世界100カ国、18-25歳の42,257人による若者の仕事観ーミレニアル世代は「学びたい」「成長したい」「世界を知りたい」

ミレニアル世代は「学びたい」「成長したい」

そんな機会があるなら世界のどこでもよい。

 

世界100カ国、18-25歳の42,257人による若者の仕事観に関する調査があります。

 

ベビーブーマー世代が世界的に引退に近づき、ジェネレーションX (1965年~1980年生まれ)とミレニアル世代(1981年~1994年生まれ、欧米ではジェネレーションYとも呼ばれる)が世界の労働人口の中心的な働き手となりつつあります。

 

ミレニアル世代は、特に、テクノロジーや情報、働き方、リーダーシップなどに対する捉え方に共通点があると言われています。

 

生まれた時から充分にものがある世代、スマホやSNSと一緒に大人になってきたデジタルネイティブ(表)、FacebookやYoutubeなどで誰でも気軽に世界に情報を発信できる環境、環境や世界の課題の課題に関する情報がより身近にあること、なども、世界の若者世代の価値観を共通の方向に導きつつあることがこの数年で明らかになっていきています。

 

 

 

国連とプライスウォーターハウスクーパースが支援し、アイセック(AIESEC)という国際的な団体によってまとめられた報告書、2015年「2015 Youth Speak Survey Millennials Insight Report」、「Youth Speak Global Report 2016」より、

 

世界100カ国、18-25歳の42,257人による若者の仕事観に関する調査を紹介したいと思います。

 

それぞれ質問と回答は以下の通りです。

(それぞれ上位5位を列挙)

 

⭕️卒業後の5年間の中で一番大切だと思うのは何ですか?

 

世界を体験できる仕事

成長する機会

意義を感じられる仕事

ワークライフバランス

挑戦しがいのある仕事

 

⭕️これから5年間の中に身につけるスキルとして重要だと思っているのは何ですか?

語学力

スピーチ(Public Speaking)

リーダーシップ

問題解決型思考

判断力・決断力

 

⭕️こうしたスキルを身につける手段は何ですか?

体験型の学び

ボランティア活動

インターンシップ

大学・学校

イベント・セミナー

コーチング・メンタリング

本・教材・オンライン上の情報

 

 

⭕️5年後にはどこで働いていると思いますか?

多国籍企業

起業している(スタートアップ)

INGO

分からない

大学院

 

 

⭕️働く企業が社会に貢献していることは大切だと思いますか?

とてもそう思う(61%)

まあまあそう思う(33%)

大切だとは思わない(6%)

 

 

⭕️理想の職場を一言で表現すると何ですか?

クリエイティブ

挑戦しがいがある

楽しい

グローバル

ダイナミック

 

 

⭕️職場にはどんなことを望みますか?

 

求められる成果を明確にしてほしい。そのその範囲の中で、新しいことを試したり、新しいことを学べる自主性を尊重して欲しい。24歳、ブラジル

 

僕にとって大切なことは、常に成長できる機会や環境、自分が関わっていることが社会にインパクトをもたらしていると感じられること。22歳、インド

 

働く人が会社との関係性が双方向であることー意思決定により気軽に関われるような仕組みがほしい。

23歳、ロシア

 

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⏫ Youth Speak Forum

ミレニアル世代に「やれと言ってるんだからやれ」は通用しません。ミレニアル世代を表面的に従わせることができたとしても、彼ら自身が納得しなければ、彼らの本当の力を引き出すことはできないでしょう。なぜ、それが本人の成長のために大切なのか、自らを高める機会になるのかを理解させる必要があります。

 

また、すでに確率された方法を一方的に伝えるだけではなく、どんな方法があって、何がうまくいって何がうまくいかなかったのか、より良くするにはどうしたらいいのかを考えさせるような導き方が求められるでしょう。そして、ミレニアル世代にとって、一人の人格として対等に尊重されることはとても大切です。

 

 

スイスの名門MBAプログラムIMDの学長を務めるドミニク・テュルパンはこう言います。

 

「リーダーにとってはそれが試練になりえますが、ミレニアルを鼓舞しやる気にできるリーダーとして自らを高める機会に出来るかどうか、リーダーにとっても企業にとっても成長の機会として捉えることが出来るかどうかが問われるでしょう。」

 

日本の若者は文化的にも社会的にもあまり声高にこうしたことは語りませんが、この調査で明らかになったことを同じような傾向があると個人的には感じています。

 

「もっとも働きがいのある会社」にも選ばれたグーグルからなぜマインドフルネスブームが生まれたのか、と言えば、Google初期にアルゴリズムをつくったエンジニアの社員の一人が、「毎日こんなに職場で時間を過ごすんだから、職場での時間はもっと楽しくていいはず」と思ったことがきっかけでした。

