ギフテッド判定のためのチェックリスト
ギフテッドの子達・人達とは、どんな人のことを言うのでしょうか?
カナダのAlberta Learning(アルバータラーニング)とAlberta Associations for Bright Children (AABC) アルバータ協会が共同で製作した The Journey: A Handbook for Parents of Children Who Are Gifted and Talented (complete guide)より、ギフテッド判定のためのチェックリストを載せました。
1、一人で作業をしたり遊ぶことを楽しむ、または、好む
2、一度に二つか三つのことに集中する。
3、年上の子どもや大人と一緒にいることを好む。
4、年上の子どもや大人向けの本や雑誌を読むことがある。
5、結果と原因の関係に興味を持つ。
6、学ぶのが早く、習った知識を応用できる。
7、論理的な思考が強い。
8、年齢にしては語彙が多い。
9、自分で発見したり問題を解決するのを楽しむ。
10、言葉で遊ぶのが好き。
11、出来ることと出来ないことの差が激しい(例えば、6歳で○○は説明できるのに、自分の靴の紐が結ぶのに苦労する)
12、数学や数字で遊ぶのが好きで、数学の問題でとてもユニークな解き方をすることがある。
13、規則の理由(理由の理由も)を知りたがるー
14、アイデアを複雑にまたは今までにない視点で議論する。
15、質問や課題に取り組むのに、いろいろな可能性を見る。
16、好奇心が強く、質問をしたがり、答えについて質問をする。
17、ゲームや行動をまとめたり、グループの中のいざこざを仲裁するなどリーダーシップを発揮する。
18、興味のある事に対して長い間集中力を発揮する。
19、何かに集中するとそれ以外のことを忘れてしまう。
20、いろいろな分野でユニークな分野で趣味や興味がある。
21、何かを収集(コレクション)している。
22、想像力が豊かである。
23、ゲームやおもちゃなどを自分で創作する。
24、同じことをするのに新しい方法をみつける。
25、絵を描くこと、文章を書くこと、何かを創作すること、実験すること、発明すること、ストーリーを語ることが好き。
26、歌うこと、楽器を弾くこと、踊ること、リズムに合わせて身体を動かすこと、パントマイムをするのが好き。
27、音楽に反応を示し、歌を作曲したり、リズムを即興する。
28、全く関係のないように見えるものの中から他の人には目ないパターンやつながりを読み取る。
29、ある考えの論理や、規則や行動に関して議論する。
30、ルーティンや予想がつくものに関して興味を失う。
31、ユーモアのセンスがある。
32、ある人のスピーチや語彙を吸収し、お話しや音楽、劇、遊び、ゲームの中で真似する。
33、とてもアクティブでじっとしているのが苦手。
34、神、愛、正義や平等などの抽象的な概念について話すのが好き。
35、見えるもの、聞こえるもの、触れるもの、口にいれるもの、匂いに普通でない位に敏感で繊細である。
36、周りの人の感情にとても敏感であり、困っている人に対して感情移入をする。
37、世界の課題ー例えば、絶滅の危機のある動植物や人種差別、環境汚染や貧困問題などに関心がある。
38、論理的に正当化されなくても直観に従うことに抵抗がない。
39、エネルギー、フォーカス、激しいが高い。
40、自分や周りの人が完全でないことにフラストレーションを感じる。
41、批判に特に敏感である。
42、霊的(スピリチュアル)な価値観や考え方や、または哲学的なテーマにほぼ直観的に興味を示す。
1-10: 知能レベルが高い
11-34: 創造性が高い
35-42: 情緒的で繊細な性質を持つ
The Journey: A Handbook for Parents of Children Who Are Gifted and Talented (complete guide)より翻訳。
Adapted from Stand Up for Your Gifted Child: How to Make the Most of Kids’ Strengths at School and at Home (pp. 21–23) by Joan Franklin Smutny © 2001

