国際機関、国連、外資系企業で「リーダーシップ」について聞かれたらどう答えたらいいか

欧米の子供たちはリーダーシップがあるかどうかの前に、何が聞かれ、何をどう表現したらいいかを小さい時から訓練されているように思います。

 

例えば、国際機関や外資系企業、欧米の大学・大学院や奨学金の応募で、よく聞かれるのが「リーダーシップ」に関する質問です。

 

仕事についてからも評価項目の中にも「リーダーシップ」が含まれると思っていていいと思います。

 

リーダーシップについて質問されたとしたら、どう答えたらいいのでしょうか?

 

まず、彼らのいう「リーダーシップ」について理解しましょう。

 

相手は何について聞きたいのでしょうか?

 

まず、「リーダーシップ」とは、社長とも部長とも委員会の委員長といった正式な役職や係とは違います。役職と権限は「リーダーシップ」とイコールではありません。

 

古いリーダーシップは一人のリーダーがチームを引っ張るトップダウン型でしたが、今は一人一人がそれぞれの役割と責任を持っているという意味で誰もが「リーダー」であるという考え方にシフトしてきているからです。

 

「リーダーシップ」と聞くと、「大きなこと」や「立派なこと」を話さないといけないと思うかも知れませんが、人は一人で成し得ることは限られているし、ただ文句を言うだけの人も、自分の意見だけを主張してチームとして動けない人も困りますから、小さいことでもいいから自分の役割を自覚し、誠実に取り組むことのできる姿勢は重宝されると言えます。

 

 

ですので、「リーダーシップ」に関する質問をされたら、

 

例えば、

身近なことでいいので、

会社の行事の幹事をした時とか、

「私はそのことを通じてこんな体験をして、こんなことを学びました」というように、

 

「ああ、この人は、『チームワーク』『リーダーシップ』について自分なりに学んだ体験があるんだな、チームで成果を出すための自分の役割とは何か」を体験的に分かっているな、という事が具体的な例と共に相手に伝わることの方が大切です。

 

私の友人で、「不法移民」だったので正式な職歴が短く本人も半分諦めていたのに、アメリカ連邦政府の幹部プログラムに受かった人がいます。

 

彼女と一緒に考えた作戦は、ウェイトレスとしての「リーダーシップ」体験を話すことでした。

 

正式な職歴はとても限られていましたが、イトレスとして働いていたレストランでは若い人たちに慕われ、いつも人の相談を受けていました。

 

ですので、面接では、以下の点を伝えることにしました。

 

同僚の間で常に信頼が高かったこと、

若い人のよい相談役になってきたこと、

時には職場内のいざこざを解消してきた事、

そして、不法移民でも諦めずに10年以上英語をコツコツ覚え続け、

働きながら大学院を修了した体験に関して、

どんな状況でも諦めずに道を切り開いてきたこと、

です。

 

彼女は見事に合格しました!

 

今ではワシントンDC郊外に3軒の家を所有し旦那さんと息子さんと幸せに暮らしています。

 

あまり正式な職歴はありませんと言うのか、こんな経験がありますと言うのか、「言い方」「魅せ方」一つで全く印象が変わります。

 

何をどう表現するかはとても重要です!

 

《まとめ》

 

1、一人のリーダーがチームを引っ張るトップダウン型から、一人一人がそれぞれの役割と責任を持っているという意味で誰もがリーダーであるという考え方にシフトしている

 

2、相手が何について聞いているのか、何を求めているのかを見極め、きちんと質問に答えること

 

3、事例やある結果など小さくてもいいので「根拠」を入れること

 

4、『リーダーシップ』について自分なりに学んだ体験を伝える

 

5、小さいことでもリーダーシップ(面接で聞かれるテーマ)を学んだ機会として組み立てる練習をする

 

 

 

 

国連、国際機関、外資系企業の応募書類を準備するための7つのステップー何を表現するかと同じ位どう表現するかが大切

欧米の子供たちは、スキルがあるかないかの前に、応募書類や面接の際に何が求められて、何をどう表現し、何と答えたらいいかを小さい時から訓練されているように感じます。

 

