海外で働く: 多国籍な環境では目立つように話さないと評価されない?の誤解

海外で働きたいのだけれども、いつもガンガン自己主張をしないといけないの?多国籍な環境でより自分らしく自分を表現するにはどうしたらいいでしょうか?

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自分の考えや提供できるものを知ってもらうためのセルフプロモーションのスキルはあった方がいいと思いますが、

少しだけ結論を先に言うと、話す量が大ければいい訳でも目立てばいいという訳でもなさそうなのです。

なぜなら、2週間でたった3分しか話さなかったのに国連特使にスカウトされた体験があるからです。

でもあまり話さなかった (オブザーバーだったので話せなかった)けれども、研修中ずっとやっていたことがありました。

 

それは。。。

 

さて、それは2週間の国連のリーダー研修での出来事でした。

 

私のすぐ側には、女性で世界初の防衛大臣になったフィンランドの元大臣や国連特使、1万2千人の国連軍を前線で指揮した元司令官などの方たちが講師として座っていました。

そして、参加者としては、各国から推薦された軍人や警察のトップ、ニューヨークやアフリカなどから集まった国連の幹部などが揃っていました。

彼らの多くは、国を代表している立場であり、この研修で推薦され、いろいろな要件が合えば「国連事務総長特別代表」として派遣され、国連外交でのプレゼンスを上げることが目的なので、すべての講義や課題が評価の対象となるのでかなり真剣です。

 

日本からは外務副大臣が開会式で挨拶をしていました。

さて、私は「オブザーバー」という立場での参加でした。この研修を受けるにはまだ若いけれども経歴が買われ、正式に「話す」権利はないけれども、研修にいてもいいよという訳でした。

前線で活躍してきた講師陣の生のリーダーシップ体験を聞ける機会がありながら、課題をしたり発言をしないといけないというプレッシャーから解放されているので、ある意味とても理想的なシチュエーションだったかも知れません。

 

ある仮想国のトップとして意思決定をしていくことを学ぶ、米軍が作ったシナリオや課題はけっこう本格的で、内容が面白かったので、正式には何の評価にもならなかったけれども、資料は読んだし、私だったらこうするかなあと課題にも取り組んでました。

 

その様子があまりに熱心に映ったのか、初めの1週間が過ぎてから、特使がパネルのメンバーとして参加して欲しいと言ってくれました。

 

「えっ?」

「でも私『オブザーバー』だし、みなさんそれぞれの国のトップの方々ですけど。。。」

 

断わるのはあまり得意ではないし、せっかくのチャンスだし、その分野での南スーダンでの体験に関しては私しか喋れる人が他にいなかったので、引き受けることになりました。

 

さて、私にふられた質問は一つ。話した時間は3分位だったと思います。

 

パネルが終わった10分後、私は国連特使からプログラムの講師にスカウトされたのです。私にとっても予想外の展開でした。

 

そして、その研修のしばらく後、今度は同僚として再開したある講師の方との会話の中でこんなことを聞きました。

「あれはとてもいい研修だったね。~さんはbig mouth (ビッグマウス)なだけで、中身が空っぽでちょっとがっかりしたけど、あの彼女はしっかり考えてたよね。」

紛争の前線に派遣されるリーダー研修で、しかも、元軍人といったバックグラウンドの人たちでも、そういう風に評価をするんだ、とけっこう「新鮮」に感じたのを覚えています。

 

さて、正式には3分しか話さなかったのだけど、今考えてみれば、役に立ったことがあったと思います。

・コーヒーブレークの時にチョコレートを持参して配った。(朝から夕方まで深い講義が続いて甘い物が食べたくなったのにお菓子がなかったから)

・ランチの時間にはフィンランドの元大臣の隣に座って彼女の体験を聞いた(私が聞きたかったから)

・毎朝、笑顔で目を合わせて参加者や講師の人たちに挨拶をした (素晴らしい講義が続いたからか自然にそう思えたから)

・コーヒーブレークを含めると2週間でほぼ全員に話しかけた (どんな人たちが参加しているのか興味があったから。私は「聞き役」になることが多いですが)。

 

多国籍な環境だからこそ、たった一言でもいいので、「あうんの呼吸」が成立する日本とは違って直接言葉をかわすことは、

 

「私はあなたの敵ではありません。」

「私はあなたを尊重しています。」

「私はあなたに関心があります。」

そんなメッセージを送るサインとして、思っている以上に大きいかも知れません。

 

そして、密かに?!にやっていたことがあります。

 

この研修自体が成功であることを祈っていたこと、でした。

 

講師を務めていた方々が、自分の体験をこれから世界の前線の立つ人に役に立てて欲しいと、公式な肩書きを超えてあまりに「白熱教室」を繰り広げるものだから、自然にそんな気持ちになったのかも知れません。

私は国を代表してる訳じゃないし、賢く見られる必要もないし、選抜されない心配もないし、「楽しんでいた」のも大きかったかも知れないですね。

ぜひ、自分にあったスタイルをみつけてください。

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