消防職員, 警察官, 教職員、被災者の方で「もっとできたんじゃないか?」と苦しまれている方へー国連や対人援助職の心のケアについて

3.11から早いものでもう丸9年が経つのですね。

 

3月7日付けの新聞記事で、東北の被災3県でのアンケート調査から、PTSDと見られる症状に当てはまると答えた人が二人に一人にものぼることが明らかになりました。

 

例えば、このような回答が寄せられています。

 

「震災のことは話さないようにしている」(20%)

「震災のことがいきなり頭に浮かぶ」(15%)

「震災についての感情は麻痺したようだ」(13%)

「ちょっとしたことでドキドキする」(13%)

「震災を夢にみる」(11%)

「震災を思い出すと汗ばみ、苦しくなる」(6%)

 

これらはいずれも、PTSD診断に使われている項目です。

 

また、5人に1人が震災が近づくと気分が落ち込むと答え、自分が生き残ったことに罪悪感を感じるという人もいるそうです。

 

その中でも、消防職員、警察官、教職員という人たちが、「私よりもつらい人がいるから」、「被災者を差し置いて、自分のような立場の人が心の問題を語るのは心苦しい」、「同じように苦しんでいる人がいるから」と考え、弱音を吐けない、また援助を求めるのにためらう傾向があることが改めて浮き彫りになりました。

 

参考文献:  朝日新聞首都圏版 3月7日朝刊 35面より

 

9年も経って、まだこうなのかと驚く方がいるかも知れませんが、「時が解決する」という一般的な考え方とは反対に、時間が経てば解決されるとは限らないと言われています。

 

私自身も国連職員として南スーダン、東ティモールといった国で援助に従事し、燃え尽き症候群(バーンアウト)になった体験があるので、こうした心理状態がよくわかります。同僚と上司を数名亡くし(過労、病気、爆破)、南スーダンを離れた後に内戦が勃発した際には、南スーダン人の友人・同僚たちからは家族を亡くしたという連絡を受け、携帯越しに銃弾の音が聞えたこともありました。また、独立を目指して整備してきた建物が破壊された様子を目の当たりにした時には大きなショックを受け、自分だけ安全な国にいていいのだろうかといった「罪悪感」(サバイバーギルト)に悩まされたこともありました。

 

国連を離れてからもしばらくは、「もっと困っている人もいるのだから、自分の悩みはとるに足らない」と自分を納得させようとしたり、「あの時はもっとこうできたんじゃないか?」という気持ちにしばらく圧倒されたこともありました。ですので、こうした気持ちは痛い程よくわかります。

 

燃え尽き症候群にかんする研究の中で、「対人援助過労」(caregiver fatigue)という言葉があります。

 

対人援助職に従事する人の中には、自分のためだけには頑張れなくても、なんらかのチャレンジに置かれても、自分の目に前の人の状況のためになんとかしたいと思うことで、大きな力を発揮するようなタイプの人たちも多いとされます。自分が人の役に立っていることに大きな意義をおき、それをさらなる原動力とモーチベーションとする人たちも多いと思います。

 

同時に、自分の目の前にいる人がなんらかの苦痛を抱えている状態に対して、自分が何もできないと感じたり、自分が思うように応えられていないと感じると大きなストレスを感じる傾向も強いと言われています。

 

また、自分の職務とアイデンティティーが同一化されてしまうと、何らかの問題に対して、自分のせいじゃないかと自分を責める傾向があったり、さらにストレスを溜め込みむ傾向や、「自分は十分にできていないのではないか?」といった失敗感を抱えることもあると言われています。

 

結果、自分に対して落胆したり、無力感を感じたり、「自分は価値がない」とも感じ、そうした無力感を補うために、必要以上にワーカホリックになることも指摘されています。

 

また、自分のケアよりも相手のケアを優先し、自分を犠牲にしてまで周囲の要求に応えようとする傾向があることも指摘されています。まさに、3.11に関する新聞記事の通りだと思いました。

 

こうした現象は、カウンセラーやソーシャルワーカー、医療従事者などの対人援助職の間で、「対人援助過労」(caregiver fatigue)と呼ばれています。

 

参考文献: 対人援助職の燃え尽きを防ぐ:個人・組織の専門性を高めるために

https://v.gd/7InGoG

 

実は、わたしが10年ほど働いていた国連でも同様の問題が指摘されてきました。

 