このリストによると、「ギフテッド」とは決して、IQや知能が高いということだけを指すのではないことが分かります。
例えば、37では、「絶滅の危機のある動植物や人種差別、環境汚染や貧困問題などに関心がある」と挙げられています。
10代後半にならないとまだはっきりとは分からないかも知れませんが、「ギフテッド」の傾向がある人たちは知的好奇心が強いだけでなく、同時に社会の仕組みや政治、不正に対して関心を持つ傾向があります。
不正に関心があると言っても、必ずしもデモに参加するといった表現の方法ではなく、例えば、自分が所属する学校での規則や方針に対して一切説明なく一方的に押し付けられるのに違和感を感じたり、より根本的な問いに強い関心を持っているという意味合いです。
例えば、「なんのために勉強をするのか」、「人間はなんのために生きるのか?」といったこと、「世界の争いや戦争はなぜなくならないのか?」「世界の環境問題はどうなったら改善されるのか?」といった問いです。
そういうタイプに対しては、大人の都合、社会の都合、権威主義や「そういうものだから」という考え方、子供は大人の言うことを聞くべきだというコントロールはあまり効果的ではありません。
彼らは、「そういうものだから」ではなく、「なぜそうなのか」を知りたいからです。
この点は、私自身が正にそういうタイプでしたが、タイプによっては、彼らをやる気にさせるもの・逆にやる気をそぐものは何か?という点にかなり直結します。
そして、私の場合は、「学んでいる体験が楽しいかどうか」はとても大きなポイントでした。
先生の教え方が一方的だったり、考えさせる内容でないととたんに興味を失うことが多かったです。
授業がつまらないと、とたんにモーチベーションが下がり、また、嫌いな科目を克服しようという発想はあまりなく、全体的に好きな科目と嫌いな科目の成績の差は大きかったです。
ですので、学校が面白くない、やる気がない、成績がよくない、つまらないと持っている、組織に合わせるのが苦手と感じている人の中には、「ギフテッド」の人が実は多いのではないかと思っています。
こういう子たちは、大人の目には、「頑固、こだわりが強い」と写り、母親にとっては育てにくい、理解しにくいと感じるかも知れません。
自分の体験を思い起こしてみても分かりますが、そういう子供たちは、正直な大人を尊敬します。ごまかしは嫌いです。
「正直な」という意味は、なんでも知っているという意味ではなくて、その子が発する質問に誠実に対応してくれ、自分なりの意見をその子にシェアしてくれることです。
もし聞かれたことが分からないなら「分からない」と言ってもいいので、
「その事についてはよく知らないから後で調べてみるね」、
「調べてみるからその時一緒に考えてみようね」という姿勢です。
子供は彼女・彼らなりにとても真剣に質問をしているので、大人がごまかしたり、適当な答えを続けていたら、その内にその子たちは失望して自分の殻に閉じこもってしまいます。
彼らは大人に一緒に成長する機会をくれているんじゃないかなとも感じます。
彼らの存在を受け止めてあげられる場所や表現できる場がもっとあるといいなと思っています。
✨✨✨💛💛💛
さて、この度大和書房より「自分の軸で生きる練習~オックスフォード・国連で学んだ答えのない時代の思考法」を上梓させていただきました。
https://www.amazon.co.jp/自分の軸で生きる練習~オックスフォード・国連で学んだ答えのない時代の思考法-大仲千華-ebook/dp/B088ZR7FB8/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=自分の軸&qid=1591106362&sr=8-1
個人的には、南スーダンという国を体験させてもらった者として、南スーダンでの日々から学んだことを還元する手段の一つとして、ようやく一つの形にすることができ(変な言い方かも知れませんが)、少しホッとしています。
