From 3.11 to 2020 & Beyondー神の津波と日本

人にその人しか果たすことのできない神様からの計画、目的(plan、purpose)が与えられているように、国にもまったく同様に神による計画が与えられていると言われています。

 

「神の津波 日本、そしてイスラエルへ」(Peter Tsukahira著)という本 (原著2003年出版)があります。

 

著者のピーターツカヒラ師は、アメリカ生まれの日系アメリカ人で、国務省で働いていたお父さんがライシャワー在日大使の下で働くよう日本へ派遣され、ツカヒラ氏は、1961年から家族と共に10代を東京で過ごしたというユニークな経歴を持ちます。

 

その中で、日本には神によって与えられた使命がある、と言います。

 

それは何かと言うと。。。

 

その前にちょっと、もう見た人も多いと思いますが、今回のコロナウイルスに対する各国の対応に少し触れておきたいと思います。国のビジョンということにも関係すると思うからです。

 

台湾では天才大臣と呼ばれるオードリー・タン(唐鳳)氏がプログラマーのバックグラウンドを活かして、マスクの見える化をしたり、緊急時に発生しやすいデマ情報の拡散を予期して呼びかけを発信し、人々が「本当に必要な人にマスクを譲ろう」と応答した、と伝えられています。https://v.gd/sY4VgJ

 

シンガポールでは、対策のために団結を示す姿勢として、政治家の給料1割カットが打ち出されました。この記事で注目すべきは、給料カットではなく、むしろ副首相(Heng Swee Keat, Deputy Prime Minister & Minister for Finance, the Republic of Singapore)の決意と一致のあるビジョンに満ちたメッセージでした。

 

‘ We are united in our determination to preserve and enhance jobs, as well as support businesses impacted by COVID-19. We are united in our confidence that Singaporeans come out of this outbreak stronger. As long as we stay united in resilience, trust and solidarity, and to build better lives for all in Singapore, we will get through this — together.

Our unity will set the foundation for Singaporeans to press on and write the next chapter of our Singapore story. All of this is within our reach, if we work as One Singapore. Above all, let us never stop thinking and working for tomorrow.’

 

シンガポールと言えば、27年ほど前にアメリカ人の少年が器物・公共物の損壊行為等を行ったことで鞭打ちの刑を科され、アメリカ政府は刑の執行を猶予するよう要請したものの、シンガポール政府は鞭打ち刑を実行に移し、国際的に話題になりました。

 

リー・クアンユー首相(当時)の政権は経済を力強く牽引し、安全だけど独裁的、家父長的というようなニュアンスで語られました。

 

シンガポールのIT企業で働くアメリカ人の知人からは、国といっても23区ほどの領土しかないし、安全でハイテクで全て整っているけど「退屈」という声を聞くこともあります。

 

そういう面も実際あると思いますし、実力主義の国でもありますから、単純にシンガポールが住みやすいと言えるわけでもありません。

 

また、給料1割カットを打ち出したのも、世界の投資の中心地とアジアのビジネスセンターであり続けるために、対外的に分かりやすくアピールする必要もあったのでしょう。

 

それを踏まえても、シンガポールのメッセージからは、国全体が進化し続ける、前を見据えた視点を感じました。

 

今では一人当たりのGDPは、日本よりもイギリスよりも高いシンガポールですが、1964年東京オリンピック開催の時には、まだイギリスの植民地で、シンガポールという国さえ存在していませんでした(1965年8月9日独立)。

 

シンガポールより約2年前早く独立した天然資源のマレーシアに比べ、「何もなかった」小さい島国をどう発展させたらいいのか ーリー・クアンユー首相(当時)は、不眠症で倒れることもありながら、「他の国が必要とする国になる」、「我々にあるのは戦略的な立地条件と、それを活かすことのできる国民だけだ」という考えに至り、次々と施策を具現化していきました。

 

その一つは、国民一人ひとりが自立し、社会的責任を担える健全な精神を養うことだ、ということでした。

 

シンガポールの発展については別に譲りますが、本当に「知恵」をもって発展をしてきた国なのだと思います。

 

日本も同じく島国でありながら奇跡的な経済発展を遂げてきた国です。

 

わたしは、3.11の1年後、仕事でバングラデシュにいましたが、一日の稼ぎが100円にも満たない多くの人たちが、日本の復興のためにたくさんの寄付をしてくれたことを知りました。

 