2013年に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によって行われた調査によると、47%のスタッフがなかなか寝付けない、57%の職員が空虚感を感じたことがあると回答しています。現場で人道援助に関わった人の5%~10% がなんらかの形でPTSDのリスクを抱え(30%とする指摘もある)、40%以上の人が燃え尽きのリスクに晒されているという調査結果があります。

 

リスクのある環境に長い間身をおくこと、そうした体験をした人と一緒に働くこと、または、トラウマ的な体験をした人たちの支援に関わることなどは、二次的トラウマ(secondary trauma)と呼ばれ、直接、災害や紛争を体験することと同様レベルのトラウマを体験する可能性があることも指摘されています。

 

こうした公式な統計は氷山の一角とされていて、人道援助、平和構築従事者の燃えつき症候群(バーンアウト)の課題は以前よりは少しづつ認知されつつありますが、その理解も、その防止に向けた組織的な取り組みもまだまだ限られています。日本における教職員、消防職員、警察官、自衛官、医師、医療従事者といった方々の問題も同様に、かなりの数の方がいるのではないかと推測しています。

 

そうした現象や傾向があることが知られていないと「自分が悪い」として、自分を責めてしまう傾向があるので、自分を責める必要はない、ということを一番お伝えしたいです。

 

自分を責めるのではなく、当時のつらいことを思い出す必要もなく、癒しのプロセスを一歩一歩進めていくことは可能です。私自身、「境界線」(boundary)という考え方を学んだり、たくさんの学びや解放、ヒーリングを受ける恵みに授かり、重かった身体が嘘のように元気になっているだけでなく、新しい身体と心を与えられ、前よりもさらに良くなっているという感覚をはっきりと受けとっています。

 

癒しは段階的に進んでいきましたが、その過程では、自分が責任を持つ範囲を明確にする健全な「境界線」(boundary)を持つことが大切であることを学んだり、それまで気づかなかった自分の特性について発見したり、ある段階からは、アメリカをはじめ世界各地で実践されている回復のアプローチに取り組む中で、ある時に自分の中で視点が変わったとはっきりと感じる瞬間がありました。今では、単なる回復ではなく「再生」を受けたことを、喜びと感謝とともに自覚しています。

 

自らの回復の経験から、同じような体験を持つ方々のサポートをしたいと思い、これまで、国連職員、医師、医療従事者、臨床心理士、JICA職員といった対人援助職の方などの燃え尽き症候群からの回復をサポートしてきました。

 

とくにこのような方にはご相談いただきたいと思っています。

 

⭕️ 対人援助職で身体的な疲れ以上のものを感じている方、燃え尽きた方

⭕️ 対人援助職は自分の適職、天職だと感じているが同じやり方では続けられない、別の方法を身につけたいと感じている方

⭕️ バイタリティーや活力を取り戻したい方へ

⭕️より効果的に人に関わり援助できるようになりたい方へ

⭕️ 人生の転機にあると感じている人

 

どうぞお気軽にご連絡ください。💛😊💛

カウンセリングについて⇨トラウマケア

*東北の被災3県の方には別途設定の代金でお受けしています。

 

燃え尽き症候群, PTSDとうつからどうやって回復したのか?

燃え尽き症候群とPTSDから回復したことーその体験から今同じような体験をしている方にお伝えしたいこと

疲れやすい、人混みが苦手、相手に合わせてしまう人が共感能力を開花させるために学ぶこと

共感能力が高い人がいます。わたし自身もそのタイプに当てはまります。

 

人混みが苦手、疲れやすい、相手に合わせてしまう、という悩みもあります。

 

ただ、他人の感情を自分のものと感じる位に相手を受け止められることは、文字通り天から与えられた「天賦の才能」とも言えます。

 

職業はなんであれ、また本人の自覚がなくても、カウンセラー的な役割を発揮していることも多いようです。

 

同時に、その資質が才能として活かされるには、いくつかの学びがあるようにも思います。

 

必要な時にはNOを言えること

 

他人との健全な境界線(boundary)を持つこと、

 

他人ではなく自分を最優先にすること、

 

他人の評価でなく自分で「自分はこれでいい」と思えること、

 

必要とされるニーズを手放すこと

 

他人によらない自己価値を持つこと、

 

などです。

 

 

また、共感能力や感受性、情緒的エネルギーを「表現」のエネルギーとして活かすこともできます。

 

「共感能力」は、「感じとる力」をベースとして「エネルギーを伝達できる能力」としても発揮されるので、スピーチや文章を書くなどなんらかの表現をする人にとって大きな力になります。

 