 

 

 

人はそもそも「楽しい」と感じる時に一番効率良く学ぶと言われています。

 

同様にリラックスしている時に自然と新しい発想やアイデアが閃きます。

 

子供は周りの子にも自然におもちゃを分けてあげます。

 

もしかしたら、私たちは自然の姿に戻っているのかも知れません。

 

 

ミレニアル世代にとって、「学びたい」「インスパイアーされたい」「チャレンジしたい」という欲求は「生きる」と同じくらいに重要

では、ミレニアル世代の力を活かすためにその上の世代やリーダーが知っておくこととは何でしょうか?

また、ミレニアム世代自身がより自分らしい働き方をみつけるために知っておくことは何でしょうか?

 

スイスの名門MBAプログラムIMDの学長を務めるドミニク・テュルパンは、働き手の中心世代が変わり、働き方や職場の文化、情報などに対するスタンスも大きく変化するに従って、彼らの才能をどう活かしたらいいのか、というリーダーシップのスタイルや職場の文化も適応することが求められていくだろう、と指摘します。

 

そして、この世代の世界共通の特徴として非常に面白いのは、ミレニアル世代は自分を成長させてくれる機会に貪欲であること、そして、仕事に意義を求めるという点です。

 

先に紹介した「Youth Speak」でも、こうした点が確認されています。

 

1、ミレニアム世代は「自分は社会をよくするために働いているのだ」と感じられることに価値をおく

ミレニアム世代は「自分は世界をよくするために働いているのだ」と感じられることに大きな価値をおきます。それは、ある人にとっては、自分が自分であることを表現することとほぼ同義語です。

 

個人や組織、社会全体の発展がなければ成功などありえない、と信じています。組織に対する忠誠心を持たせようとするよりも、仕事の先にある目的や意義が感じるられることが彼らにとってのやる気につながります。

 

2、ミレニアル世代は自分を成長させてくれる機会に貪欲

ミレニアル世代は、収入や福利厚生よりも自分を成長させてくれる機会を重視します。先に紹介したYouth Speakによると、世界100カ国、18-25歳の42,257人の61%が「将来起業したい」と答えています。この数字はそれまでの世代と比べても断トツに高いです。

 

また、64%が将来責任のあるポジションに就きたい、とも回答しています。彼らにとっては、10年経たないと責任も持てないし、大きな仕事をやらせてもらえない、というコースはとても長く感じられるかも知れません。

 

そういう意味で、彼らにとって、「起業」という意味は、会社を上場させるといった従来のニュアンスよりも、自分を表現し、自分を成長させる機会といったものに近いのでしょう。

 

3、ミレニアル世代に「やれと言ってるんだからやれ」は通用しない

ミレニアル世代には、「やれと言ってるんだからやれ」は通用しません。たとえ権威を持つ相手であっても、賛同できなければ表面的には従っているように見えても、彼らの力を引き出すことはできません。なぜ、どうしてそれが本人の成長のために大切なのか、自らを高める機会になるのかを示すことができれば彼らは本来の能力を発揮するでしょう。

 

また、すでに出来上がったやり方を一方的に伝えるだけではなく、どんな方法があって、何がうまくいって何がうまくいかなかったのか、よりよくするにはどうしたらいいのかを自分に考えさせてくれるな導き方が求められるでしょう。

 

そして、人が上の立場であっても、同じ人間としての対等性を求めます。説教口調ではなく、対等な関係としてより相手を尊重することが求められるでしょう。

 

 

4、理想の職場を一言で表現すると「クリエーティビティー」

彼らは、Ipadとデジタルペン一つで、新しいイラストやコンテンツを作り出し、YoutubeやSNSで自由に発信する世代です。すでに出来上がったものを決められたルールに従って繰り返すことよりも、何かを一から創り出す、生み出すことに対する熱意はとても高いと言えるでしょう。

 

5、ミレニアル世代は講義ではなく「体験して」学びたい。

 

同じ調査によると、53%のミレニアル世代が、大学を始め今の高等教育と実際に職場で求められることには大きなギャップがあると感じています。理論だけでなく、実践的な、チームワークやコミュニケーション能力やプレゼンスキルや表現力などを身につけたいと感じています。

 

世界の課題で一番重要なものに「教育」を挙げ、将来自分が才能を発揮するためにどんなスキルが必要だと思いますか?という質問に100カ国の若者は、①語学力、②プレゼン能力、③リーダーシップスキルを挙げています。

 