その後、同じ年にフィリピンやスリランカでも「私たちは日本の復興を願ってます。戦後の焼け野原の状態からあそこまでの経済大国になった日本は私たちの希望です」ということをたくさんの人が伝えてくれました。

 

「神の津波 日本、そしてイスラエルへ」(日本語訳2011年)の中でも、冒頭で2011年3月の東日本大震災のことが触れられています。(ちなみに、2003年出版の原書タイトルはGod’s Tsunamiです。)

 

神の津波 日本、そしてイスラエルへ

 

以下引用(p.11, p.278-p.283)。

 

「これまでの歴史で、日本は地と海からのこれほどの惨状を経験したことはなかった。この恐ろしい自然災害を通じて、神が日本に何かを語りかけておられることを、私たちが理解することが必要だ。この地震と津波はかつて起こったことがない規模で、文字通り全国民を震撼させた。この意味ははっきりしている。

 

日本が、一つの国民として変わるときが来たのだ。新しい時代に適応するために変わらなくてはいけない。昔ながらの方法や考えは、もはやこの国の繁栄を保ち、発展させていくことができない。今こそ、新しい道への勇気ある一歩を踏み出さなくてはいけない。」(p.11)

 

…(中略)…

 

「日本は今、霊的な危機の中にある。自殺者の数は近年減ってきているが、一年あたりの数で二万人を超えており、国際的にとても高い水準だ。若者たちが命を絶っているだけでなく、中年の男性の自殺数が多いのが日本の特徴だ。彼らは『サラリーマン』と呼ばれ、会社に人生を捧げ、日本の「奇跡的な」経済成長を負ってきた人たちだ。

 

今日、彼らのうちの多くは、職業的な安定感を失ったことによって、自分たちのアイデンティティーの重要な部分を失っている。

 

この危機は、経済危機とされがちだが、私はむしろビジョンの危機だと考えている。

 

日本の人々は、今も熱心に仕事をし、高品質の製品やサービスを生み出している。しかし、国の政治的な指導力に対する自信と、将来に向けての社会的な指針、方向性を失ってしまった。

 

今日の日本は、まだ見ぬ新しいビジョンを得るために、馴染みはあるが時代遅れとなってしまった過去のビジョンを手放さなければならないという苦しみの中を通っている。

 

…(中略)…

 

過去一世紀の間、二回、あと一息で世界のリーダーになるところまで来た。

 

最初は、第二次世界対戦前、軍事力によって領土を拡大していたときだ。これは軍の失敗に終わり、広島と長崎への原爆投下による悲劇で終結した。

 

二回目は、戦後、工業的・商業的に領土を拡大していったときだ。戦後の日本の経済成長は、西欧社会にとって脅威となった。

 

1980年代に、ハーバード大学教授、エズラ・ボーゲルは、著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の中で、日本が世界経済のリーダーとして、アメリカを超えつつあると書いたが、世界中がそれを感じていた。しかし、日本の時代は1990年代に「バブル経済」がはじけるとともに終わり、その後は二十年近く経済のマイナス成長と停滞が続くことになる。

 

日本は神によって創られ、使命を与えられている。世界のリーダーとなる使命だ。しかし、神はそれを、肉の力、つまり軍事力や経済力でしてはならないと命じておられる。

 

リーダーとなるためには、生ける神から国家に与えられる力強いビジョンが必要だ。」

 

以上引用終わり。

 

今回の政府の対応を目の当たりにして、政府や日本という国のこれからについて思いを寄せることになった人も多いと思います。

 

オリンピックという過去の成功物語以上のことを描くことができず、それになんとかしがみつこうとする姿は、別の言い方をするとビジョンの欠如とも言えます。

 

日本に「新しいビジョン」が必要であることに、同感です。

 

今回のウイルスによる嵐の最中の「宝」の一つは、もうとっくに機能していないのに、かろうじて成り立っているかのように見えるモデルや価値観が今や壊れていること、そして新しいビジョンの必要性がよりはっきりしたことでしょうか。

 

国の大統領や政治家、アメリカのエンターテイメント業界のスターたちのために助言や祈りの働きをするショーン・ボルツという人がいます。

 

日本ではあまり知られていませんが、国の大統領や政治家に対して祈りを取り成したり、メッセージを伝える働きというのがあります。「神の通訳者ー自分や周りの人のために神の声を聞く」という本の中で人物は「仮名」で書かれていますが、非常に面白いです!