その人が感動したことについて伝えようと思うと、その感動のエネルギーが文章なりを通じて相手に伝達されるからです。

 

そういうタイプの人たちの、自分の中から「湧きでるもの」を表現する意欲はもともと強いので、それが助けとなり、それがどんな分野であっても、自分の表現や作品は自然と高い水準に達していきます。

 

共感能力や感受性が「表現」として開花すると、

 

カウンセラーやコーチといった感情を直接的に扱う職種はもちろん、

 

人に教えること、講師、執筆、ダンス、デザイン、演劇、絵を描く、歌を歌う、音楽、イラスト、建築、彫刻、織物、アスリートなどとして活かすことができます。

 

関連記事➡️ https://chikaonaka.com/2016/12/14/2017年から始まる新しい時代に「感受性」を強みを/

 

ぜひ、その能力を才能として開花させていただきたいと思います!

 

 

自分が自分のほんとうの気持ちに正直に生きること

わたしは国連で働き米軍のコンサルタントを経て、コーチングを仕事とするようになりました。

 

コーチングとは、Wikipediaの「コーチング」の定義によると、

 

「人材開発の技法の一つで 対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術」とあります。「傾聴や質問を通じて、自発的な行動を促すコミュニケーション技法」ともあります。また、問題解決や課題達成をサポートする手法とも言われます。

 

わたし自身は、「コーチング」をもっと広い意味で捉えています。

 

私が提供する「コーチング」は、カウンセリングの手法や本当の課題を見極めた課題解決や目標設定、具体的なキャリア上のアドバイス、対人関係、交渉や仲裁的といった視点から、「グループダイナミックス」(人が複数以上集まると人はどうしてそのような行動パターンになるのか)を理解すること、または、身体の状態を感じる手法や感情の解放などが含まれ、コーチングの枠に収まらないのですが、

 

コーチング、カウンセリング、コンサルティング等、いろいろな表現はあれど、それらは、そもそも「何を目的としているのか?」ということに対しては、「新しいものの見方と可能性を人生に取り込むのをサポートする」ことです。

 

実際に課題をお聞きした上で、その人にとって今一番ベストなもの、必要なものを提供するということになります。

 

最近、こんな声をいただきました。

 

「大仲さんのコーチングの後、『何もできていない、空っぽの自分』という認識から、(少しずつですが)できることを積み重ねて来ている自分」という認識に変化しました。仕事面でも、思いがけず異動になり、日々楽しく過ごしています。前から頭にありながら動き出せなかったことに挑戦してみたいと思い準備を始めました。」

 

短い文章ではありましたが、彼女がこの数ヶ月の間に一歩一歩日々を重ね、歩みを進められてきたんだなあ、ということが伝わってきました。1日一歩でも自分で進んでいるという人の持つ「自信」も感じました。

 

人間やっぱり「やらないで後悔するよりは、やって後悔したい」と、誰でも心の奥底ではそう思っているのですね。

 

今の時代に大切なことは、「自分が自分のほんとうの気持ちに正直に生きること」

 

まずはこれに尽きるのではないかと思います。

 

あなたの「一歩」をサポートします。

 

お気軽にご連絡くださいね。

 

⭕️コーチングについて⭕️

 

 

燃え尽き症候群や他人にノーと言えない人は自分の領域をチェックしよう

ストレスへの対処の仕方はいろいろあるけれども、より根源的な見方の一つに、「境界線(boundary)」または「領域」という視点があります。

 

領域とは何かと言うと、簡単に言うと、自分がコントロールできる範囲のことです。

 

境界線について自分も体系的に学びたいし、上手く説明できたらいいな、と思っていたら、バイロン・ケイティー(彼女の著作「タオの教え」は読むだけで心が落ち着きます)の「ザ・ワーク」という本の中にとても分かりやすく説明されている一節をみつけました。

 

katie

(以下彼女の本を元に少しアレンジ)

 

世界にはたった三種類の領域しかありません。

 

私の領域、他人の領域、そして神の領域です。

 

 

私の領域とは何かと言うと、簡単に言うと、自分がコントロールできる範囲のことです。

 

私たちがコントロールできないもの、それが神の領域です。

 

ストレスの多くは、自分の領域から離れた時に起こります。

 

(あなたは)時間通りに来るべきだ

(あの人は)仕事に就くべきだ

(彼は)もっと愛情表現をするべきた

(母は)もっと私を理解するべきだ

(洪水は)起こるべきではない

(戦争は)起こるべきではない

などなど。

 

そう考えている時、私たちは「他人の領域」に入り込んでいます。

 

