仕事とはそういうものだ。
仕事とは苦労して当たり前。
仕事と遊びは別のもの。
さてそれは本当でしょうか?
小学生の憧れの職業がYoutuberという時代なのに、まだまだ私たちの世界観は古いものの影響を受けているようです。
私は親に初めて国連で働きたいと思っていることを伝えた時のことを覚えています。
大学4年生の秋ののことでした。
当時はFacebookもなく、ネット上の情報も限られていて、
身近に実際に国連にいった人も先輩訪問というものもなければ、
いい企業に就職するのが「就職」だという雰囲気は今よりも強い時代背景の中、
大学の就職課でそんな話しができる雰囲気でもなく、
今ほど「国連」がキャリアの一つとして認識されているわけでもなく、
私にとっての唯一の頼りだったのは、
「明石康国連に生きる」という本と
カンボジアの選挙支援での体験を書かれた国連ボランティアの人の手記とアルク出版の「国際協力ガイド」だけでした。。。
今となっては、もう前世の前世のような感じさえしますが(笑)、父が早めに帰宅できる日を待って「家族会議」が開かれました。
周りに国連で働いてる人はいるのか?
国連という組織にはどうやって入るのか?どういう仕組みなのかなどと質問をされました。
当時私のわかる範囲で答えたのですが、それは両親にとって(というかその世代の人にとって)、想像のできない世界であり、想像のできない働き方だったと思います。
「緊急家族会議」は、双方の主張が交わらないままに結論に近づいてきました。
「そんな夢みたいな事を言ってないで就職しなさい」。
(≧∇≦)
それ以来、私と両親は、
同じ家に住みながら卒業までほぼ半年も口を聞かなくなってしまったのですが、
今振り返ればそれが「バネ」になって、
私はぜったいに大学院にも受かって国連に入ってやると思いました。
そしてそれが「原動力」になって着々と準備を進めていきました。
その半年の間で英語のテストのスコアが伸び、
海外就職も決まり、大学院入学も決まり、
しかも奨学金ももらえることになったのですから、よくがんばったと思います。
こう書いてみると、
そこで引き下がって終わっていたら私のキャリアも今の私もなかったことになるので、
当時の両親は私の覚悟を試した役割という意味で
魂の約束をしてきたかもしれないとすら思います。
反対されたことは当時の私にとっては「大事件」でしたが、
当時の私の両親の反応はけっして珍しいものではなくおそらくその世代の人たちの一般的な反応だったと思います。
社会が右肩上がりの経済成長を続けていた時代の「仕事観」と「交換(依存)関係」というものも出来上がっていました
終身雇用がまだ当たり前だったので、我慢する代わりに雇用の安定と定期昇給を保証するよ、という関係性と考え方です。
こうした時代背景では、市民ひとりひとりが成熟した個人になることによってではなく、同質性の高いマスを形成することが優先されたのです。
内田 樹氏いわく、「その方が確かに作業効率がいいし、組織管理もし易い。消費行動も斉一的だから、大量生産・大量流通・大量消費というビジネスモデルにとっては都合がよかった。
だから、国策的に同質性の異様に高い集団を作ってきた。でも、こういう同質性の高い集団というのは、「この道しかない」というタイプの斉一的な行動を取ることには向いているんですけれど、前代未聞の状況が次々と到来するという危機的な状況には対応できない。そのつどの変化に即応して、「プランA」がダメなら「プランB」という臨機応変のリスクヘッジは、多様な才能、多様な素質をもった個人が「ばらけて」いることでしか果たせないからです」
内田樹が語る高齢者問題――「いい年してガキ」なぜ日本の老人は幼稚なのか?
より抜粋
そして、20年たった今、当時には想像もつかなかったユーチューバーといった「職業」ができて、下手な企業のキャンペーンよりもずっと影響力を持つ個人が生まれています。
そして、「スーツケース起業家」というタイトルの「自由に旅して十分に稼ぐ新しい生き方」の指南本までています。
https://www.amazon.co.jp/スーツケース起業家-ナタリー・シッソン/dp/4883206599
これは日本では2016年刊行ですが、英語版はもう6年前に刊行されていて、
私自身去年の夏に西表島へいって、今年の3月に執筆を兼ねてタイ旅行に行った背景には、そういうライフスタイルが頭にあって、
バンコクに暮らす高校時代からの親友からも、ちかちゃんの仕事ならどこでも仕事できるよね、とも言われ続けています。
誰でも簡単に楽して稼げるという安易な印象を与えるつもりはありませんし、
何をするにしても一定量の労力も努力もいるのはどんな分野でも変わることはないと思いますが、
個人とテクノロジーの力が相乗効果をもって発揮される時、
仕事とは苦労するもの
苦労しないとできない
成功するのは苦労や困難が伴うものという考え自体
もはや時代的にも妥当だとは言えないのですね。
もっとはっきり言うと、簡単に楽しく十分に稼ぎ旅するように生活し、人の役に立ち充実した生活を送ることは可能な時代なのですね。
この本には著者が世界旅行をしていながらもビジネス(コーチングやセルフブランディング)が回るようにしたステップが書かれています。
そのためにホームページに入れるべき機能や内容、アプリの紹介なども詳しいのですが、
なによりそうしたライフスタイルをすでに実現している人のエネルギーが伝わってきて、
仕事は楽しくていい
楽しく稼いでいいという考え方に細胞が置き換えられていくように感じるのです。
メモがたくさんできました!!!
Samui Island、タイ