これは外資系の応募、面接、国連や国際機関に応募する際の書類の準備にそのまま当てはまります。

 

何をどう表現するかはとても重要です。

 

国連に応募するための応募書類(p.11)の作成にはいくつかの意識すべきのポイントがあります。

 


<全体像>

ステップ1.Job Descriptionを次のAction Verbを使って書き出す。

 

ステップ2.自分が一番やりたいポストや分野を3つくらい選んで、実際のポストで使われているJob Descriptionからキーワードを書き出す。

 

ステップ3.これまでの仕事や今の業務が政策レベルでどういう意味を持つのか政策レベルで表現し直すこと

 

ステップ4.実績を数値化して表現すること(何人の地域を担当したのか、予算規模など)

 

ステップ5.国連PKO・平和構築分野であれば国連PKOで使われるキーワード、開発分野であればSDGsなどのキーワードを取り入れること

 

ステップ6.  大学、大学院で勉強したこと、課題活動、委員会、ボランティア活動、表彰されたことなど関係しそうなことを全て書き出す

 

ステップ7.  自分の軸(とくにパッションを持って取り組んできたこと、自分はいつもこういう視点を大事にしてきた、こういうことを大切にしてきた)という視点から全体の切り口を明確にする

 


 

関連する職歴が少ない場合、大学、大学院で勉強したこと、課題活動、委員会、ボランティア活動、表彰されたことなど関係しそうなことをともかく全て書き出すことが大切です!

 

また、自分では気付かなくても、第三者の視点から自分の体験を整理することで、自分では気付かない自分の体験に気づくことはたくさんあります。

 

仕事内容・業務内容も表現の仕方を工夫することによって印象がまったく変わります。

 

これまで関わった方々は、数回のコーチングでp.11はまったく変わりました。

 

国連で採用面接官を務めた体験を踏まえ、お伝えします。

 

お気軽にご連絡ください。

 

スカイプ・zoomにて

 

1時間ー18,000円(税込み)

 

3回ー50,000円(税込み)

 

info(at)peaceblossom.net

 

*添削サービスではありません。

 

for it is God who works in you to will and to act in order to fulfill his good purpose. (Philippians 2:13)

 

「神は,みこころのままに,あなたがたのうちに働いて志を立てさせ,事を行なわせてくださるのです。」(ピリピ 2:13)

 

philippians2_13

国際機関や外資系企業に応募する人へー自分のやってきた仕事や、研究、作品を日本を超えた世界での文脈で捉え直して、その価値を相手にわかるように表現しなおすこと

先日国際学会登壇エントリー用の構成についてご相談を受けて、いくつかアドバイスしたものが、見事に今度シンガポールで開催される国際学会でのプレゼンテーションの一つに選ばれたという報告をいただきました。

 

同じ大学の他の先生のエントリーは通らなかったのにもかかわらず、それは通ったとのことでした。3回そのようなことがありました。

 

ちょっと振り返ってみると、そのコツは、英語力でも翻訳力でもなく、論点を明確にするということ、そして「日本人的な謙遜」を超えて健全な意味で自分の仕事や研究の価値を認識し、さらに言うと、自分の「差異性」を認識するということ、だと思います。

 

これは国際機関に応募する人(p.11を書く人)の書類の書き方、海外で仕事をしたい人にもすごく関係することなので、どういうことなのか、記事に書いてみたいと思いました。

 

わたしは約10年国際機関というあまり日本人のいない環境で英語で仕事をしてきたので思考回路がかなり英語脳に近いです。

 

そして、とくに学会発表用の要約の場合に意識することは、この論文はいったい何を言いたいのか?という論点を冒頭で端的に明確にする、ということです。

 

自動的に訳を当てはめるのではなく、発表者の方が一番言いたいことと論拠や全体の結論を理解した上で英語脳的な思考回路で全体の構成を組み立て、最適な訳を当てはめるていくことです。

 

英語では、この研究はなんで重要なのか?この研究からどんな結論が導かれるのか?が非常に重要になるので、洗練された英文表現を考えるのは三番目くらいの優先順位で、論点をはっきりさせること、次に構成(ロジカルに結論まで展開されているか)の方が断然に大事であると実感しています。