 

もし、地震や洪水、戦争や死などについてすごい心配したり怒っていれば、神の領域に入っていることになります。

 

イライラしたり、傷ついたと感じたり、無力感を感じる時には、私たちはたいてい他人の領域に踏み込んでいる、とバイロン・ケイティーは言います。

 

これは特に「燃え尽き症候群」の人に当てはまります。

 

なぜなら、たいてい私たちは、他人の領域、または神の領域をなんとかしようと常に忙しく、自分の領域がほっぽらかしになっているからです。

 

または、自分の領域に他人が侵入していて、自分の領域がのっとられている状態かも知れません。

 

例えば、他人に「ノー」と言えなかったり、自分の価値観ではなく他人の価値観を優先させている場合です。

 

これらは、疲労困憊の原因になります。

 

または、エネルギー的にとても敏感というか繊細なつくりを持っている方で、他の人の不安が心配などのエネルギーが自分の領域に入り込んでいて、それによって本人の自覚はなくても大きな影響を受けている人もいます。

 

私のところにセッションに来られる方も含め、この境界線があいまいになっているケースは少なくないようです。

 

境界線は、何が「自分」であり、何が「自分でないのか」を明確にします。

 

 

自分が何をやりたいのか分からない、ということをよく聞くことがありますが、もしかしたら自分の領域が「自分でないもの」でいっぱいになっていませんか?

 

そういう人は、ぜひ「ノー」と言うことを学んでください。

 

 

スティーブ・ジョブズは、彼はIphoneの完成にたどり着くために少なくとも1000回は「ノー」と言ったそうです。

 

彼はNoを通じて、Yesにたどり着いたのですね。

 

そうでなかったらあんなスタイリッッシュなIphoneもIpodも生まれなかったのかも知れません。

 

逆説的に聞こえるかも知れませんが、「自分でないもの」がそぎ落とされることで、「自分」が残るのです。

 

自分の領域とは自分のための時間、身体、心、感情、思考、内なる声、魂などです。

 

今の「自分の領域」はどんな状態で、何パーセント位が「自分のもの」なのか、ぜひ意識を向けてみてください。

 

 

もし、自分のものではないもの(感情、思考、信念なども)があったら、外に出て行ってもらいましょう。

 

 

自分の領域の状態を整えることは自分の心の状態や才能の基盤になる部分です

そして、自分の領域が強固になっていくにしたがって、直感や才能は開き始め、自分が望んでいること、やりたいことも自然に明確になっていくでしょう。

 

 

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⭕️それはあなたの不安ですか?

 

 

もしかしたら、それはあなたの不安でも焦りでもないかも知れません。

 

このセッションでは、あなたの領域からあなたでないものに出て行ってもらうお手伝いをします。

 

自分の領域の状態を整えることは自分の心の状態や才能の基盤を整えることです。
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人間関係の問題はバウンダリーの問題だった?!ー他人に対して「ノー」と言えない人は「バウンダリーが無い状態」

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残業しないで帰ろうと思うと罪悪感を覚える。。。なんか人にいいように利用されている気がする、他人に対して「ノー」と言えない。。。

嫌なことを嫌ですとはっきり言えないで、あれこれ押しつけられて(引き受けて)パニックになる人はそんな人は「バウンダリーが無い状態」だと言えます。

または、他人の領域に足を踏み込んでいても気がつかない、共依存から抜けられない人も「バウンダリー(境界線)」の課題があります。

 

〜以下引用〜

バウンダリーとは、他者と自分の境目をはっきりさせることによって自分の責任範囲を明確にし、人間関係を健全にするためのものです。

境界線は私たちを定義します。何が「私」であり、「私ではないのか」その範囲を明確にます。

私がどこで終わり、他の人がどこから始まるのかを示します。

私が何を所有するのかがわかります。

私が何を所有し、何に対して責任を負っているのか知ることは、私たちに自由をくれます。

責任の所在がはっきりした人生には多くの可能性があります。

 

しかし、もし私が自分の人生を「所有」してなかったら、私の選択や可能性の幅は狭まります。

私たちは自らの魂を移住地とし、自分であるもの、自分でないものを明確にします。

私たちは他人に対しては責任を負いません。

 

自分の責任ではないもの、または、一人で負うには重すぎる重荷(burdens)を抱え苦しんでいる人がたくさんいます。

それを一人で負う強さも資源も知識も持たず、助けを必要としている人です。

Burdenに相当するギリシャ語の単語は「過剰な重荷」ー私たちを圧倒するくらいの思い荷物を意味します。

まるで押し潰されるような感覚です。

巨石を運ぶには助けが必要です。巨石とは、人生の危機や惨事です。

 

