リーダーの育成としてのコーチング

最近、ある勉強会に参加して、自分のギフトや方向性について改めて発見したことがあります。

 

コーチやカウンセラー、コンサルタント、ソーシャルワーカーといった人をサポートすることに関わる人でも、人それぞれのアプローチや得意分野、ギフトやミッションが違います。

 

わたしの周りを見ていても

ある人はとても優しく受け止める人で

慰めをもたらす役割があったり、

ある人はティーンエージャー特有のお年頃のお悩みを聞くのが得意で

ある人は癒しのギフトを持っていて

ある人は論理的に整理するのが得意で、

ある人はインスピレーションを与えるタイプで

ある人はより大きな視点で方向性を示すというギフトがあります。

 

わたしは、慰めというよりは、目の前の課題をより大きな視点でとらえ直して、方向性を示してインスピレーションを与えるタイプです。

 

国連職員の中でも東ティモールと南スーダンで独立国の誕生に立ち会うという稀有な体験をさせていただきましたが、そのことを思い出して、そこには自分の中の「変革」にかんするギフトが関係していたことに気付きました。

 

そして、自分にとっての「コーチング」の意味を改めて受け取りました。

 

わたしはコーチングをリーダーの育成として取り組んできました。

 

この場合のリーダーとは、

人生をよりよくしたいと思っている人

自分が幸せで、周りの人たちの幸せを願う人、

人に勇気を与えたいと思っている人、

このままの世界に満足できない人

社会や世界の役に立ちたいと思っている人

のことを指しています。

 

 

わたしはコーチングを、課題やチャレンジを通じて(たいていそういう形で機会はやってくるからです)新たに自分の役割を発見することをガイドするものとして捉えてきました。

 

 

そして、自分の役割を自覚し生きている人が増え、そういう人たちがつながることで、新しい時代をつくっていくような価値やサービスも生まれると信じています。

 

ハーバードで「生徒に最も影響を与えた教授」が教えるリーダーシップ(3)

【地球時代のリーダーシップ(3)】

ダライラマなどあらゆるリーダーをインタビューし、ガンジーやマンデラを研究し、松下幸之助に感銘を受け、変革とリーダーシップ(リアルリーダーシップ)には法則があると言うディーンウィリアムズ、ハーバード大学教授。

にんげんは自分の「境界」をなかなか超えられないという意味で同じ課題に直面しているらしいということが見えてきました。

ディーンいわく

「金融危機の時に指揮をとったゴードン・ブラウン元イギリス首相にもインタビューしたんだ。彼のチャレンジはまさに今の『地球時代』の課題を示唆していたよ。1つの国だけでは解決できないことが明らかだったのに、みんな(EUの首相たちは)自分の「部族」(国)しか見なかったから。。。」

一見違う現象でも、その本質に目を向けると世界で起きていることと、自分の周りで起きていることの根っこは実は同じかも知れない?!というわけです。

ディーンは言います。

「日本は黒船によって開国し、第二次世界大戦終結によって再び大きく国の枠組みが変わることになった。今回は内からそれが起こることが求められているんじゃないかな?世界が日本から学ぶために、日本が世界から学ぶために。」

リーダーシップとは、「本当に大切なこと」を見分け、真の課題に人々の関心を向けさせ、人々を真の成長に向けることだと言います。「変革」は、人々が望んでいる価値観が理解されてこそ起こるというわけです。

リーダーシップは崇高で胸湧きおこる壮大な「アート」。IBMの改革も、明治維新も、ボルネオの部族の変革にも一定の法則があり、一人一人の関わりの結果だと言います。

ディーンは最後に、「わたしの大好きな日本は必ず困難を乗り越えられると信じている」とメッセージを残してくれました。

激動の時代に人々を揺り動かして目覚めさせ、変革を導くリーダーシップモデルを描いた「アース・シェーカー(Earth Shaker)」という新しい著作が今年(2014年)の秋には出版されるそうです。

最後に。。。

世界が日本から学ぶことは何なのか?

日本が世界から学ぶことは何なのか?

そして「本当に価値あるもの」とは何なのか?

複雑な現象の中に真理を見いだし、自ら教えていることを体現しているディーン。そのような方に会えたことに感謝です。

【地球時代のリーダーシップ(了)】

ハーバード「生徒に最も影響を与えた教授」が教えるリーダーシップ(2)

【地球時代のリーダーシップ(2)】

世界には「変人」がいるものです。19歳の時に北海道に住んで日本語を話し、明治維新について研究し、パプアニューギニアの「未開の部族」と暮らし、大統領や世界的企業のCEOのアドバイザーをつとめ、時には大統領と村を回る。「MBAは問題を解決しない」と言っちゃうのに(だから?!)ハーバード大学ケネディースクールで「生徒に一番影響を与えた教授」に選ばれたディーンウィリアムズ(Dean Williams)が伝えてくれたこと。

まず問題のレベルに対する認識をはっきりさせよう、とディーンは言います。今の問題って複雑に絡み合っていて、前代未聞で、誰も答えを知らない。もはや問題は1つの会社や業界、いやいや1つの国の範疇を超えている。。。

今の「次元」では限界でより高い視点が必要だとみんな感じている。なのにやることなすこといつもの延長 (business as usual) 。。。

もしこの難局に光を求めるとしたらヒントは「部族」の限界を認め、部族の「境界」を超えることにあるんじゃないか?組織、業界、世代、カルチャー、営利、非営利、構造の「境界」を超え、互いに「橋をかける」ことこそが鍵だというわけです。

彼の表現を使うと、

bust the boundary(境界を破り)

cross the boundary(境界を超え)

connect the boundary(境界をつなげ)

transcend the boundary(境界を超越する)

ディーンはフクシマを例にあげます。事故の原因が「人為的」(man-made)だと結論されていることに触れて、「トーデンは他のセクターや他の国から事例を学ぶこと(助けを求めること)ができなかった。。。そういう意味でも『人為的』だ」と。

その昔、オーストラリアではアボリジニーの人が食事を与えてくれたのに「野蛮人」とは交流できないと言って砂漠で遭難したまま死んでいった白人が多かったのだとか。。。

ふ~

この視点で見ると、対立しているグループ同士お互いの「境界」を超えられないという意味において同じ課題に直面しているとも言えるわけです。

【地球時代のリーダーシップ(3)】に続く