今回、コロナやそれに関連することでいろいろな意味で揺さぶりが起きていますが、南スーダンという国は、私にとって(そこを訪れるほとんどの外国人にとって)まさに人を揺さぶる国でした。
人の生死を目の前にして(目の前で人が死んでいくという意味ではありませんが、死がより身近にある環境において)、やはり人はいろいろなものを突きつけられます。
それは今思えば、とても豊かな大きな恵みであったと感じています。
そして、そういう宗教や民族が複雑に絡み合う南スーダンの紛争に関わったことは、答えのない状態に耐えながら、いかにその環境の中でのベストな答えを導き出すかという体験そのものでした。そういう意味ではそうした体験を経て、このテーマで刊行することができることに感謝です。
南スーダン後は、コーチングに携わり、大学で教え、若い人たちに触れることも多いので、学校や試験といった一部分での評価基準だけで自分を評価しないで欲しい、もっと全体的に自分の価値を捉えて欲しいという願いも含まれています。
「これまで生きてきたことに対する答えらしきものがみつかって一人で興奮しました」
「清々しい読了感を感じています」
「子どもに読ませたいです。古本屋には回せないだろうなと思っています。」
といった感想を受け取っています。感謝です。
以下紹介です。
私たちは今「答えのない時代」を生きています。国際情勢から為替の変動や未知のウイルスなど、一つ一つの出来事が複雑に影響し合い、思わぬ方向に発展するような事態も発生しています。このような状況においては、すべての問題を解決できる唯一無二の答えは存在しません。
では、「答えのない時代」を生きる私たちにとって大切になるのはどのようなことでしょうか?その一つは、現状と課題を理解し、建設的に検証する視点と方法を身につけること、さらに、自分にとって必要な答えを導き出すための考えるステップ(思考プロセス)を修得し、そのためのメンタリティーを身につけることです。それによって、すぐに答えのでない状態に耐えながら、自分にとって必要なことを一つ一つ確実に明らかにしていくことができます。
一見複雑に見える現象や新しいテーマであっても、自ら調べ、一つ一つ分かる範囲が増えていき、自分の中での理解が深まっていくにつれ、これまでは分からなかったことが確実にわかるようになっていきます。
自ら答えを導き出し、「わかっていく」体験は、確実に自信となり、人生においても大きな力となってくれることでしょう。(第1章自分の頭で考えるより)
全ての状況が今すぐ解明、解決されるわけでもなく、仮に、動きたくても今すぐに動けるような状況ではない、というようなもどかしい状況であったとしても、⭕️⭕️⭕️の3つがわかっていれば、日々の情報や外部の状況に圧倒されることなく、より落ち着いて考え、判断をすることができるようになるはずです。(第1章自分の頭で考える p.58)
全ての状況が今すぐ解明、解決されるわけでもなく、仮に、動きたくても今すぐに動けるような状況ではない、というようなもどかしい状況であったとしても、⭕️⭕️⭕️の3つがわかっていれば、日々の情報や外部の状況に圧倒されることなく、より落ち着いて考え、判断をすることができるようになるはずです。(第1章自分の頭で考える p.58)
がんばってものすごい努力をして倍率5,000倍から10,000倍の倍率を勝ち取る道もあるのだろうけれども、⭕️⭕️によって、拓ける道があるのです。(第2章ブレない自信をつかみとる p.133-134より)
世の中には競争は選考というものが存在します。適材を見極めるための方法や選ぶ過程自体がまったく完璧でない場合もあります。自分が選ばれる場合もあれば選ばれない場合もあります。自分のメンタルやパフォーマンスのためにも、⭕️⭕️が自分のためになることがあります。(第2章ブレない自信をつかみとる p.143より)
強みや能力というと、学校教育の影響を受けた私たちの中には大きな誤解があって、学校教育や試験というたった一つの狭い指標で自分の能力を判断しがちです。ただ、その人の独自性、人生の方向性、目的というのは、その人の経験や視点、感じ方など全てを含めたより全体的なものです。その中でも「資源」となるのは⭕️⭕️です。(第3章 決める力を養う p.174-175より)