これに対して、Loadに対する相当するギリシャ語は、「荷物」つまり「日々の行い」です。

これは誰もが行わなければならない日々の出来事です。

例えば、自分の感情や態度も含まれます。

それぞれに与えられた責任は自分で対処せよ、ということです。

私たちが「巨石」を日々の荷物のように扱って助けを受け取らないとき、逆に「日々の荷物」をあたかも自分で背負う必要のない巨石のように振る舞うとき、問題が起こります。

 

結果、前者では果てしない苦しみ、後者では無責任が生じます。

 

私の責任の「境界線」がどこにあり、他人のそれがどこから始まるのかを判断することはとても重要なのです。

 

『境界線ーバウンダリーズ』ヘンリークラウド・ジョンタウンゼントより引用

 

では私たちは何に責任を負うのか、についても詳しく見ていきます。(続)

これって燃え尽き?② 燃え尽きを引き起こしやすい要因とは?

では、燃え尽きを起こしやすい要因としてはどういうものがあるのでしょうか?

 

燃えつき症候群を引き起こしやすい要因

バーンアウトを起こしやすい要因としては、以下の点が挙げられます。

 

①「どこまでやっても終わりがない」

燃え尽き症候群が多く見られる職種としては、従来から教師、医師、看護師、ソーシャルワーカーなどが挙げられてきました。こうした「対人援助職」の仕事の特徴の一つは、仕事に終わりがないこと、どれだけ仕事をやっても患者や症状など、いつでも状況が求める状況に終わりがないこと、同時にそうした状況に対して、必ずしも目に見える成果や「達成感」に繋がるとは限らないことです。

 

②「この状況をどうすることもできない」

人間とは、基本的には、自分で考え、自分の能力を使って目の前にある問題を解決したいと望む生き物です。

一方的に決められた方針に従わざるを得ないのか、決定事項はどのように伝えられるのか、それとも、意思決定になんらかの形で参加できるのかどうか、自分が関わっている仕事において、または、目の前の状況に対して、なんらかの形で自分が能動的に関わっているという感覚を持てるかどうかは、動機付けを影響する大きな要因になります。

また、与えられた状況に対して、自分が望むように対処できないと感じる時、人は無力感を感じることがあります。

 

③ サポートやコミュニティーの欠如

燃えつきを引き起こす要因となりやすいもう一つの要因は、職場におけるサポートやコミュニティーの崩壊です。どんな組織や人の集まりでされ、お互いがお互いに対して深い関わりを持っていくには意識的な努力が要ります。果たして、このチームは長いこと続くのだろうかと思ったり、また、時には、あるポストをめぐって、メンバー同士が競争しなければならない場合などはお互いのサポートが特に難しくなります。

また、組織の理念と現場との状況に大きなギャップがある時、または、現場で必要とされることと逆に見えるような決定が行われたりすること、時には自分の考えとは違う組織の方針について説明したり弁明することになったり、時には相容れない選択が求められる場面に周囲のサポートがないような状況です。

 

④ 「対人援助過労」(caregiver fatigue)

対人援助職に従事する人の中には、自分が人の役に立っていると感じられることに充実感を感じ、それをさらなる原動力とモーチベーションとするタイプの人たちも多くいます。自分のためだけには頑張れなくても、なんらかのチャレンジに置かれても、自分の目に前の人の状況のためになんとかしたいと思うことで、大きな力を発揮するような人たちです。

同時に、自分の目の前にいる人がなんらかの苦痛を抱えている状態に対して、自分が何もできないと感じたり、自分が思うように応えられていないと感じると大きなストレスを感じます。

そういう時には、自分に対して落胆したり、無力感を感じたり、無意識レベルにおいては、「自分は価値がない」とも感じがちです。そうした無力感を補うために、必要以上にワーカホリックになることもあります。

また、「彼らはもっと困っているのだから、自分の悩みはとるに足らない」、「彼らはこんなに苦労しているのだから、私もそうあるべきだ」と、自分のケアよりも相手のケアを優先し、自分を犠牲にしてまで周囲の要求に応えようとします。

また、誰かの役に立つことと、自分のアイデンティティーが同一化されてしまうと、「なんとかしたい」「自分がいなければならない」と思うあまりに、何らかの問題が起こると、自分のせいじゃないかと、さらにストレスを溜め込みます。