ミレニアル世代にとって、「学びたい」「インスパイアーされたい」「チャレンジしたい」という欲求は「生きる」と同じくらいに重要なことです。日々の中でそうした体験を感じられることに価値をおいています。

 

 

シリコンバレーでのマインドフルネスブームをつくったグーグルが、なぜそもそもマインドフルネスプログラムを作るようになったのかと言えば、Google初期にアルゴリズムをつくったエンジニアの社員の人の体験と感想が始まりでした。

 

「毎日こんなに職場で時間を過ごすんだから、職場での時間はもっと楽しくていいはずだ」と。

 

彼らの才能をどう活かしたらいいのか、というリーダーシップのスタイルや職場の文化も適応することが求められていくのでしょう。

 

なによりミレニアル世代の人自身が自分にあった働き方をみつけるためにも、世界の若者たちはどう感じているのか参考になったらいいなと思います。

権力やヒエラルキーが通用しない若者たちー新世代を活かすためにリーダーが知っておくこと ②

権力やヒエラルキーが通用しない若者たちー「ゆとり世代」は全世界的な現象であるのをご存知でしょうか?

 

日本ではゆとり教育やバブル崩壊と「失われた20年」がよく要因として挙げられますが、

 

先進国における少子化、生まれた時から十分にものがある世代、環境や世界の課題に対する危機感、新興国なども含めたデジタル化・グローバル化、FacebookやYoutubeなどで世界中の情報を見ることができる「インスタント情報化」なども世界の若者世代の価値観を共通の方向に導きつつあることがこの数年で明らかになっていきています。

 

ちょうど今彼らの世代の上司を務める世代の人たちが、「今どきの若いものは。。。」と語りたがるのはよく聞くところですが、今月の12月9日、ニューヨークの国連安全保障理事会ではじめて若者に関する決議が採択されるなど、今全世界的な若者の動向が注目され、若者の声を届けようという動きが活発になっています。

 

なぜ平和と安全に関する国連安全保障理事会で若者に関する決議があったのか、については、若者の間で原理主義思想が広がっていることへの世界的な懸念があって、ようやく若者の声を聞こう、という流れになっているからです。

 

日本だけ見ると少子化ですが、全世界的に見ると、2025年までには、全世界の労働人口の75%は若者たちになると言われています。この若者たちは、世界の変化の激しい中、スマホやSNSと共に大人になっている今まで人類が体験したことのない世代でもあるのです。

 

さて、世界100カ国、18-25歳の42,257人の調査より若者の本音を伝えた興味深いレポートがあります。

参考: 2015 Youth Speak Survey Millennials Insight Report

 

ミレニアル世代の力を活かすためにその上の世代やリーダーが知っておくこととは何でしょうか?

 

 

1、ミレニアル世代は複雑性に対する準備ができている

この世代にとってにとって「世界」は生まれた時から「世界は複雑で変化の激しいところ」でした。アジア金融危機、アメリカでの同時多発テロ、その後のテロとの戦い、リーマンショックなどです。だから、複雑性の準備ができているというよりも複雑性しか知らないとも言えます。なので、伝統的な「終身雇用」のは想定はそもそも薄いと言えます。

 

2、ミレニアム世代の忠誠心はより広義の意義に向かう

ミレニアム世代は「自分は世界をよくするために働いているのだ」と感じられることに大きな価値をおきます。それは、自分が自分であることを表現することとほぼ同義語です。個人や組織、社会全体の発展がなければ成功などありえない、と信じています。組織に対する忠誠心を持たせようとするよりも、仕事の先にある目的や意義を明確にすることが求められます。

 

3、ミレニアル世代は自分を成長させてくれる機会に貪欲

ミレニアル世代は、収入や福利厚生よりも自分を成長させてくれる機会を重視します。自分を表現し、成長させる機会として学校卒業5年以内に起業を考えている割合も今までの世代に比べ、断トツに高いのです。

彼らにとっては、10年経たないと責任も持てないし、大きな仕事をやらせてもらえない、というコースはとても長く感じます。プロジェクト志願制など彼らの才能と意欲を活かす方法を取り入れる工夫が求められるでしょう。

旧態依然とした考え方に距離をおくことで、他の世代が考えたこともないような事業機会をミレニアル世代が見出すことができるなど彼らの才能をクリエイティブに活かすことができるかどうか、組織・企業の力量が問われるでしょう。

 

