使命と仕事は⭕️⭕️を学ぶためにあるー〜ができたら、あなたは仕事に困ることはない

マザーテレサの元には、「わたしも貧しい人のために働きたい」と世界中からカルカッタを訪れる人がいました。その人たちにマザーテレサはこう言われたそうです。

 

「もし、そういう気持ちがあるならば、どうぞあなたはお金持ちの人たちに仕えてください。彼らも愛が必要です」と。

 

その言葉を直接マザーから受け取り、お金持ちの人たちからファンドレージングを始め、世界一のファンドレーザーとなり、世界の格差や紛争、環境問題に取り組むリンツイストさんという方がいますが、彼女は、単にお金を集めることよりも、その過程を通じて、「貧しい人」と「恵まれた人」がお互いを知り、自分の中の力を確信し、助け合う機会を提供する価値の方が重要だった、と話しています。

 

たとえば、寄付を募る機会を通じて、リンツイストさんは、時にMicrosoftなどの大企業で幹部を務める女性達の話に耳を傾け、「毎日忙しすぎて、なんのために働いているのかわからない」と苦悩を打ち明ける彼女たちにエチオピアの女性達の持つ勇気について話し、勇気づけたり、ある大企業のCEOの心の悩みに耳を傾けることもあったと言います。

 

彼女はエチオピアの女性達と一緒に働いた時の様子も語ってくれていますが、彼女の体験は、たとえば、世界の貧困問題に関わることは、貧しい人たちにだけ関わることではなく、貧困とはまったく逆の位置にいる裕福な人たちやそれも含めた私たちの世界にかかわることであることを教えてくれています。

 

Soul of Money

The Soul of Money: Reclaiming the Wealth of Our Inner Resources

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邦訳 リンツイスト著「ソウルオブマネー」

 

また、教育にかかわる人たちはこういいます。

 

「子供たちを愛することはまだ簡単。でも本当に大変なのは、子どもを大切にしない大人に接すること。」

 

この原則はどの仕事(道)にもみつけることができると思います。

 

神様は、私たちにある分野に対して情熱を与えてくださり、ある道に導いてくださいます。

子どもが好きならば、保育園の先生になる人、教育にかかわる人もいるでしょう。

小児科を選ぶ人もいるでしょう。

人を助けることに特別な思いがあって、医者になる方もいるでしょう。

 

もちろん、自分に与えられた仕事を情熱をもって忠実に行うことはとても大切です。

 

そして、与えられた仕事に一生懸命に取り組み、必要な知識やスキルを身につけることもとても重要です。

 

私の場合は、南スーダンや東ティモールへ赴任した時には、現地の様子を理解するために、現地の人たちの話しを聞くことは仕事の中でもやりがいを感じる瞬間でした。時にヘリコプターをアレンジしてまで、遠くの村の状況を把握しに行ったこともありました。

 

選挙のための住民登録で誰もあぶれることのないように、雨季で寸断された村の状況を把握するために、車が通れない中、山を歩いて、川を越えて、腿まで水に浸かりながらも川を越えて、その村で住民登録を行ったこともありました。

 

大変だったけれども苦労とは感じず(若かったのもありますが😊)、取り組むことができたのは、神様に与えられた情熱があったからだと思います。(感謝!)

 

わたしの場合の情熱は、とくに紛争によって虐げられた人たちや弱い立場にいる人たちに対して向けられたものでした。

 

同時に、紛争予防や人道支援という分野で働く人たちの中での足の引っ張り合いとか、競争とかもっとえげつな組織内の権力闘争や、また紛争を長引かせている構造的な矛盾にも直面するようになりました。

 

何年かたって、自分がその分野でそれなりに一人前になり、技術や立場が安定し、さらに、それなりの立場になってくると、または、その過程において、よりはっきりと直面するのは、その世界におけるなんらかの矛盾やまたは自分の中で「ゆるせない」と思うことに直面するようになることです。

 

患者さんには愛を持って接することができるけれども、医師の世界の独特な上下関係やトップダウンの運営のやり方にうんざりしている、失望している、疲弊しているという方もいます。

 

自分が呼ばれた(calling)分野で、仕える人に対して情熱を持つことは比較的簡単ですが、同時に、呼ばれた(calling)場所においては、一緒に働く人であったり、その部署やその組織のやり方になんらかの「ゆるし」を求められる場面がでてくるのです。

 