また、「あの時はもっとこうできたんじゃないか?」「自分は十分にできていないのではないか?」といった失敗感を抱える傾向も高いのです。

こうした現象は、カウンセラーやソーシャルワーカー、医療従事者などの対人援助職の間で、「対人援助過労」(caregiver fatigue)と呼ばれています。援助する側と援助される側との関係性において健全な境界線(boundary)を持てなくなると、仕事での役割と個人としての人格を別けることが困難になるのです。

こうした傾向は、ある面においては、その人たちが元々持つ共感能が高いからこそ起こりうる現象でもあると言えます。自分の中にある他者への共感や人を思いやる気持ちが高いからこそ、自分が思うように応えられない事に対して、必要以上に厳しくなることがあるからです。

 

では、燃え尽きのよい根源的な要因とは何でしょうか?

今すぐに出来ることは何でしょうか?

 

燃え尽き症候群③ 燃え尽き症候群の間違った対処法 vs. より効果的な対処法

 

 

マイストーリー⑩ 「本当の勇気は弱さを認めること」

3.11の朝、私は早朝の便で成田空港に帰国する便に乗っていました。私が南スーダンから帰国してちょうど1ヶ月くらいたった頃でした。

 

乗っていた便は定刻とおりに到着し、荷物を引き取り、首都高を経由してバスで自宅に向かっていました。ああ、無事に着いてよかった。ああ、春も近いなあ、とぽかぽかする春の日差しをはっきりと覚えています。

 

のんびりするのもつかの間、それから1時間後に家が揺れたのです。

幸い私自身も家族も全員無事で、親戚や友人にも直接的に被害にあった人もいませんでした。

 

しかし、私の中で何かが起きたように感じました。

この時の地震で、私の中の「箱」が開いたのです。

震災が、私が南スーダンにいる間に無感覚になっていた部分の箱を開けたのです。

 

もしかしたら、何か少しおかしいんじゃないか?と感じたのは、満開の桜の花びらの下に立っていた時でした。

それまで海外生活の長かった私にとって生の満開の桜を見ることはとても楽しみにしていたことでした。

それなのに、その桜を目の前にしながら、私はきれいだとも美しいともうんともすんとも感じられなかったのです。

 

どうしたんだろう。。。

きっと疲れているからに違いない。しばらく寝て休んだら元に戻るよ。自分に言い聞かせるように思いました。

それからしばらく朝起きれない、という状態が続きました。

身体が空っぽになってしまったかのように、身体にまったく気力が入らないのです。

1日のルーティンといえば、ゆっくり起きて近くを散歩するのがやっと。何もやる氣がしない。誰かに会う気力さえないし、誰にも見られたくもない。。。

 

まさか自分が。。。

それまでバリバリを仕事をこなしていただけに、この自分の状態を受け入れることにはしばらく時間がかかりました。

そして、紛争や世界のニュースに関することをまったく聞きたくなくなり、テレビのニュースを見ることもほとんどなくなりました。

 

トラウマケアに関する研修を受けた時の資料にこう書いてあります。

 

「私たちの安全を脅かすような出来事に会ったり、極度の緊張状態が続いている時、それは脳の神経系統に影響を及ぼします。

 

それは、竜巻のようなエネルギーが身体の中に溜まっている状態です。そのエネルギーが数週間のうちに解放されるか統合されないと、いわゆるトラウマの状態を後に引き起こすことがあります。」

 

記憶は断片的になり、思い出すことができる時もあれば思い出せない時もある。感情を抑圧し無感覚状態(numbness)になります。自然災害や似たような出来事に遭遇することによって抑圧された部分が思い出される時、それは癒しの機会である。

 

時には激怒や不安、鬱や絶望としても現れる。こうした体験は同時に私たちの人生の『意味』も崩壊させることがある。」

 

「そうした環境に長い間身を置くこと、または、そうした影響を強く受けた人たちに関わることによって似たような症状を受けることがあり、それは『二次トラウマ』(secondary trauma)と呼ばれる。」

 

ああ、これだ!と知ったのは随分、後のことでした。

そして、無感覚な状態は、傷に鈍感になるだけでなく、

創造性、愛や喜びにも鈍感になってしまう、ことを知りました。

 

私は、自分の体験がここまで抑圧されていたとはまったく気づかなかったのですが、

 

こうした現象は、紛争地でなくとも、カウンセラーや看護師といった対人援助職に就く人にも多く見られることを知りました。

 

 

そして、

同時に、

これは、

 