4、権力やヒエラルキーは通用しない

ミレニアル世代は、たとえ権威を持つ相手であっても、賛同できなければ従いません。「やれと言ってるんだからやれ」は通用しません。リーダーは、あなたや組織が、なぜそれに取り組んでいるのかについてミレニアムに理解させる必要があります。リーダーにとってはそれが試練になりえますが、ミレニアルを鼓舞(インスパイアー)できるリーダーとして自らを高める機会に出来るか、リーダーにとっても企業にとっても成長の機会として捉えることが出来るかどうかが問われるでしょう。

 

5、「必要だが退屈な作業」が不得意である。

どんな業界でもどんな仕事でも、専門性と知恵を形成するには、地道な仕事の積み重ねは欠かせません。忍耐力を培うことも含め、ミレニアル世代に接するリーダーは、そうしたことを丁寧に示し、なぜ目の前の仕事に熱心に取り組むことが大切なのかを理解させてあげることが大切です。

前回紹介したように、ミレニアル世代のリーダーに対する期待は、「同じ目的に向かって『パートナー』として共に歩んで欲しい」なので、説教口調ではなく、どうして、それが本人のために役に立つのかを理解させる言葉を持つことが鍵になるでしょう。

「ゆとり世代」は世界的現象: 新世代を活かすためにリーダーが知っておくこと ①

「ゆとり世代」的現象は日本だけでなく世界各地で起きている全世界的な現象であることをご存知でしょうか?

 

日本だけ見ると少子化ですが、全世界的に見ると、2025年までには、全世界の労働人口の75%は若者たちになると言われています。この若者たちは、世界の変化の激しい中、スマホやSNSと共に大人になっている今まで人類が体験したことのない世代でもあるのです。

 

そして、例えば、自分は世界をよくするために働いていると感じたい、自分の才能を社会のために活かしたい、自分を成長させてくれる機会や自己表現の機会には貪欲。でも、権力やヒエラルキーは通用しない。。。

 

日本の若者は、そこまではっきり表現しないためか、日本では一般的にはネガティブなニュアンスで語られる「ゆとり世代」ですが、当たり前ながら彼らには彼らの理屈があり、どうやら世界的な現象らしいのです。

 

 

スイスの名門MBAプログラムIMDの学長を務めるドミニク・テュルパンが面白い表現をしているので紹介します。

 

世界の変化が激しい今の時代、まず世界的に何が起きているのかを理解しよう、というくだりの中で、

1、競争環境の変化

2、市場(顧客)の変化

3、働き手の変化

の、中で「働き手の変化」が取り上げられています。

(「ふたたび世界で勝つために:グローバルリーダーの条件」2015年、日本経済新聞社より)

 

働き手の中心世代が変われば、働き方、価値観、職場の文化、情報などに対するスタンスも大きく変化します。

すると、同時に、彼らをどう導いたらいいか、というマネージメントやリーダーシップのスタイルや職場の文化も当然適応することが求められます。

 

ベビーブーマー世代 (1946年~64年生まれ)が世界的に引退に近づく一方で、ジェネレーションX (1965年~1980年生まれ)とジェネレーションY (1981年~1994年生まれ)が企業の中心的な働き手となりつつあります。

 

ジェネレーションYは、日本で言うところの「ゆとり世代」と重なり、また世界的にはミレニアル世代とも言われます。

 

特に、テクノロジーやリーダーシップ、転職、情報などに対するスタンスにある特徴が世界共通に見られることが指摘されています。

 

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テクノロジーに対するスタンス》

ベビーブーマー世代:「テクノロジーはあんまり得意じゃない。正直面倒。」

ジェネレーションX:「テクノロジーは不可欠」

ジェネレーションY:「テクノロジーは基盤。最新のものが必要」

 

《リーダーに対するの期待》

ベビーブーマー世代:「『とにかく仕上げろ』と叱咤激励して欲しい」

ジェネレーションX:「『コーチ』として自分の力を引き出し、動機づけて欲しい」

ジェネレーションY:「同じ目的に向かって『パートナー』として共に歩んで欲しい」

 

《転職について》

ベビーブーマー世代:「転職はキャリアを後退させるもの」

ジェネレーションX:「転職を含め自分の可能性を追求するのは当たり前」

ジェネレーションY:「転職するにも起業するのに垣根はない」

 

《情報へのスタンス》

ベビーブーマー世代:「情報を小出しにすることで自分の権威を守ろう」

ジェネレーションX:「ネットワークを形成し、その中で情報を動かし生かす」

ジェネレーションY:「公私問わず、常につながり、コラボしていく」

 

日本では日本特有の要因としてバブルの崩壊といわゆる「ゆとり教育」の時期が世代の特徴を述べる時の要因としてよく指摘されますが、それだけではこの世界的な現象を見落としてしまいます。

 

つまり、先進国における少子化、生まれた時から充分にものがある世代、環境や世界の課題に対する危機感、新興国なども含めたデジタル化・グローバル化、FacebookやYoutubeなどで世界中の情報を瞬時に触れることができる「インスタント情報化」などが世界の若者世代の価値観を共通の方向に導きつつあることも事実なのです。

 

ところで、この本のタイトル『ふたたび世界で勝つために』の「勝つために」はミレニアル世代にとってはちょっと「疲れる」表現かも知れませんね。

 

さて、世界100カ国、18-25歳の42,257人の調査より若者の本音を伝えた興味深いレポートがあります。

 

ミレニアム世代の力を活かすためにその上の世代やリーダーが知っておくこととは何でしょうか?

