キャリアと人生の法則【③】分かってもらえるのは奇跡
つい最近読んで、改めてびっくりしたことがありました。
それは、私たちは目の前の人の姿を10%も見ていないらしい、という社会心理学者による指摘です。
社会心理学が教えてくれる認知プロセスというものによると、私たちが相手を理解する際にはいくつかのステップを経るそうです。
1、二分化
まず、目の前で起きている出来事を理解するために、脳は自分と相手との関係を判断しようとします。この際に脳がとる思考法は、相手を分類することであり、人間に本能的に備わった最も基本的な分類方法は、「この人は自分の敵か味方か?」という分類です(二分化)。
2、確証バイアス
そして、脳がそれを判断するのと同時に、私たちの頭の中に瞬時に浮かぶのが、職業(会社)、性別、社会的階層(役職)、人種、民族、宗教などの「カテゴリー」です。
私たちは、ポジティブなものもネガティブなものも含め「○○の人は~だろう」という、それぞれのカテゴリーに関する解釈やバイアスを持っています(確証バイアス)。
3、対応バイアス
そして、そのカテゴリーに関する自分の中の解釈にしたがって、自分が見ると予想していることを相手に見ます(対応バイアス)。
この理論によると、私たちは相手のことを本当に見ているというよりは、自分が思うように相手のことを見ている、という事になります。私たちは言葉を交わす前から瞬時に沢山の推測をしているからです。
しかも、「初頭効果」というものが働くために、一度自分の中で決められた第一印象は、自動的に修正されることはなく、その印象が変わるためには意識的な努力を要すること、また、ストレスが高い時にはステレオタイプがさらにが強化される傾向がある事が指摘されています。
つまり、特別な人がステレオタイプや偏見を持っているのではなく、誰もがなんらかのステレオタイプを持って相手のことを見ているという訳です。そういう意味では、私たちは目の前の人の事をほとんど見ていないのかも知れません。
改めて聞くとちょっとびっくりです(汗)。。。
では、これが日常レベルで何を意味するかと言うと、まず、人は自分のことを客観的に見てくれているだろうという観測(期待)を見直すこと、同様に、こちら側も周りの人のことを理解しているだろうという「思い込み」を見直す必要があるということです。
例えば、一生懸命にやっていれば、人は自分のことを分かってくれるだろうという訳ではなく、理解するのにも理解されるのにも自ら積極的に働きかける必要があるのです。
人を理解し、人に理解されるということは意識的な努力を必要とする作業であるという認識を持つことです。
運を下げる人は、自分の事が分かってもらえない、理解されていないと感じます。
運を上げる人は、自分が理解されるためにも相手のことを理解する努力をします。
⭐️キャリアと人生の法則【③】分かってもらえるのは奇跡⭐️
⬆️ 運を下げる人は、自分の事が分かってもらえない、理解されていないと感じます。
⬇️ 運を上げる人は、自分が理解されるためにも相手のことを理解する努力をします。