 

シカゴ大学卒の学部時代の社会学のアメリカ人の先生からも、なんども「So What」? と聞かれたことを思い出します。

 

これは、英語で仕事をする人、英語でプレゼンをする人、英語で書く人にも共通する点なので、下記の「英語脳的仕事術」もぜひ読んでいただきたいと思います。

 

関連記事⇨国連ニューヨーク本部で学んだ「英語脳的仕事術/

 

そして、次に重要なのは、日本人特有の謙遜の表現を、言い直すことです。

 

日本の方が書かれるものは、結論もタイトルも全体的に控えめなものが多いように感じます。

 

ただし、英語という言語ははっきりとした結論を求める構造を持つ言語なので、この論文はいったい何を言いたんだろう?という点がわからなくなってしまうことがあります。

 

そして、おそらく一番大事なことは、自分のやってきた仕事や、研究、作品や創作活動の価値を英語圏(日本を超えた世界)での文脈で捉え直して、その価値を相手にわかりやすいように表現しなおすことであるかなと思います。

 

日本では「当たり前」だけど、世界から見たら「当たり前」ではないことも表現しなおすことも含まれます。

 

同じ思考回路を国連や国際機関、外資系企業などへの応募に応用すると、以下の通りになります。

 

(1)相手が求めていることは何か?

 

(2)自分のやってきた仕事はそれにどう当てはまるのか?

 

(3)相手の視点からみた自分の資質や仕事、経歴の強み・競争力は何か?

 

(4)自分が一番のCandidateであることの説得力や経歴とポストとの一貫性をどう持たすことができるのか?

 

(5)それをどう表現すればいいのか?

 

という5点を意識する必要があります。

 

国連に応募する方のp.11を何件か見せてもらったことがありますが、日本の文脈で自分がやってきたことの羅列に終わっているケースが以外に多いのです。

 

別の表現でいうと、

 

自分のやってきた仕事や、研究、作品や創作活動の価値を(一)世界の文脈で捉え直して、(二)その価値が説得力をもつように、(三)相手に伝わるように表現しなおすことがポイントいなると思います。

 

国際機関への応募書類(P.11)作成のアドバイス、

国際学会発表のためのコーチング、

プレゼンコーチングしています。

 

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コーチング⇨https://chikaonaka.com/coaching

国連ニューヨーク本部で学んだ「英語脳的仕事術」英語脳を身につけると仕事が早くなるわけー英語は⭕️⭕️を前提に会話が組み立てられていくから

英語力がある段階になると、仕事が早くなります。

それは思考回路が英語脳になることと関係している、というのが私の経験的な持論です。

もっと言うと、英語は結論(意思決定)を前提に会話が組み立てられていくからです。

 

英語で仕事をするというとすごい語彙力が必要で文法も完璧でないといけないと思う人が多いかも知れませんが、ビジネス英語であっても日常的な表現はとてもシンプルで、時にたった一語、またはたった3語くらいでやりとりがなされます。

 

語彙力や文法も大事ですが、私はある段階から英語力を伸ばすには英語的思考回路を身につける方が大事なのではないか?と思います。

 

そして、英語脳は仕事をすることを助けてくれます。

 

私は独立前の南スーダンの首都ジュバで国連PKO活動にかかわっていた当時たった一人の日本人だったので、かなり完全に英語脳になっていました。

 

(UNCEFなど他の国連機関やNGOやJICAで働いている人、ハルツームで働いている日本人はいました。そして、仮に日本人がいても職場では英語で話すことになるのですが)

 

日本語は母国語なので、なにかしらの単語が一瞬出てこないことはあっても、日本人の友人に会えば日本語は口から出てきます。

 

でも、メールででのやりとりはほぼ英語のままでした。

 

それは、英語の方が簡単で楽だったからでした。

 

慣れれば、英語の方が簡単で楽というのは、日々現地国や国際機関とやり取りをする日本のNGOや日本の組織で働いている人も共有していた感覚だったらしく、

 

日本人なのになんで英語で返ってくるの?という雰囲気でもなく、日本人同士でも英語でやりとりすることは普通に行われていました。

 

なぜ「英語の方が簡単で楽」なのか?といえば、それはおそらく

英語で仕事することと、日本語で仕事することの違いは何ですか?