わたしの場合、今年はエンターテイメント分野での仕事や経営コンサルタントの方とも一緒に仕事をすることになることを思ったときに、これらの新しい分野や世界にかかわることで、わたしの中にもしなんらかの判断(judgement)があるとしたら、ゆるしが促されていることを改めて感じています。

 

逆の言い方をすると、自分の中のゆるしを広げるために分野を広げたり、またはその分野に呼ばれている、召されている、という言い方もできるかと思います。

 

そして、わたしの経験から言えることは、ゆるすことができるならば、結果も成果もついてくるということです。

 

仲裁をする人が両方を判断することなく、裁くことなく、その真ん中にいれば、その状態から状況は開けていきます。

 

スリランカ軍に講師に行ったときのわたしの学びは、国連平和支援やPKOに関する知識でもなんでもなく、「生徒」であるスリランカ軍に対して自分の中で「ゆるし」を持てているかどうかでした。

 

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どんな分野でもこの原則は当てはまります。

 

「ゆるし」さえ持つことができれば、どんな道でもその先は拓けていきます。

 

だから、スキルも専門知識や準備はもちろん大事ですが、今一度、また自分の心の中を点検してみてください。

 

もし、ゆるしがなされていなければ、そのエネルギー(怒りやわだかまり)は身体のどこかにしまわれたままで、いくら時間がたってもほんとうに解決したとは言えません。

 

もしゆるしていない出来事や人をみつけたならば、着実に忍耐を持って、そこにゆるしを求めていきましょう。

 

自分の中にゆるせていないことをみつけると、もう随分と前のことなのにまだゆるせてないのか?と思うかも知れませんが、それを把握すればいいので、自分に慈愛を優しく接っしましょう。

 

もし、自分の意思でゆるすことが難しいと思うならば、その出来事や人を天に委ねましょう。

 

そして、こう祈りましょう。

 

「わたしの中にゆるせない気持ちの根源にある傷をどうか癒してください。

頑固な部分があるとしたらそれを溶かしてください。

ゆるせる心をわたしに与えてください。

ゆるしによってわたしは解放されます。

わたしの心にゆるしをもたらしてくださって感謝します!」

 

Forgiveness sets me free.

Forgiveness brings liberty!

コフィーアナン元国連事務総長死去にあたってーここでほんとうに歴史が動くかも知れないという高揚感と期待を国連全体に生み出したアナン氏の「魂の報告書」

先日2018年8月18日コフィーアナン元国連事務総長がスイスで死去しました。80歳でした。

 

わたしはいい時期に国連で働くことができたと思っていますが、彼がトップだったことも大きかったと思います。彼が事務総長だった時代にニューヨーク本部で働くことができたのは光栄した。

 

組織や会社はトップの人の意識レベルで雰囲気もやり方もかなり変わりますが、国連といった大きな組織でさえも彼の影響は大きく、事務総長が潘基文、そして今のグテーレス事務総長に変わってからとくにそれを感じたと言っていた同僚がたくさんいました。

 

アナン氏は、物静かな方であまりたくさん話しませんが、口を開くと周りを引きつける智慧のある言葉を話される方でした。本物だけが持つオーラと独特の存在感を放っていました。

 

彼が事務総長として任期を努めた時期の前後90年代始めという時期を改めて振り返ってみると、冷戦が崩壊し、国内紛争が各地で起こり始めた時期でした。

 

日本が初めてカンボジアのPKOに参加したのは1993年でしたが、その時に国連本部PKO局を指揮していたのはアナン事務次長でした。

 

そして、同じ時期にはルワンダの虐殺(1993年)とボスニア、スレブレニッチアの虐殺(1995年)が起きています。

 

国連事務総長としての10年の任期の真ん中に差し掛かる前には9.11が起き、アメリカがイラク戦争に踏み切り、それに対する報復テロが新たな国際的な課題となり始めていました。

 

2005年には、緒方貞子氏やアマルティアセン氏 (ノーベル経済学賞受賞)などをメンバーとするハイレベルパネルが設置され、新たなテロや紛争にどう取り組むべきかという「脅威・挑戦・変化に関するハイレベル・パネル」によるレポート(A/59/565)が発表され、テロを生み出す根源に取り組む必要性が強調されました。

 