私にとって、

少し大げさに聞こえるかも知れませんが、

生きる意味を再発見していくプロセスでした。

 

なぜなら、私がすっかり疲れきってしまっていたからです。

 

身体的な疲れもそうですが、それは気力、もっと言うとこれから何を目標にしたらいいのか?という「精神的な燃え尽き」でした。

 

それまでバリバリを仕事をこなしていた人が急に何もできなくなるのです。

私は強烈な劣等感に襲われました。

罪悪感にも襲われました。

強烈な「無力感」に襲われました。

 

 

時計の針が「真逆」に触れた気がしました。

 

 

こうした感情・感覚は実は私の中にもともとあったものだったのでしょう。

 

 

私はこうした感覚との付き合い方を学ぶ必要があったのです。

 

 

この時の私の心境をとても上手に表現してくれている本があります。

 

ブレネー・ブラウン「本当の勇気は弱さを認めること」2013年です。

 

 

 

人間は誰でも悩み、自分の無力さを感じることを知ること

 

弱みや不完全さを認めず、あるべき姿にそぐわない部分を切り捨て、認められるためにヘトヘトになるのでもなく、それも含めてありのままの自分を受け入れること

 

 

そのために役に立つことは、

・心の痛みを無視したり、自分を批判するのではなく、自分自身の温かい理解者になること

・否定的な感情を抑えすぎず誇張もせず受け入れること。

(痛みを無視したら痛みに共感することはできないから)

・否定的な感情や思考と「一体化しすぎない」こと、です。

 

著者のTEDでのスピーチは全世界総視聴回数ベスト3にランクインしています。

 

本当の勇気は「弱さ」を認めること-ブレネー-ブラウン-ebook/dp/B00GTAV3P6

Brene Brown

 

ああ、これだ。

 

決して、簡単には聞こえなかったけれども、解決の方向が分かった気がして、安堵を覚えました。

 

私は少しづつ、

自分の弱さを受け入れること、

 

を学び始めました。

 

 

「本当の勇気は弱さを認めること」は続けます。

 

一生懸命にがんばることで目の前の課題を解決し、乗り越え、キャリアを築いてきた私にとって、自分の「弱さ」を受け入れることは決して簡単なことではありませんでしたが、

 

がんばる以外のやり方がある。。。

 

それは直感的にそうだろう、と感じていました。

 

そして、「弱さ」を受け入れることは、

 

自分がどんな人間で、どんな体験をし、何が大切なのかを再発見していくことでもあったのです。

 

 

 

ギフテッド8つの強み②:ギフテッドの子の強みとチャレンジは「同じコインの表と裏」

ギフテッドであれば、知能も高いので勉強もでき「羨ましい」というのはギフテッドに対して単純な誤解のある見方です。

ギフテッドだけでなく、誰もがそうなように、ギフテッドの子ならではの強みとチャレンジもあります。いわば、「同じコインの表と裏」のような関係です。

 

ギフテッドの8つの強みに関する「ポジティブな側面」と「上手にお付き合いする側面」を2回に分けて紹介しています。

 

カナダのAlberta Learning(アルバータラーニング)とAlberta Associations for Bright Children (AABC) アルバータ協会が共同で製作した『ジャーニー: ギフテッドの親のためのハンドブック』(The Journey: A Handbook for Parents of Children Who Are Gifted and Talented)を参照にしています。

 

① 高い知能 (Advanced Intellectual Achievements)

② 高い言語能力 (Verbal Proficiency)

③ 好奇心が旺盛 ( Curiosity)

④ 創造性 (Creativity)

⑤ エネルギーが高い(High Energy)

⑥ ロジカルシンキング(Logical Thinking)

⑦ 繊細さ(Sensitivity)

⑧ ユーモアのセンス(Sense of Humor)

 

 

エネルギーが高い(High Energy)

ポジティブな側面:

活発である。

・新しい体験をすることに意欲的

・一度にいろんなことができる

 

上手にお付き合いする側面:

常に刺激を必要とする。

・動き回る(多動である)。

・頭も体も常に忙しい。

・簡単にフラストレーションを感じ、それを撒き散らす。

・集中するのが難しい時がある。

・寝付くのが難しく、寝ないのではないかと見える。

 

激しさ (Intensity)

 

ポジティブな側面:

ゴールを設定し、それを達成するために努力する

・収集する

・他の子達よりも自分の興味をさらに追求したり、問題を解決しようとしたり、課題に対する答えをみつようとしたり、ゴールを目指す

・観察する

・粘り強い

 

