組織でのコミュニケーションと自主性の関係

コミュニケーションには3つの種類があることをお話ししました。

① 伝達 =情報のA地点からB地点への移動

② 議論(discussion)=どの意見が優れているかを検討し、相手を説得する

③ 対話(dialogue)=相互理解によって、考えや行動が変化していく創造的な相互作用のプロセス、です。

日常におけるコミュニケーションは、つい①伝達と②議論になってしまいがちです。

組織では、コミュニケーションが一方的であればあるほど(通達スタイル)であればあるほど、受け手は上や強力なリーダーが「何をすべきか」を「命令」してくれることに依存するようになります。別の言い方をすると、責任者はだんだん権威的になり、メンバーはより受け身になります。

コミュニケーションスタイルが対話型になればなる程、メンバーの向上心と自主性が高まります。また、自然とリーダーシップと恊働能力を発揮するようになり、それぞれが互いに補完し合うようになります。

結果、責任者は「答えを持った人」というよりも全体のプロセスの世話人としての役割を担うようになります。

ハーバード・ビジネススクールのデイビッド・ガービン教授は、組織開発にとっては、「緊密なコミュニケーションよりもむしろオープンなコミュニケーションを行えるかどうかが重要である」と指摘し、以下の3点を組織開発を支える要因として挙げています。

1.精神的な安全(思ったことを自由に発言できる等)

2.違いの尊重(意見や考えの食い違いが起きても建設的な対話ができる等)

3.新しいアイディアの許容度(新しいアイディアを尊重する)

「私のアイデア聞いてもらえるのかな」「こんなこと言っていいのかな?」。。。そういう心配をしなくていい、安心して自分の意見を伝えることができる環境を人は求めてるー組織における大きな一歩はその辺りから始まりそうです。

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ハーバードで「生徒に最も影響を与えた教授」が教えるリーダーシップ(3)

【地球時代のリーダーシップ(3)】

ダライラマなどあらゆるリーダーをインタビューし、ガンジーやマンデラを研究し、松下幸之助に感銘を受け、変革とリーダーシップ(リアルリーダーシップ)には法則があると言うディーンウィリアムズ、ハーバード大学教授。

にんげんは自分の「境界」をなかなか超えられないという意味で同じ課題に直面しているらしいということが見えてきました。

ディーンいわく

「金融危機の時に指揮をとったゴードン・ブラウン元イギリス首相にもインタビューしたんだ。彼のチャレンジはまさに今の『地球時代』の課題を示唆していたよ。1つの国だけでは解決できないことが明らかだったのに、みんな(EUの首相たちは)自分の「部族」(国)しか見なかったから。。。」

一見違う現象でも、その本質に目を向けると世界で起きていることと、自分の周りで起きていることの根っこは実は同じかも知れない?!というわけです。

ディーンは言います。

「日本は黒船によって開国し、第二次世界大戦終結によって再び大きく国の枠組みが変わることになった。今回は内からそれが起こることが求められているんじゃないかな?世界が日本から学ぶために、日本が世界から学ぶために。」

リーダーシップとは、「本当に大切なこと」を見分け、真の課題に人々の関心を向けさせ、人々を真の成長に向けることだと言います。「変革」は、人々が望んでいる価値観が理解されてこそ起こるというわけです。

リーダーシップは崇高で胸湧きおこる壮大な「アート」。IBMの改革も、明治維新も、ボルネオの部族の変革にも一定の法則があり、一人一人の関わりの結果だと言います。

ディーンは最後に、「わたしの大好きな日本は必ず困難を乗り越えられると信じている」とメッセージを残してくれました。

激動の時代に人々を揺り動かして目覚めさせ、変革を導くリーダーシップモデルを描いた「アース・シェーカー(Earth Shaker)」という新しい著作が今年(2014年)の秋には出版されるそうです。

最後に。。。

世界が日本から学ぶことは何なのか?

日本が世界から学ぶことは何なのか?

そして「本当に価値あるもの」とは何なのか?

複雑な現象の中に真理を見いだし、自ら教えていることを体現しているディーン。そのような方に会えたことに感謝です。

【地球時代のリーダーシップ(了)】

ハーバード「生徒に最も影響を与えた教授」が教えるリーダーシップ(2)

【地球時代のリーダーシップ(2)】

世界には「変人」がいるものです。19歳の時に北海道に住んで日本語を話し、明治維新について研究し、パプアニューギニアの「未開の部族」と暮らし、大統領や世界的企業のCEOのアドバイザーをつとめ、時には大統領と村を回る。「MBAは問題を解決しない」と言っちゃうのに(だから?!)ハーバード大学ケネディースクールで「生徒に一番影響を与えた教授」に選ばれたディーンウィリアムズ(Dean Williams)が伝えてくれたこと。

まず問題のレベルに対する認識をはっきりさせよう、とディーンは言います。今の問題って複雑に絡み合っていて、前代未聞で、誰も答えを知らない。もはや問題は1つの会社や業界、いやいや1つの国の範疇を超えている。。。

今の「次元」では限界でより高い視点が必要だとみんな感じている。なのにやることなすこといつもの延長 (business as usual) 。。。

もしこの難局に光を求めるとしたらヒントは「部族」の限界を認め、部族の「境界」を超えることにあるんじゃないか?組織、業界、世代、カルチャー、営利、非営利、構造の「境界」を超え、互いに「橋をかける」ことこそが鍵だというわけです。

彼の表現を使うと、

bust the boundary(境界を破り)

cross the boundary(境界を超え)

connect the boundary(境界をつなげ)

transcend the boundary(境界を超越する)

ディーンはフクシマを例にあげます。事故の原因が「人為的」(man-made)だと結論されていることに触れて、「トーデンは他のセクターや他の国から事例を学ぶこと(助けを求めること)ができなかった。。。そういう意味でも『人為的』だ」と。

その昔、オーストラリアではアボリジニーの人が食事を与えてくれたのに「野蛮人」とは交流できないと言って砂漠で遭難したまま死んでいった白人が多かったのだとか。。。

ふ~

この視点で見ると、対立しているグループ同士お互いの「境界」を超えられないという意味において同じ課題に直面しているとも言えるわけです。

【地球時代のリーダーシップ(3)】に続く

マララ・ユスフザイさんスピーチ

マララ・ユスフザイさん(16才)のスピーチを紹介します。昨年アフガニスタンの国境に近いパキスタンのスワートという町で、学校に行っているという理由でタリバーンに撃たれ、英国での治療を経て奇跡的に回復してからの国連本部でのスピーチでした。

銃撃されても「自分を撃ったタリバン兵士さえ憎んではいません。」と言い切り、ただ教育の重要さを訴えています。彼女は当時16歳ですが、彼女の針の強さとその表現力には思わず感嘆してしまいます。最近の子の「感性」にびっくりすることはよくありますが、彼女のような新世代の感性をサポートできる大人でありたちと思います。

「私たちは暗闇のなかにいると、光の大切さに気づきます。私たちは銃を見て本とペンの大切さに気づきました。1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます」by マララ・ユスフザイ

日本語字幕付きリンク→ http://www.youtube.com/watch?v=iak1X8VedW0

以下訳→

http://www.huffingtonpost.jp/2013/07/12/malala_speech_n_3588163.html