 

権力やヒエラルキーが通用しない若者たちー新世代を活かすためにリーダーが知っておくこと ②

Yuuth Speak②

ホームページもないのにNHKから電話がかかってくるミラクル農家: 東京的里山資本主義

東京で新宿から35分圏内で専業農家をしているミラクル農家があります。

ホームページもブログもないのに、ある日、突然NHKの大河ドラマの担当者から電話がかかってきて「おたくの野菜は新鮮で野菜らしい野菜なので大河ドラマで使いたい」と言われ、農家さんなのにカウンセラーのようでもあり、働くママまで支える農家さんなのです。

確かに、大河(時代)ドラマで、スーパーで売っている形はいいけれども野性味のない野菜は使えない。

 

それにしてもすごい!と思ったのは、ホームページもブログもないのに、口コミだけで?評判がNHKに届き、しかも、地方にも農家は山ほどあるのに、新鮮で野菜らしい野菜としてテレビ映りがいいと思われたこと。

 

実際、見栄えがいいだけでなく、この清水さん(清水農家)は、日本の中でもフレンチのクオリティーがトップクラスに入る東京の国立(くにたち)から車で10分位なので、国立のフレンチレストランにも直接野菜を卸している、影で国立のフランス料理を支えている実力派の農家さんなのです。

 

さて、この清水さんがスタンドを始めたのは、10数年前。農協経由だとどうしても規格から外れてしまう大量の野菜を見る度に、形のいい野菜よりも野菜らしい野菜を作りたい、と思ったのがスタンドの始まりだったそうです。

 

最初は、自分が作った野菜を直接近所の人たちに届けられるのが嬉しくて、来てくれるお客さんにいつも家でやってる「野菜が美味しく食べられるおうちレシピ」を教えてあげたそうです。人に喜んでもらうのが好きだからいつもついつい「おまけ」をしちゃう。しかも、大量のおまけ。私もいつも両手で抱えきれない位の野菜をもらったものでした。

 

出来るだけ農薬は使わないポリシーだから、子供にいいものを食べさせたいママもわざわざやってくる。若いママが集まるようになるから、自然に子育て相談が始まることも。。。だから、清水さんの顔は時にカウンセラーのよう。

 

そして、なぜか、子供たちが学校の帰りにスタンドに立つ清水さんに挨拶をするのです。

共稼ぎの家庭が多い東京の郊外。

 

ママは子供に「帰る時には清水さんに一言でいいから『こんにちは』って言うのよ」と言い、清水さんは後で、仕事帰りに買い物によるママに「~ちゃん、何時に通ったわよ」、と一言「報告」をする。

 

これ、東京の郊外に自然に根付いた子供の見守りシステム。

都会的里山資本主義。

 

清水さんのスタンドはお花が飾られていて、いつも全国各地のお土産でいっぱい。「おまけ」のお返しに、お客さんが旅行先で買ってくるから。

 

2014年ベストセラーになって新書大賞を受賞した「里山資本主義」の副題は「日本経済は「安心の原理」で動く」。

 

JR中央線国立駅から車で、清水さんの畑に近づいてくると、空気が変わるのが分かります。都会にいるのにそこはとても落ち着いた平和な空間なのです。

 

農業と平和って一般的には別々の分野のものだと思われているけれども、清水さんのスタンドに来ると「農業平和賞」というものが存在してもいいなと思うのです。

ブルーベリー

里山資本主義④(了)

日本全国少子化と高齢化の中でなぜ沖縄小浜島の「おばあ」たちは元気なのか?