 

彼はこう言います。

 

「人は愛していないものに対しては、権威を持てない。」

 

愛している分だけ、相手は心を開いてくれる、という意味です。

 

英語でIntercessionという単語があります。

[名]仲裁,仲介,調停,執り成し(とりなし)をすることの意味です。

とりなし、または、とりなしの祈りは、他者に代わって神に祈る行為のことを言います。

 

今回、台湾でのウイルス対策が評価されていますが、台湾の人たちは祖国のために日常的に祈っていて、今回のような緊急時を見据えて、特に2018年からは指導者へのとりなしを行っていたと言われています。

 

私も最近とりなしの力を体験しました。

 

ちょっと前に、スピーチのクラスの大学の授業で、学生たちが素晴らしいスピーチをしてくれたことをシェアさせていただきました。

 

最初はモジモジみんなの前に出てきて、下を向いてボソボソ話すような学生もいたのに、最後は素晴らしいスピーチを次から次へと披露するので、「あら、この素敵な子たちはどこに隠れていたのかしら?!」と後ろに座っていた先生がびっくりしたという話しです😲

 

たった14回ほどの授業で、しかも英語もスピーチについても教えた部分はほんのわずかだったのに、最後に学習曲線が急上昇⤴️⤴️⤴️したのは、「とりなし」の祈り(学生の祝福を祈り、そして他の人たちにも祈ってもらう)と、あわせて、「神様のまなざし」で学生たちを見てあげるということが大きな力となったのではないかと思っています。

 

わたしも、「神様のまなざし」で受けとめられる時、大きな愛に包まれ、安心感に満たされる中で、神の導きの中にある安心感、軽やかさ、将来へ開けていく感覚をはっきりと体感したことがあります。

 

そのような「神様の愛のまなざし」を、私たちは国にも向けることができるので、日本という国を「神様の愛のまなざし」で見ることができるということです。

 

ショーン・ボルツは、こう続けます。

 

「私たちは社会に欠けていることだけに焦点を当ててしまいがちです。…  でも、神が既に何をなさったのか、そして自分たちが何を達成できたかに目を向けないと、何が欠如しているかにフォーカスしてしまい、神の業の全体像を見ずに社会正義や人権のために戦おうとしまいます。

 

マーティン・ルーサー・キング・ジュニアのような先駆者たちは、今ある限界を遥かに超えた全体像を見ていたのです。神のみ心にあるものを呼び起こすことが必要なのです。」

 

二人とも神様の視点というものがあるんだよ、ということを教えてくれています。

 

そして、すでに大きな流れの中で日本が位置付けられているとピーターツカヒラ師は言っています。

 

原著は2003年の出版ですが、サウジアラビアでの石油施設の攻撃や中東におけるシーア派とスンニー派の分断による二分化などが、17年も前にすでに予見され、書かれている通りに今まさに中東、世界情勢が動いていることに驚きます。

 

ただ、この本の焦点は、予見や予知というよりは、そこには神の計画という大きな全体像があるんだよ、という点にあります。

 

地上1メートル75センチくらいの視点だと、問題ばかり見えますが、もっと高い高い大きな神様の視点がある、ということです。

 

その視点を日々の中で広げ、物事を見ることができるようにただ今訓練中ですが、今回の騒動でその必要性をさらに強く感じています。

 

最後に日本の指導者のためにお祈りをしたいと思います。

 

日本で一番大切なことが一番大切にされ、必要なことが知恵をもって速やかに行われますように。そのために必要な資源と人材が最大限に活かされますように。

 

この国を愛し、この国の指導者たちを敬い、彼らのために祈れるように私たちを整え、その心を支えてください。

 

日本の指導者たちを助け、知恵を与えてください。

 

日本にあなたがくださった使命とビジョンを見せてください。

 

私たちがあなたの愛を日々溢れるほどに受け取ることができるように助けてください。私たちの心を柔らかくしてください。

 

神さま、あなたの愛がどれだけ広く、長く、高く、深いかがわかるように私たちを助けてください。

 

私たちの心が愛で満たされ、愛に留まることができるように私たちを助けてください。

 

The LORD will fulfill his purpose for me; your steadfast love, O LORD, endures forever. Do not forsake the work of your hands. (Psalm 138:8)

 

Psalm 138

キャベツ専業農家が新宿伊勢丹で連日完売のおしゃれ発信源になるまで

「ここにあった!」私は思わず叫んでしまいました。

 