そして、2000年に全加盟国が採択した「国連ミレニアム宣言 」以降の進捗状況を審査することになっている2005年の国連総会時には、アナン氏は、「2005年は歴史的な好機」であり、「今後10年で地球上の貧困を半減させる全ての条件は整っている」とはっきり宣言し、世界の指導者に「国連ミレニアム宣言 」の履行を求めました。

 

国連という組織は年に何千もの報告書を作成し発表しますが、新しい機運を生み出したのは、「本報告書を作成するにあたっては、私の事務総長としての8年にわたる経験、私の良心と信念、そして、私自身がその原則と目的を推進する責務を負う国連憲章に対する私なりの理解を拠り所とした」という全文で始まる、日々変わりゆく世界の課題とビジョンを記した「国連事務総長報告書ーIn Larger Freedom」(A/59/2005)でした。

 

2005年の国連総会に向けて加盟国に提示された「In Larger Freedom」と「ハイレベル・パネルレポート」の二つのレポートは、単なる報告書というよりは、アナン氏、緒方貞子氏、アマルティアセン氏による協働作品とも言えるような魂のこもった報告書でした。

 

私はちょうどその頃国連ニューヨーク本部で働いていましたが、2005年は特に、ここでほんとうに歴史が動くかも知れないという高揚感と期待が国連本部全体に広がったのを覚えています。

 

世界が新たに直面する課題についてデータも含め実証的に提示し、かつ緒方貞子氏やアマルティアセン氏といった人たちによる新しい課題に対する分析や洞察、そして具体的な方策を提示しながら、同時に、国連全体と加盟国が向かう全体の方向性をビジョンと希望を持って示してくれました。

 

そして、彼の時代を振り返ってみて、今私の心をとらえるのは、彼がPKOを指揮していたときに起こった数々の国連が直面した大きなチャレンジです。

 

ルワンダの虐殺、スレブレニッチアの虐殺、イラク戦争の開戦、セルジオデメロ元国連人権高等弁務官が亡くなった国連イラク事務所の爆破。。。

 

カンボジアの国連PKOでは日本人もなくなりました。

 

どの事件をとっても国連はもちろん世界全体を揺るがした大事件でした。

 

だからこそ国連改革が起こったのですが、それらの出来事は国連の事務局と安保理との関係など国連の構造や制度の根幹に関するものでもありました。

 

国連の採用面接で「失敗」やこれまで体験して難しかったことについて聞かれるとお伝えしたことがあります。

 

難しい課題に直面した時にどう対処しましたか?そこから学んだことは何ですか?

 

仕事でうまく行かなかった体験はありますか?なにかに失敗した時どう対処しましたか?

 

仕事上で自分の苦手分野を発見したことはありますか?それに対してあなたはどうしましたか?といった質問です。

 

これらの質問が聞いているのは、「この状況や課題から学ぶことは何だったのか?ほんとうの問題は何だったのか?同じことを繰り返さないために改善できる点は何か?という視点です。

 

その質問を知ったときには、単なる面接の対策として考えていましたが、

 

アナン氏を通じてその時代の出来事を振り返ってみると、そうした質問の意味がよりリアルにせまってきます。

 

私たちは過去に起こったことにたいして、

 

「どうしてああしなかったんだろう」

「ああ、もっとああすればよかった」と思いがちです。

 

私も4年ほど働いた南スーダンで内戦が再発して見慣れた首都ジュバの街に避難民が溢れている様子を見たときに、「ああ、もっとああすればよかった」という思いが押し寄せてきたこともありました。

 

いくらでも「後悔」することは簡単なのですが、ただ、すでに起こったことが変わることも、過去がよくなることもありません。

 

過去が役に立つとしたら、私たちが過去の体験から「学び」賢くなって、顔を上げて前に進むことなのだと思います。

 

アナン氏死去のニュースからそのことを改めて教えてもらっているように感じます。

 

この困難と混乱の時代に、人々に耳を傾け、対話の空間と問題解決の場所を与え、平和と平等への取り組みを決して諦めなかった彼の精神がこれからも私たちを鼓舞し続けてくれるように願います。

 

コフィーアナン氏、

 

あなたは世界と国連全体が前代未聞の数々の大きなチャレンジに直面していた時代に、惨事のときさえも謙虚に智慧とゆるしの精神を持って国連と人類が前に進む方向を粘りづよく探り続け、利害がぶつかり合う時でも、国連全体と加盟国が向かう全体の方向性をビジョンと希望を持って示してくれました。あなたが示してくださった精神と功績に心から敬意を表し、哀悼の意を表します。