日本全国で少子化と高齢化が進む中で、人口増加率トップ5を更新し続け(沖縄県竹富町)、おばあたちがとても元気な島があります。沖縄県八重山諸島の一つ小浜島です。

 

この「小浜島」は、沖縄の八重山諸島に位置する人口約600人の島です。

東京からだと

羽田ー那覇(2時間)

那覇ー石垣島(50分)

フェリー(30分)

を乗り継ぎ到着します。

 

私が小学生の時は、南西航空というプロペラ機での移動でしたが、今は直行便もあります。ちなみに、東京ー石垣間は1950キロで、東京ー上海よりも長い羽田発の一番長い路線だそうです。

 

小浜島の丘からは海が見えます。海が本当に綺麗です。

 

小浜島道

 

さて、この小浜島のおばあたちには元気の秘訣がたくさんあります。

 

もう80代、90代のおばあ達ですが、毎日の日課は、朝起きたら、お隣りの家に行って、

 

「おーい、あんた生きてるか〜?一緒に東京に(合唱団の公演に)行くんだよ。まだ死んだらダメだよー。」とそれぞれが周るのだそうです。

 

そして、みんなが集まっておしゃべりをする中で、「みんな歳をとり始めたけど、何かお互いを励まして元気になる方法はないかねえ」、と、そんな話しになったそうです。

 

そして、いつものようにお茶会を開いていたら、誰が言い始めたのか、初恋ばなしを披露することになり、それがすごい盛り上がったそうです。

 

そして、戦争で着られなかったから、結婚ドレスを着ようということになって、お化粧もしてもらうことになったそうです。

 

そしたら、80歳を超えた「おばあ」たちに恋ごころが蘇ったように笑顔と元気が溢れ、みんなで「きゃっきゃっ」とすごく盛り上がったそうです。

 

おばあドレス

 

おばあ達が元気な小浜島では、入会の資格は80歳以上で、70歳はまだ「研究生」、60代はまだまだ「ひよっこ」だそうです。

 

ドレスと恋ばなが恒例になって合唱団を結成。それがきっかけで、島内のリゾート「はいむるぶし」のステージに呼ばれるようになりました。

 

日本全国で生産人口減少、高齢化、少子化が進む中で、全国に元気を与えた、とサントリー地域文化賞も受賞しています。

 

そして、KBG84というグループ名で「徹子の部屋」にまで出場するほどになりました。

 

kbg84 徹子

 

こんなにニコニコと全国の人たち、いやいや、世界の人たちにも(つい最近は北海道とシンガポールに招聘され公演してきたそうです。)に惜しみなく笑顔を振りまいているおばあ達ですが、この一件温和なおばあたちの笑顔の内には、同時に沖縄の太陽にも負けない「芯の強さ」と「知恵」があります。

 

おばあ達が海外にも呼ばれるのは、おばあたちの姿を通じて、島の生活を生き抜いてきた強さと包容力、そして島での生活でつちかった知恵をわたしたちが感じとることができるからではないかな、と感じます。

 

東京生まれの私が初めて小浜島を訪れたのは6歳の時。

小浜島は最初「カルチャーショック」の連続でした。

 

台風がやってきて丸3日間停電。

それなのに、叔母たちはまったく動じず、淡々とろうそくで食事の準備していました。

 

 

ーテレビはNHKしか映らない。しかもよく乱れる(当時)。

ーラジオをつければ、英語か中国語の方がはっきり入る。

ー海辺を歩けば、中国語の漂流物がいっぱい(台湾がすぐそこだから)

 

なにより、おばあ達の言葉がわからない!

 

子供ながらにはっきりと感じました。

 

「国境」なんてしょせん人間が作ったものなんだ、と。

 

 

お店は全部で3件。

 

日中はさとうきび刈りなどの農作業。

時々海に出てたこを釣ってくるなど普段の生活はシンプルなものです。

 

そんなおばあ達がキリリと凛々しい表情を見せる日があります。

 

神に豊作を感謝するために踊りと歌を捧げる祭の時です。

 

いつも見かける叔父達が、突然「きりっと」笛や太鼓、さんしんの名手に変身し、おばたちは、白い衣装に身を包み、神様を迎えるという大役を果たします。

 

島全体で、三日間、神に歌と踊りを捧げるのです。

 

「かっこいい」!!!!!

 

こうした姿を見て育つ小浜島の子供達の憧れは、社長でもサッカー選手でもなく、三線や笛、たいこ、そして歌と踊りが上手い人なのです。

 

その祭を6歳の時にみた私も、あまりの迫力に圧倒され、大人になったら、絶対にこの祭に参加しようと誓ったのでした。(成人すると正式な参加資格を得ることができます。)

 

世界中の神話や神に捧げる儀式は突き詰めていくと、どこかに共通点があって、

 

人間が生きていくための知恵を教えてくれていると、人類学者や神話の研究者が言っていることを思い出します。

 

台風が来たらすべてが寸断される環境において、小浜島のおけるこうした祭事というのは、一人ではけっして生きられない島で生まれた「生き抜く知恵」を、おじいやおばあが全身で後世に伝えていく神聖な空間なのでしょう。