なぜなら、その店にあったのは、私がこの数ヶ月ずっと探し求めていたものだったからです。

 

大吉七菜海さんに会ったのは、東京赤坂アークヒルズ前のヒルズマルシェでした。

 

彼女がおしゃれなラッピングに包み手にしていたのは「ケール」でした。

 

ケールはミネラルが豊富で「野菜の王様」と言われます。

 

普通のスーパーではあまり売っていない希少な野菜です。

 

テニスチャンピオンのジョコビッチ選手は、世界一位になるまでには文字通り何度も「大きな壁」を乗り越える必要があって、「起きていられる時間にできることはすべてやった」と語っています。

 

その一つが食事改革で、彼が公開しているメニューの中にはほぼ毎日ケールが登場します。

 

わたしもケールを食すると執筆が進むので、実はあちこち廻って探していたのです。

 

そんな経験もあったので、彼女はどうやってケールを調達し、都会のど真ん中でたった一人で、どうしてケールを売るようになったのか?と興味を持ちました。

 

しかも彼女のお名前は大吉(だいきち)さん。

 

彼女の田舎の鹿児島県の指宿ではごくごく一般的な性で、同級生の名前もみんな大吉(だいきち)、中吉(ちゅうきち)、小吉(しょうきち)、末吉(すえきち)だったそうで、町を離れて始めてそれが珍しいことに気づいたそうです❗️

 

彼女は社会学を学ぶ大学2年生でした。

 

彼女の実家は、指宿で東京ドーム5個分の土地で農業を営むキャベツ専業の農家さんで、これまでずっとキャベツを育ててきたそうです。

 

町のほとんどの人が農家で、農家=キャベツという図式ができあがり、それになんの疑問も持たなかったある日、七菜海さんのお母さんは家族に向かってこう言ったそうです。

 

「このままキャベツだけやっていたら危ない。もし不作になったらおしまい。何か他のこともやらないといけない」と。

 

お父さんは「それなりに上手くいっているのだから『キャベツでいいじゃないか』」と言い、その時はそれで終わったそうです。

 

その一方で、お母さんは着々と準備を進めていました。

 

農業の6次産業化するサポートをする「女性農業次世代リーダー育成塾」へ通い、東京へ行くようになりました。

 

 

その地域の農家としては珍しく、野菜をおしゃれに「ラッピング」することを始め、農園の新しいロゴもつくりました。

 

七菜海さんは、当時高校二年生でしたが、お母さんと一緒にデザインを考えるようになり、実際にロゴや袋のデザインが出来上がっていく様子をずっと見てきたそうです。

 

ケールが緑なので、赤が映えるだろうとケールには赤のリボンもついています。

 

そんな日々がしばらく続き、お母さんからニュースを聞くのです。

 

新宿の伊勢丹と銀座三越で大吉農園のケールを売ることになったと。

 

お母さんは、月一回東京へ通い、その度にケールを片手に、卸売り市場で営業をしていました。

 

同時に東京の大手百貨店におかせてもらえれば、信用が付き販路も広がるだろうと機会を探っていました。

 

 

大吉農園のケールはまず週に一回新宿の伊勢丹に置かせてもらい、連日完売が続いて常設的にケールが置かれるようになったのです。

 

そして、その実績が買われ、銀座三越、日本橋三越にも大吉農園のケールが広がりました。

 

大吉農園(だいきちのうえん)の取り組みは地元でも注目され、最初は反対したお父さんもいまでは全面的に協力しているそうです。

 

 

「実はその時、お母さんがあまりに頻繁に東京に通うから『アヤシイ』って思ってたんです。今だから言えるんですけどね(笑)」

 

 

そんな経験があって、大吉農園の野菜をもっと広げたい、人生経験を広げたいと考えてアークヒルズのマルシェで出店することになりました。

 

「2016年7月に出店して、初めて「完売」した時は感慨ひとしおでした。その時の経験は大きな自信になっています」と七菜海さんは言います。

 

そして、ケールがどうしたらもっと売れるようになるのかを自然に考えるようになりました。

 

「スーパーに行くと、それまでは気にならなかったポップが目に入るようになりました。

 

そして、どうしたら商品を手に取ってもらえるか、自分がどんな接客を受けると嬉しいかと考えるようになりました。」

 

 

ケール

 

ケール②

 

 

「お客さんと話しているときが一番楽しいです。人との出会いが学校ではできない貴重な体験だと思います。もっと自分の実力をつけていきたいです。」

 