英語で仕事をするということについて知っておいて方がいいことはありますか?

という質問の答えとも共通します。

 

それは、英語は結論 (意思決定)を前提に会話が組み立てられていくから、です。

 

国連職員の間でも日常的に使う語彙のレベルは、非常にシンプルです。

Do you want to the new Indian restaurant tonight around 7:30?

 

そして、求められている返答も単純です。

 

今晩食事に行く?Yes かNoか

インド料理でいいのか?Yes かNoか

7:30でいいのか?Yes かNoか

 

そこには、行きたいけど何かNoの理由があるのならその理由も伝え、

じゃあ代わりに〜行きたい、または〜して欲しいといった返答が求められます。

 

例えば、

cf.一昨日インド料理食べたばっかりだから、レバノン料理はどう?

cf.今晩は車がないから迎えに来てくれたら行けるんだ、などです。

 

もちろん日本語でも似たような会話はありますが、英語は結論だけ、

もっと言うと単語だけを言えばいい(単語で成り立つ)という面がより強いと思います。

 

先ほどの例にとると、こんな感じです。

that sounds great. will join. See you then!

(直訳) いいね。行く。んじゃ後で!

 

大文字にさえなってないし、真ん中の文では主語の(I=私)すら省略されています。

でも、今晩7:30にインド料理行く?か行かないかについての相手の質問に対しては、

「行く」と返答しているのでやりとりは十分に成り立ってなっています。

 

日本語だと少し乱暴な感じに聞こえるかも知れませんが、仕事上のやり取りも非常に端的です。

 

それは、英語(ヨーロッパの言語)は文章構造上も目的ありきの言語だからです。

 

逆に、いくら完璧な文法で立派な文章が並べられてあっても、これは何のために書かれた文章や報告書なのか、何のためにシェアされているのか?読み手側のアクションとしては何が求められているのか?が明確でなければ、意味が不明瞭な文章とされます。

 

日本語をバックグラウンドをする人で職場で、英語でどう返答したらいいか悩んでしまうという人は、丁寧な文章や完璧な文章を書こうとするよりも、

 

このメールや報告書はどういう位置づけなのか?

上司の承諾を求める文なのか?

なんらかのアプローチを提案するための資料なのか?

これを伝えることでどうしたいのか?

これを読んだ人に何を決めて欲しいか(意思決定)

これを読んだ人にどうして欲しいのか(読み手のアクション)

 

といった点に今一度注意を払ってみるといいと思います。

 

そして、こういう点を明確にします。

 

⭕️これは何のための文章(報告書)か

例)これはこういう目的で送っています、と冒頭で言う。

⭕️社内(組織内)での位置づけ

必要ならば決定事項や決議を冒頭で引用・触れる

例)月日の会議の通り、〜とすることが決まりました。それによって〜

⭕️ これを読んだ人に何を決めて欲しいか(意思決定)

例)進捗状況はこうです。次の段階に進めていいのかお知らせください。

⭕️これを読んだ人にいつまでに何を(返信)してを欲しいか(読み手のアクション)

例)いつまでに〜の点についてお返事ください。

 

こうして分解していくと、英語での仕事というイメージに覆いかぶされていたものよりも、実際に何をやればいいのかより明確に見えてくるのではないでしょうか?

 

国連ニューヨーク本部時代のわたしの上司は国連の花形部署を取り仕切る人だけあって、とても優秀な人で、国連代表としてBBCにも出演してPKO活動が展開する地域の情勢や国連の取り組みについて説明するような人でしたが、彼の返信はとてもシンプルでした。

 

Please go ahead. (了解。そのまま進めて)

Please talk to *** 部署. (***部署と先に話しつけておいて)

Let’s discuss this at the next Unit’s meeting. (次の定例ミーティングで扱おう)

 

よく英語(勉強している外国語)で夢を見るようになったら、

一つの段階に達したサインと言われますが、

改めて国連で学んだ英語脳的仕事術について考えてみると、あえて言うならば、

 

仕事のメールに一言または15語以内で返信できていたらかなり高いレベルにあると言えます。

 