上手にお付き合いする側面:

頑固になる。

・視野が狭くなる。
・家族や学校での責任を忘れる。

・興味のないことに対して集中できない。

・身体能力が知的能力にマッチしないと感じるとフラストレーションを覚える。

 

ロジカルシンンキング (Logical Thinking)

 

ポジティブな側面:

数を数えたり、計量したり、測ったり、カテゴリーを整理することを楽しむ。

・地図や地球儀、チャート、カレンダーや時計が好き。

・自分の周りの環境が整理されていることを好む。

・起こった出来事に対して論理的で合理的な説明をする。

・どんなテーマに対しても、パワフルで説得力のある論点を見つける。

・規則やルールに対して理由を知りたがる。

 

上手にお付き合いする側面:

・相手を自分の都合のいいようにする。

・ソーシャルスキルを得る上で助けが要る場合がある。

・どんな事に対しても説明を求める。

・論理的でないを思う事に対して意義を申し立てる。

 

繊細さ(Sensitivity) 

 

ポジティブな側面:

・年齢が小さい時から周りの大人の気持ちや考え、経験に対して敏感に気づき理解している。

・他人の感情に対して敏感であり、他の人たちが気づかない点に気づく。

・動物に対して強いつながりを感じる。

・苦しみや暴力について質問をする。

・写真やアート、音楽に敏感に反応する。

・アートを通じて自分の感情を表現する。

 

上手にお付き合いする側面:

体験を個人的にとらえる傾向がある。

・自分には対応できないのではないかと心配する。

・こわい、不安、悲しい、落ち込むといっ体験をする

・批判されたり拒否されたりする体験を中々処理できない。

・他の人の強い感情によって自分も影響を受ける。

・簡単に泣いたり興奮する。

・食べるものや着るものにこだわる。

 

ユーモアのセンスがある (Sense of Humor)

 

ポジティブな側面:

同じ言葉でいろいろな意味を持つ謎かけやなぞなぞをつくる。

・ダジャレをつくる。

 

上手にお付き合いする側面:

クラスの中で道化師のような存在になる。

・クラスを乱す行動をとる。

・自分のジョークやダジャレが理解されないとフレストレーションを感じる。

・ダジャレやいたずらで周りを困らせる。

・他の子供達のユーモアのセンスが分からない。

 

あくまで一般論であって、ギフテッドの子に全てが当てはまる訳でもありません。当てはまらないからギフテッドではないという訳でもありません。

 

本人にとって役に立たない気質や習慣は親や大人が上手にサポートしつつ、「ポジティブな面」に注目し、長い目でやさしく「強み」を育んでいただく参考になりましたら幸いです。

 

⭐️⭐️⭐️

ギフテッドコーチング

⭐️⭐️⭐️

ギフテッドの人たちにとって大きな悩みの一つは誰にも理解されない孤独感です。「こんな私はおかしいんじゃないか?」と一人悩む方も多いのです。ギフテッドの人にとって、自分と知的レベルが同じ人と一緒に過ごしたり、理解し合える存在がいることは大きな心の支えになることが知られています。

自身もギフテッドの大仲千華が自分の体験をもとに丁寧に向き合います。国連での勤務より帰国後、心理学やスピリチュアリティー学び始める中で、自身もギフテッドであり、相談に来る人たちも姪っ子もギフテッドであることに気づき、ギフテッドに向けた情報発信とコーチングを始める。

誰もがありのままで認められ、その人の持つ強みや才能を活かすお手伝いをしたい!私がコーチングを始めた理由です。⇨ギフテッドコーチングはこちら

 

《大仲千華プロフィール》

英国オックスフォード大学大学院より奨学金(New Century Scholar)を授与され大学院を修了(社会人類学)。ニューヨーク国連本部、南スーダン、東ティモールなど国連活動の最前線において、元兵士の社会復帰支援などの平和支援に10年従事。多国籍チームのリーダーを務める。国連退職後は、国連特使にスカウトされ、米国政府(米海軍大学院)付けの専門家として、世界の閣僚経験者も講師を務める世界的なプログラムにて講師を勤める。

帰国後、PTSDから燃え尽とうつになり、何もやる気がしない・朝起きれない・働けなくなる。自分の「弱さ」やシャドー受け入れ、統合していくことを学び、数年を経て、うつを乗り越えた時に、直感能力とヒーリング能力が飛躍的に開花する。

 

クーリエジャポンで「答えを求めない勇気」連載中⇨https://courrier.jp/columns/58542/

 

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