寮でケール料理を友達にふるまっているという七菜海さんは、「一時間で5品も作れるようになったんです!」とケールパスタ、スープ、サラダにバーニャカウダの美味しそうな写真を見せてくれました。

 

ケールサラダ.jpg

 

「大学は先生の研究を一方的に聞くだけ。私は、このケールがどうしたらもっと売れるようになるのかをもっと学びたい」と七菜海さんは続けます。

 

きっと、これも多くの大学生や今の若者の声を代弁したものなのでしょう。

 

七菜海さんの話しを聞いていると、ビジネスとは最初から何か大きなことである必要もなく、意地はってやるようなことでもなく、起業か就職かの二者選択でもなく、

 

自分がいいと思うものをいいと言い、周りに伝え、表現し、提供する(販売する)ということは、日常生活の延長にある身近な行為で、簡単に楽しく気軽にやっていい時代なんだ、と感じます。

 

「このままではいけない」と感じ取った女性の「第六感」。

 

『ファースト・ペンギン』に反対はつきもの。

 

反対されても形にしていったお母さんの勇気が、ケールを通じて指宿と東京をつなぎ、女性に勇気を与えてくれているように感じます。

 

 

時代の変わり目では、これまでと同じことを同じようにやっているだけでは先は拓けない。

 

だから、自分で自分の道を切り開くしかない。

 

いいものを必要な人へ。

軽やかに楽しく。*^^

 

以下、大吉農園おすすめケールバニラシェイクレシピです。

 

ケール&バニラ&豆乳(お好みで)をシェイクします。

私はさらにパイナップルを加えてみました。

美味しかったです!(^^)ニコ

 

 

大吉農園

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http://www.thepicta.com/user/daikichifarm/3965071611

 

 

 

お問い合わせ先

大吉農園(だいきちのうえん)

鹿児島指宿市湯の浜6−3−21

daikichifarm@gmail.com

 

ハーバード大学リーダーシップ研修: リーダーとは答えを示さない勇気を持てる人

米軍の特殊部隊を採用するために使われる試験のうちで、もっとも難しいものは、射撃技術でも格闘能力でもなく、人里離れた道をただ走らせるという試験だそうです。

この試験がなにより苦しいのは、フル装備をつけて走ることもさることながら、どれだけ走るのかを教えてもらえないこと。

 

5キロでいいのか、20キロなのか、はたまた50キロか?

勢いよく飛び出す人もいれば、慎重にエネルギーを温存して走り出す人。。。

27キロのフル装備を背負い、体力を消耗する中、もっとも辛いのは、肉体的疲労よりも、精神的な疲労。

 

どこまで行けばこのレースが終わるのかわからないという重圧に耐え切れず、多くの候補生が脱落する。。。

 

この試験が見ている状況とは何なのでしょうか?

 

この先に何が起こるのか明確に分からない状況に耐え、モーチベーションを保ち、自分の意思と判断を信じて進むという資質です。

 

この資質ことが、特殊部隊としての任務を遂行するための能力だけでなく、個人の関係であれ、ビジネスでも、子育てでも役に立つものとして捉えられているのです。

 

別の言い方をすると、「不確実性に耐える力」です。

 

では実際のところ、私たちはどれだけ不確実性に耐えられるのでしょうか?

不快な時や不安な時、人はどういう行動をとるのでしょうか?

 

私自身、32人のグループでこの事を肌で実感した体験があります。

 

ハーバード大学大学院ケネディースクールの教授によるリーダーシップトレーニングに参加していた時のことです。

 

その実験は突然始まりました。

企業、大学、NGOなどから参加者が集まった32人の反応は本当に様々でした。

 

グループをまとめようとする人あり、

なんらかの答えを出そうとする人あり、

議論を始める人あり

イライラする人あり

批判口調になる人あり

沈黙する人あり。。。

 

 

その実験自体に答えがある訳でもなく

それぞれの行動が正しかったか、間違っていたかという訳でもなく、

 

その実験のポイントは、自分はなぜあの時そういう行動をとったのか?という

自分の反応(パターン)を知るということでした。

 

Harvard Kennedy School.jpg

 

まさに「不確実性」に対して人はどう反応するかという模擬体験でしたが、

人は答えがないという状態にかな~り動揺と不満を示すことがはっきりと表れた実験となりました。

 

怖れる

怒る

批判する

コントロールしようとする

隙間をなくそうとする

見ないふりをする

黙る

 

