗とはぜったいにしてはいけないものと思う。

⬆️流れに乗る人は、失敗したら、学ぶべきことを学び、「ネタ」が増えたと思って喜ぶ。

 

キャリアと人生の法則【ワーク⑧】

最近の「失敗体験」をCARの法則を使って、そこから何を学んだのか振り返ります。

(C)hallenge=こんなチャレンジがありました。

(A)ction=私はその状況をこう理解し、このように対処・行動をしました。

(R)esults=結果、このようになりました、それによってこのようなことを学びました。

 

⭐️キャリアと人生の法則【⑧】「失敗体験」はあなたの最大の武器になる⭐️

 

⬇️流れを止める人は、失敗が失敗のままで終わってしまい、失敗とはぜったいにしてはいけないものと思う。

 

⬆️流れに乗る人は、失敗したら、学ぶべきことを学び、「ネタ」が増えたと思って喜ぶ。