(誤解のないように付け加えておきますが、英語でも丁寧な言い回しやそれなりの外交上のやり取りの文言は存在します)

 

ちなみに、オバマ前米国大統領は、ホワイトハウスのスタッフがオバマ大統領に意思決定を求める書類に対して、返す型が決まっていたそうです。

 

Agree (同意します)

Disagree(同意しません)

Let’s Discuss.(話し合おう)

 

オバマ大統領の返信はこれだけです。

 

ここにも、ビジネス英語は結論(意思決定)ありきという特徴がよく現れています。

 

日本の大企業に勤めていると、意思決定は上の人がやること、意見を聞かれてもそれがどこまで尊重されているかも反映されているかもわからない、と感じる人もいるかも知れませんが、どんな仕事にも意思決定は含まれていますし、自分がやっていることの目的を自分の中で明確にするというのは、やはり大事だと思います。

 

英語は構造上それをよりはっきりと意識させられますね。

 

そして、慣れると英語の方が簡単ではるかに仕事がやり易いと個人的には思います。

 

重役の誰々さんの顔色をうかがったり、「忖度」についてさらに忖度するよりも、より本質的な部分で勝負ができます。

 

わざとはっきり言う事を避けたり、あえてあいまいに表現する日本語の奥ゆかしさはそれはそれで味わいつつ、目的と意思決定をより明確にする英語脳を持ちあわせることは可能だと思います。

 

もっと大きな仕事をしたい、もっと思い切って自分の力を試したい、職場の人たちはいい人だけど、ここはずっと自分がいるところとは思えない、もっと違う職場があると思っている

 

ーそういう人にはぜひ英語脳的仕事術を身につけていただきたいと思います!

2020東京五輪ホスト国として知っておきたいことー1964年東京五輪から2016年リオ五輪参加国はなぜ2倍になってるのか?

1964年東京オリンピック参加国はいくつでしょうか?

なぜリオではおよそ2倍になってるのしょう❓

1964年から2016年の間に何がおこったのでしょうか?

 

国連加盟国よりもリオ五輪参加国が多いのはなぜでしょうか❓

 

東京オリンピック vs リオ五輪.001

 

まず先に答えをお伝えします。

 

1964年東京オリンピック参加国は=94

2018年国連加盟国数=193

2016年リオデジャネイロオリンピック参加国=207です。

 

リオ五輪参加国がおよそ2倍以上になっているのは、1964年当時アフリカは多くの国がまだ「植民地」だったからです。

 

まだ独立国として東京五輪に参加できていなかったからです。

 

zambia

 

「1964年10月24日、東京五輪閉会式の日、アフリカのザンビア共和国は独立した。
開会式とは違った新国旗を持って、残留したたった一人の選手が、誇りたかく入場行進してきた。満員の観覧席からは、精一杯の拍手が送られた。」 吹浦忠正(ユーラシア21研究所理事長)「新・徒然草」より

 

当時の読売新聞にはこうあります。

 

「ザンビアのプラカードと旗手が入場し、最後に開催国日本の旗手・小野喬(体操)が入場した直後、各国の選手たちが一丸となって入り混じり、互いに手を握り、肩を叩き、抱き合い、踊りながら入場してきた。そして、すぐさま追いついた、日本とザンビアの旗手を肩車にして担ぎ上げた。」

 

1964年東京五輪は、敗戦後の悔しさから日本が国際社会への復帰をアピールする機会だと捉えられました。

 

では当時参加する人たちにとって1964年東京五輪はどんな機会だったのでしょうか?

 

アメリカの選手団もほとんどが白人選手です。まだ人種差別が公然と行われていた時代でした。

 

「平和の祭典」と言っても、世界の半分も参加していないということになりますね。

 

では2020年東京五輪に参加する人たちにとって、五輪というのはどういう場なのでしょうか?2020年五輪には国籍のない人たちや「難民」と呼ばれている人たちも参加できるのでしょうか?