 

間違える不安、見くびられる不安、自分は劣っているという不安で

新しいアイデアを引っ込めてしまったり、本当に必要な意見を言わない。。。

 

見えないところでイノベーションを潰しているのはこうした不安や恥の意識なのです。

 

ハーバード大学で「一番影響を受けた教授」にも選ばれリーダーシップを教えるディーンウィリアムズ教授は、

 

本物のリーダーとは答えを示さない勇気を持てる人だと言います。

 

なぜなら、今の時代の課題は複雑すぎて、たった一人の人が「正しい解」を示せるわけではないし、その時には上手くいっていたことでも、これからはより柔軟に適応していくことが求められるからです。

 

別の言い方をすると「答えがない状態をホールドできる力」です。

そして、そこから学びを促せること。

 

なるほど、

変化の激しい今の時代、

リーダーが全てを仕切り、何でも分かっていると考えるのは時代遅れであるばかりか、むしろ害になるのだとしたら、一見「弱み」をさらすようだけれども、これこそこれからの時代に求められる勇気のあるリーダーシップの資質かも知れません。

 

私自身、米海軍のコンサルタントとして

あるプログラムの講師を務めることになった時に、

 

講師たるもの、人の前に立つものはなんでも全て知っていなければいけない、と思っていたので、

たった一言「分からない」と言うのが怖かったがために、

研修の準備のために、かなりの時間に費やしたことがあります。

あの時はずい分疲れました。(笑)

 

今なら分からないことは「分からない」と言ってもいいと思えるので、もっと楽にできると思います。

 

人はいろんなレベルで社会の変化を感じている。

「未知」と「予測できない」ことが日常になってきている。

 

不確実性は私たちを避けてはくれないけど、選べることがあるとしたら、そういう状況に対してどう対処するかということ。

 

だからこそ、まず、不確実性に対して自分はどんな反応をするのかに気づきを持つことはとても大切になりそうです。

新しい時代のリーダーの資質は「分からない」と言えること

 

この言葉が使われているかどうかで

その組織が

どれだけクリエイティビティーか

どれだけ失敗への寛容かが分かると言われているものがあります。

 

企業、学校、家庭、どんな組織でも当てはまるそうです。

例えば、このような言葉です。

 

*************

わかりません。

助けてほしい。

試してみたいんです。

私には重要なことです。

私はそう思いません。

それについて話してくれませんか?

とても勉強になりました。

はい、やったのは私です。

私にとって~は大切なことです。

私が感じていることは~です。

フィードバックをもらえますせんか?

これを試してもらえませんか?

やり方を教えてください。

そのことは私に責任があります。

手伝いますよ。

力になりたいんです。

次に進みましょう。

とても助かりました。

ありがとう。

*************

 

なるほど~~~

 

今振り返ると、個人的には一行目の「分かりません」がもっと早く言えたらもっと楽にできたなあ~と思います。

 

私がアメリカ政府のコンサルタントの仕事で国連のPKO活動についての講師を務めることになった時に、

講師たるもの、人の前に立つものはなんでも全て知っていなければいけない、という考えをなかなか手放せずにいました。

 

だから、一番初めの研修の時には、

2週間の研修の準備のために、

 

それこそ、国際人道法から、最近のアフリカ情勢から、国連憲章までいろんなことを詰めこみました。

 

全ては「分からない」と言うのが怖いがために~(汗)

あの準備はずい分疲れました。(笑)

 

実際にやってみると、人が講師に求めているものは知識だけじゃないってことを肌で感じたので、

二回目からは、もし分からないことがあったら「その件は分からないので調べてお答えします」と言ってもいいんだと思えるようになってずい分と楽になりました。

 

知識はもちろん必要ですが、相手が知りたいのは知識だけでもなくて、その人自身の考えだったり、体験だったりするのですよね~。

 

営業の研修でも商品やサービスなどで分からないことは、その件は分からないのですが調べてお答えします、と言う方がいいと教えられているようですね。

 

変化の激しいこれからの解のない時代。

新しいリーダーシップの定義の一つは、「分からない」と言えることだそうです。

 

ある状況で正解だったこともこれからの時代は正解であるとは限らないし、

解は一つじゃないという訳なのですね。

 

リーダーに限らず、

分からない時には

組織全体が「分からない」と言えること、

それを受け入れた上で、

その先に進める資質が求められてきそうです。