2017年は、全く新しいサイクルの初まりの年だと言われています。
時代が変わりつつあることがよりはっきりと感じられた年でした。
ではどういう時代なのでしょうか?
どう時代が変わりつつあるのでしょうか?
時代がこれほどに変わっていても変わっていないように見えた時でも、後で振り返れば時代の「流れ」を教えてくれていた「サイン」があったと思うことはよくあります。
今の段階では、今時代がどう変わりつつあるのかに対する完全な答えは誰もまだ出せないと思いますが、この一年半の出来事から読みとれる「サイン」をいくつか挙げてみたいと思います。
1点目は、「「ライフシフト100年時代の人生戦略」(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット、東洋経済新報社)です。
「100年時代のための保険」という商品もでるなど「人生100年時代」というタイトルはインパクトがありました。
なかには「100年も生きたいくない」と思った人もいると思いますが、
この本は、100年ライフの時代では、人生を学校→会社→引退という3つのステージで捉えてきた前提自体が変わり、働き方や価値観がますます多様化し、
自分の体験や分野を広げていく時期や、自分で仕事を生み出していくステージなどが加えられ、いくつものステージが同時平行して進んでいく「人生のマルチステージ化」が進むだろうと言っています。
つまり、100年生きるということは、「一つの会社に就職する」、「雇われる」という働き方だけでは、100年スパンを考えられないよ、というわけです。
もっと言うと、100年生きるということは、自分がほんとうに充足感を感じることをみつけられるかどうかで人生の質は大きく変わるだろう、ということなのです。
ただ、それはプレッシャーに感じることではなく、仕事をしながら、新しいことを学んだり、自分の体験や分野を広げていくことが大切だよ、と言っているのです。
これをやった結果、新しくこういうことがわかった、それで、自分はこう思った、こう感じた、だから今度はこれを学びたい、こういうことをしたい、体験を大事にしましょう、ということです。
そして、100年時代が示唆していることの一つは、やりたいことは人生で何度か変わってもいい、ということです。
それは、沢山のことをやらないといけない、という意味ではなく、やりたいことに「間違い」はないし、やりたいことをやる方法や手段もたくさんあるよ、という意味です。
実際、お金を稼ぐ手段とやりたいことが別の時期もあれば、徐々にやりたいことがお金を稼ぐ手段にもなっていく、ということもあるでしょう。
別の言い方をすると、雇われるメンタリティーから自分でつくり出す(クリエーション)のメンタリティーへのシフトです。
雇われるメンタリティーは、
真面目で
人を疑うことなく素直にいうことを聞いて
仕事をこなす人が重宝されます。
それがまともな企業ならいいのですが、残念ながら、ブラック企業にはとっては、こうした「真面目さ」が「使い勝手にいい人」になってしまいます。
クリエーションのメンタリティーは、全く異なります。
文字通り「つくり出す」ことです。
自分の体験やオリジナリティーが求められます。
他の人にはなくて、自分にしかできない・自分だから貢献できることは何だろう?という発想です。
それに対する答えをみつけるための問いは、
自分はほんとうは何を望んでいるのか?何が好きなのか?何をやっている時が楽しいのか?という問いかけです。
同じ仕事をしていたとしても、人がやりがいを感じるポイントはまったく違いますし、人は自分が好きなことをやっている時に自然に才能を発揮します。
生き生きと輝いている状態です。
私たちは輝いている人の様子を見るだけで嬉しくなるし、元気をもらいます。
だから、自分が好きなこと、やりたいこと、それを才能まで伸ばしている人はそれだけで周りに元気を与えていると言えます。
「やらなきゃいけない」という義務感や役割、または、「自分はこうあるべきだ」という自分で自分に思い込ませている理想像やマスク(ペルソナ)、または競争心で自分をがんばらせることができるのは、せいぜい5年、10年、せいぜい15年ちょっとでしょう。
その頃には、疲れ果てて、自分が好きなこともやりたいことを考えるどころか思い出す気力さえなくなってしまいます。
テレビに映る政治家に心のなかで文句を言って、かろうじて電車に乗って、金曜日の夜に安堵する冷めた、シニカルな大人になってしまいます。
残念ながら、今の日本には、無関心、無気力や無関心が蔓延しているように感じます。
100年間、なんとなく流されて冷めて生きるにはあまりにも長い時間だと感じるのは私だけではないでしょう。
自分のやりたいことがわかったら苦労はしないよ?
そんな声が聞こえてきそうですが、やりたいことをみつけるのは難しいと思っていませんか?
たくさんの人がいろいろな「思い込み」にはまっているように見えます。
自分はやりたいことをやってもいい、
まずはそう自分に言ってみませんか?