 

ほんとうの意味での「平和の祭典」にするには、ホスト国として「私たちの視点」だけでなく、「彼らの視点」も持ちたいものです。

 

さて、中学校の総合的な学習の時間ではそんなお話しもしました。

 

なにより、国連の現場で見て感じたことをそのまま伝えることを一番大切にしています。

 

専門用語は使わず、わかりやすく心に届くようにお話しします。

 

「世界のことをもっと知りたいです!」
「勇気をもらいました!」

 

本何十冊読んでもピンとこなかったことが、腑に落ちる、

世界の最前線の現場の生の声に触れることで、もっと知りたいと思うようになったーそのような感想をいただいています。

 

他にはこのような感想をいただいています。

 

「答えを提示するわけでもない」という言葉に触れて、「自分の考えが間違いでも答えが一つだけではないと教えてもらい、私の支えとなりました。」

 

「私が使っている教科書には、紛争が起こる原因として宗教の違いと書かれて、私もそうだとずっと思っていました。でも、大仲さんのお話しの中で、ケニアの難民キャンプでは宗教が違くても普通に暮らしていたと伺いました。それを聞いて、紛争が終わらない理由は、みんなが宗教の違いが原因だと思い込んでいるからだと思いました。」

 

「一番印象に残っているのは、『大人になったら答えのない問題に立ち向かわないといけなくなる。だから、学生のうちから答えのない問いに立ち向かっていく勇気を持つことが大切』というお話しです。これからはこのことを意識して生活していきたいと思います。」

 

「現代社会の先端を生きる大仲様の話しはとてもおもしろかったです。」(笑)

 

九段中感想①.jpg

 

詳細はこちら➡️goo.gl/stsivZ

 

どうぞご連絡ください。

たくさんの人にお話しできることを願っています!

 

無関心や孤立、寛容性が下がる「社会的なトラウマ」 という現象ーその連鎖と国連関係者が学ぶ「どうしたら憎しみの連鎖を防げるのか」という理論

先日はトラウマとは単に「心の病」というよりは、「身体に残り外に出切れていないエネルギーである」とお伝えしました。

 

アメリカでは10人に一人がPTSDと言われるくらい、トラウマやPTSDが過剰に診断される状態があるとも指摘され、

 

すべてを「トラウマ化」する必要はない、と断っておいた上で、

 

トラウマと暴力の連鎖のメカニズムと、それを乗り越える過程を理論化したものして知られる

 

The Center for Justice and Peace-buildingの Strategies for Trauma Awareness and Resilience(STAR)より、トラウマが日常的にどういう風に現れるのかお伝えしたいと思います。

 

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⏫  The Center for Justice and Peace-building, Strategies for Trauma Awareness and Resilience: STAR)より

 

一般的にはこのような状態がみられます。

 

・判断能力が低下し、何かに対する事象を恐れとして認知しやすくなる。

・コミュニケーション能力が低下し、特に共感性が下がる

・柔軟性や寛容性が下がる

・直接何かが起こったわけでもない個人との関係において緊張や対立がおこる

・無関心や孤立

・自分の被害ばかりに目がいき、他者の視点で見ることができなくなる(歴史、係争、関係性)

 

さらに、そのエネルギーが内に向けられるか(acting-in)、または外に向けられるのか(acting-out)?に分けられます。

 

内に向けられた場合には、以下のような症状が見られます。

 

内に向けられた場合:

・依存 (インターネット、薬物、買い物、セックスなど)

・過食症・拒食症

・仕事中毒

・自傷行為

・うつ

・不安

・頭痛や身体の緊張など・慢性的な痛み

・病気(身体的症状)

・自殺

 

外に向けられた場合には、以下のような症状が見られます。

 

外に向けられた場合:

・ドメスティックバイオレンス(DV)

・虐待

・犯罪行為

・リスクを犯したがる

・攻撃的な行為

・暴力行為

・戦争

 

社会的・集合レベルでは次のようなトラウマのサインを見ることができます。

 

・無関心(国の政策や政治や社会に対する無関心)

・黙る(表現の自由の抑圧、真実が語られなくなる)

・共感や寛容性のうすれ

・二元論(ゼロか100か、こちら側かあちら側か)

・ 人との繋がりが希薄になり信用できなくなる

・環境の悪化

・性の軽視や売春の増加

・薬剤の使用量の増加

 