 

なんとも深遠な仕組みが出来ているものだと深い感銘を覚えます。

 

 

小浜島では年長者は知恵のある人として敬われます。

 

年長者は若い人に「知恵」を伝える役割があるとされています。

 

 

 

97歳の「カジマヤー」という長寿を祝うお祝いでは島全体で祝福します。

 

ヒデおばあのお祝いの時には、島の小中学校の生徒全員が手作りの竹笛を練習してお祝いをしました。(小浜島は竹笛が有名です。)

 

小浜島おばあ④

 

ちなみに最近「カジマヤー」を迎えた山城ハルおばあ(96)もKBG84のメンバーです。

小浜島⑤

🔼 写真:小浜島リゾートはいむるぶしさんのブログより

 

人は誰もが誰かの役に立ちたい生き物。

 

そして、「いのち」には、次の世代にほんとうに大切なことを伝えたい、残したい、よりより社会を残したい、という本能が備わっているのです。

 

当たり前だけれども、

人は物でもないし、お金でもない。

 

生産するとか消費することと全く関係ない次元にそもそも本来の人の価値は存在する。

 

そんな当たり前のことを「小浜島」は思い出させてくれるのです。

 

 

 

 

里山資本主義②: あるものから自分と周りに価値を生むシステム

 

短近な資源を活用しながら、マネーの経済システムと並行して、個人の範囲で小さくてもいいから「お金に依存しないサブシステム」を並行して持っておこう、という考え方がじわじわと拡がっているようです。

 

地域エコノミストの藻谷浩介さんの講演を聞きました。

 

なんで?

いろいろなアングルがあるとは思いますが、一つは、生産人口減少、高齢化、少子化という課題です。

 

東京を含め、日本のあらゆる地域が14歳までの子供の人口の減少、生産年齢と言われる1564歳までの人口の減少、65歳上の人口の急増という問題に直面しています。

 

平成合併前32,000市町村のすべてをほぼ私費で訪問したという藻谷さんが見せてくださった全国の市町村のデータによると、

 

今までは、人口の減少は交通の不便なところの問題と思われていたのですが、交通の便がよくて工場があっても、例えば、静岡市といった新幹線も止まる東海道本線上の場所でも人口減が続いているそうです。

 

そして、地方の過疎化のインパクトが強くて、人口減少は地方の問題だと思われがちなのですが、

 

65歳以上の老齢人口が増えていくという点では、この現象は、早いか遅いかの違いだけで、実は都市部の方が顕著なのだそうです。(団塊の世代の多くはリタイア後も都会で暮らし続けるからです。)

逆に、地方の一部では老齢人口の増加は止まってきている所もあります。(団塊の世代の多くは東京に出てるままだからです。)

2050年日本人口2050年日本人口

これって、どういうことかと言うと、都市部では医療、福祉・介護予算は増加し、消費人口が激減する=今の経済規模は保てない (移民の受け入れなどなんらかの対策がとられなければ)、ということで、それならば、全体的に考えると、新鮮な野菜に魚、おいしい水のある生活の方がいいかも、という人たちが出てきます。

 

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だから、

交通を整備する

工場を誘致する

観光客を誘致する

というよりも、

 

藻谷さんは、

人口が減らなくなること

若者が定住し、ずっと子供が生まれ続けることを考えようと言います。

 

今の住民が毎年1歳ずつ歳を取っていくこと、

若者が進学や就職のために地域を出て行くことはある程度は止められないにしても、

 

🙆   若者たちを呼び戻す工夫をすること、そして

🙆子育て世代の支援で出生率を高くできる、と言います。

 

実際に、そのことに早くに目をつけた北海道のニセコ町は、北海道の豪雪地帯の中でも特別豪雪地帯に指定される冬の生活はけっして楽とはい言えない「僻地」にありながら、住環境を整備して子育て支援策を充実させた結果、30代の子育て世代が転入し、人口増加率が全国でナンバー3に入ったそうです。

ちなみに、町長が「町全体で子供を育てます!」とYoutubeで熱く宣言しています。

 

ちなみに、とても興味深いと思ったのは、全国的に少子化が進む中で、人口増加率ナンバー5はみんな「辺境」にあることでした。

 

沖縄県竹富町

沖縄県北大東島

北海道ニセコ町

鹿児島十島村

沖縄県宮古島市

(順不同)

 

子育てがしやすい、ということと、そこにある資源と魅力を最大限に生かした町づくりをすれば人は来るという可能性が示されているように思います。

 