 

トラウマはそれに苦しんでいる当事者が自分で心の痛みを癒し、その体験を完了させなければ、さまざまな 形で次の世代や社会に引き継がれると言われています。

 

最近は、トラウマと暴力の連鎖だけでなく、それを乗り越える過程も理論化されています。

 

これは、9.11をきっかけに始まった「どうしたら憎しみの連鎖を防げるのか」という研究から生まれまし た。

 

今では、「Strategies for Trauma Awareness and Resilience: STARプログラム」として知られ、私も国連の研修の一環で参加したことがありますが、米政府や国連関係者、アフガニスタ ンやイラク従事者をはじめ、ドイツ、ケニア、レバノンなど世界60ヵ国から参加者が集まるプログラムとして知られています。

 

STARは、米国で起きた1995年のオクラホマシティ連邦政府爆破事件の被害者が「和解」へ向かっていた 過程などを理論化し、紛争を根本から解決するには、個人が心の傷やトラウマの体験を癒すことが重要だとしています。

 

STARに理論によると、寛容性の低下や排他主義といった排除型の暴力も、トラウマと暴力の連鎖の一つだと説明することもできます。

 

報復の「連鎖」を根本的に解決するためにも、こうした連鎖のメカニズムとそれを断ち切るのは何か?と理解することは役に立つと思います。

 

STARの理論では以下のステップが説明されています。

 

STAR 和解.001

 

(#1)身の安全

(#2)なげく・自分のストーリーを話す

(#3)Why me? ⇒ Why them?なぜ私?からなぜ相手?への視点

(#4)相手の「ストーリー」を理解する

(#5)ストーリーが書き換わる

(#6)ゆるし

(#7)正義(restorative justice)

(#7)和解

 

こちらについてはまた説明したいと思います。

 

個人的なトラウマやPTSD(援助従事者による二次受傷、セカンダリートラウマも含む)の回復プロセスについてはこちらで説明しています。

 

トラウマとまで言わなくても、人生では自分の思うようにならない時もあれば、理不尽なことも起こります。一人ではどうしたらいいのか分からなくなることもあるでしょう。

 

そんな波の中にいる時にどうしたいいのか?

 

少しでもそんなヒントになるように、トラウマやPTSDの回復理論やレジリエンスに関する研究と私自身の燃え尽き症候群やPTSDからの回復体験を質問形式にしてまとめました。

 

ここで挙げている質問は、リラックスして、まずは眺めてみて、思い浮かぶことをありのままに観察してみるというアプローチをオススメします。

 

質問を読んでもに何も思いつかなくても、ふとした瞬間に何か思い浮かぶ事もあるでしょう。

 

自分が前に進んだからこそ、意味を持ってくる質問もあるので、ぜひ定期的に眺めてみて下さいね。

 

ダウンロード・登録⭕️こちら⭕️よりどうぞ 

 

 

目次

あ、今の自分の状態について把握する

い.自分の「ストレス反応」を知る

う.今気になっていることについて観察する

え.喪失 (後悔、自責、サバイバーズギルト)に気づく

お.自己像、自己肯定感、自己受容度に気づく

か.自分の中の「不安」を意識化・言語化する

き.自分のコーピングスタイルを知る

く.自分と相手との優先順位(境界線)と当事者レベルを知る

け.自分のストーリー(解釈・認知)に気づく

こ.回復のストーリーをみつける

さ.試練の中の「意味」について知る

し.再結合・新しい自己の創造

す.回復・再生のためのステップ 

せ.トラウマからの回復・再生のプロセスで体験しうること

そ.トラウマからの回復の三段階

 

ダウンロードは⭕️こちら⭕️よりどうぞ 

 

 

国連での勤務の1年目、苦い体験を通して学んだ本当の議論のためのルール

自分がある出来事についてどう思っているかは、自分が決めればいい、というお話しをしました。

 

でも、みんながそれそれ違う意見を持ったらどうなるの?

という漠然とした疑問というか、不安を持つ人もいるようです。

 

 

それは、

日本では、

議論のルールというものを習ったことがない

議論というものをしたことがない

または、本当に違う意見を交わしてより理解が深まったという体験したことがない、

または意見はトップダウンで決められるものでただ従えばよい、

答えは「上」から与えられるもの

という権威主義的なやり方を当たり前とする文化や経験の問題だと思います。

 

 

でも、自分の意見を言わないことは、

相手を尊重していることにはならないし、

本当の関係を築くことにならないのも事実です。

 

そして自分の意見を持つことを止めるものに、いろんな誤解が理由としてあるようですが、

 

その一つは、人の意見と人格を同一視してしまうというものです。

 

 

私はその誤解を国連での勤務の1年目、苦い体験を通して学びました。

 

国連勤務の1年目初めての赴任地東ティモールでの出来事でした。

 

初めて、オーストラリアのダーウィンから初めて国連機というものに乗って東ティモールの首都、ディリに向かった日のことは今でも覚えています。

 

一緒に働くことになったのは、

チリ生まれのオーストラリア人、パキスタン人、イギリス生まれのパキスタン人、カメルーン生まれのドイツ人、オーストラリア警察から出向中のオーストラリア人の女性と日本人のわたしでした。

 

さて、チリ生まれのオーストラリア人はチリ人っぽいのか、それともオーストラリア人っぽいのか?

国籍を聞いただけではこの人たちはどんな人たちなのかさっぱり分かりません。

 

さて、始めての会議。

 

その中でチームリーダーに選ばれた一回り年上のパキスタン人の同僚の口からは、ショックな言葉が続きました。

「女は仕事ができない。」

そして、男性には挨拶をして、女性は無視するかのような態度。

 

オーストラリア警察から出向していた女性と私は顔を見合わせてまず怒りました。

そして、悩みました。

 

結論から先にいうと、そんな言動が続き、本部からヒアリングと事実確認、調停を担当する人が派遣されてきました。

 

その調停人の方は、まず双方の言い分を聞き、事実確認をするための質問をいくつかしました。

私は事前に書面で伝えていたことと同じことを伝えました。

 

そして、何回かそのようなやり取りが続きた後、

途中「だからこの人は何もわかってない!」と

私の方がカッとなってしまいました。

 

私がよく覚えているのは、その時の調停人の言葉です。

 

彼は落ち着いた口調でこう言いました。

「事実と人格を分けてください。」

「ここで聞いているのは(確認をしている)のは事実関係です。

何があったのかという「事実」だけを述べてください。

相手のパーソナリティーに言及することは慎んでください。」

 

私は、その瞬間にハッ!と気づいて本当にその通りだと思ったのです。

 

「「事実」だけを述べてください」とは、日本人の感覚からするともしかしたら冷たい印象を与えるのかも知れません。

でも、その時に私はすごく解放された気がしたのです。

 

 

この人はイスラム圏で生まれ、おそらくこれまで女性と働いたことがなかったんだろう。

そういう文化背景で、おそらくそういう考え(女性は仕事はできない)を持つようになって、

ただそれだけなのだ、と。

 

 

そういうことを平然と言い続ける人と一緒に働くのは決して心地よかったわけじゃないけど、

私個人に向けられたものではなかった、と。

 

 

私たちは、自分とまったく違う意見と持っている人に会ったり、自分の意見が否定されたりすると、あたかも自分という個人が否定された、と感じがちです。

 

相手の意見と人格をごちゃまぜにしてしまいがちです。

 

でも、その人の意見は世界の72億あるうちのたった一つの意見であって、

 

自分にとって真実でもなければ、同意する必要もないし、

その人の意見個人的に捉える必要はまったくないのです。

 

最近続けて職場でハラスメントを受けている・受けていたという相談を受けていますが、

それを聞く中でも、そこにショックや傷ついた体験がごちゃまぜになっていることが多いのを感じます。

 

まず、事実と感情を分けること、

事実と人格を分けることが大切です。

 

すると、事実関係が自然に整理されていきます。

 

 

《まとめ》

事実と感情をわける

意見と人格を分ける

事実を淡々と整理する

人の意見が自分の意見と違うからといって、それは個人的に嫌われたとか、尊重されていないとは違う

もしそういう感情や感覚があるとしたら、それは本当にそうなのか確認すること。