ニセコの例はさらにヒントをくれます。

ー移住者の受け入れ態勢を徹底的にとっていること、

ー家探し(賃貸)の支援を徹底していること(地方では家を貸してくれる家が少なく、まず移住者が苦労するのは家探しだそうです。)

ー外国人の受け入れ態勢を徹底的にとっていること、

ー外国人む含め誰にでも広く就職の門戸を開いていること、

ー結果的に、国際結婚も多くなって、永住につながっていること、

ーそれが田舎でありながら開かれた文化をつくっていて、移住者も住みやすいと感じること、

 

そして、驚いたのが冬よりも夏の観光客の方が人数が多いということで、その理由ー「川下り」と「トレッキング」はもともとニセコを訪れたオーストラリア人のアイデアだったという点です。

 

地元の人に「当たり前」のことも外の人から見たら「当たり前」じゃない。

 

「辺境」を自覚していることもあってか、ニセコ町の町民の方々も外国人を受け入れるための努力をしていること、「外部(外国人も含め)」の意見やアイデアにもオープンな点は大きそうです。

 

そして、地域活性化のためのもう一つの提言が、地消地産を進め、地域外に出ていくマネーを減らしすでにある周りのものから価値を生むお金に依存しないシステムを並行して持っておこうという「里山資本主義」です。

 

世界中から一番安くて大量に作られたものを買ってくるのではなく、地元産の質を上げて地元産をもっと使うライフスタイルです。

 

例えば、伊勢原市民1人当たりの年間のモノ消費のたった《1%=1.2万円》を、地元産品の消費に使えば、12億円が地元経済に回ることになり、雇用を300人分増やせます。

 

他には、

設備費は地元の業者に発注する

地代は地元の人には安くする

光熱費は中東から何万マイルもかけて運ばれてくる石油ではなく、里山から調達できる「まき」を使う

貯金は都会に預けず地元に再投資する

原材料は出来るだけ物々交換をする

地元学校での給食や介護施設などでの食事では農家から直接野菜を買い取り100%地元の食材を使う

観光客に出す食事にも徹底的に地元産の食材を使うなど、

まだまだ出来る余地はたくさんある、と言います。

 

特に、燃料は石油を輸入するのではなく、日本には里山という大きな資源があるのだから、それを燃料として最大限に利用しよう、と提唱しています。

オーストリアは林業を復興させて、年間に1兆円弱の木材資源を輸出する外貨を稼ぐ産業になり収入の高い職業として若者に人気だそうです。

 

ハイテク産業は、商品陳腐化のスピードが速いので、藻谷さんが提唱するのは徹底的に地元産の付加価値をあげること・ブランド化することでした。ニセコの例にも繋がりますね。

 

さて、この話しを聞いた後だったので、川根本町の有名な秘境温泉寸又峡でいただいた食事で、地元産のものはどれですか?と聞いたら、幸いに野菜や魚のほとんどが地元産でした。

 

質素に暮らした方がいいとか

都会を捨てて田舎暮らしをしようとか

自給自足をしようとか

マネーは悪だ

そういう意味ではないし、

 

そこにある自然の資源を活かそうという発想も

「お金で計れない価値」も

地消地産という考え方も

生活の質という視点も

 

当たり前と言えば当たり前なのだけれども、

 

藻谷浩介さんの講演は、人口統計や経済的なデータも含めて示してくれたことで、

 

しかも年間に400回も文字通り全国各地津々浦々で講演をするとかで(1日辺り2回以上です)、

 

あまりモノを買うことに興味のないさとり世代やゆとり世代とのそれ以上との世代との「世代間の橋渡し」的な言語にもなっていて、

そういった価値を直観的に感じてきた人たちを超えて、全国的な議論のきっかけをくれているんじゃないかと感じました。

 

この川根でのイベント自体が、地元のリーダーと全国と世界の若い人たちがつながって開催し続け今年7回目を迎えるとかで、そんなフラットな横のつながり自体も象徴的だと感じました。

 

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そして、人口増加率が全国的トップレベルと紹介された沖縄の竹富町の小浜島からは、平均年齢84歳のおばあアイドルグループ「KBG84」が最近メジャーデビューを果たしました。

品川プリンスでのコンサートは満席で、NHKにも民放にも「徹子の部屋」にも出演し、BBCやCCTVにも取り上げられています。

この小浜島は、私の父が生まれた島で、私のおばさんもKBG84に参加しています。

 

小浜島のおばあ達ってなんでそんな元気なの?

小浜島的「里山(離島)資本主義」の秘訣とは???

 

里山資本主義③: BBCでも絶賛84歳のアイドルグループを生んだ小浜島の秘訣とは?