紛争中でも女性はおしゃれを諦めない。
紛争中でも南スーダンの女性が買い求めたものはカラフルなドレスでした。
紛争が終わった南スーダンの首都ジュバで真っ先にオープンしたお店はネールサロンでした。
お店のオーナーの名前はChikaさんでした。
女性は普段の生活に潤いをもたらしてくれるものにより敏感だから。
戦争よりもおしゃれの方が断然にいいと本能的に知っているから。
女性には子供を宿り産み育てる、本能的なセンサーが備わっているのだと思います。
それなのに、なんでまだあちこち紛争が続いているの?という疑問が起こります。
いろいろな理由が複雑に絡み合っているのですが、私が国連職員として南スーダンで元兵士の社会統合支援に関わる中で気づいたことがあります。
それは、社会全体の制度やあり方がガラッと変わって、価値観の転換が伴うときには、新しい価値観への「心の適応」が一つ大きな鍵となるということでした。
南スーダンの内戦は独立闘争だったので、兵士であることは、生存や安全、教育の機会を意味したし、さらに言うと、尊敬、誇り、帰属意識、参加、アイデンティティーなども意味しました。
真の変化を生み出すためには、「価値観の転換を必要とするような真の適応課題」=「Adaptive Challenges」に私たちが向き合うことができるようになることが大切だと指摘するのは、ハーバード大学ケネディースクールで長年リーダーシップを教えるロナルド・ハイフェッツ教授です。
私たちは問題を専門的に「テクニカル」に議論をするけれども、問題の「本質」は議論されない。解決策はいつも似たりよったりで、問題はそのまま。。。
「部族」(会社、政府、組織、NGO, etc.)は、「長」に忠誠を誓って「長」に依存し、
「部族」は「長」に簡単な答えを求めます。
追いやられたら困る「長」はニセモノの課題と答えを「部族」に示し、部族は迷走を続けます。。。
今度の「長」こそなんとかしてくれるだろうと期待しては失望し、かくして「長」はコロコロと変わります。
こうしたパターンは、人間の「部族化」(tribalism)現象と呼ばれています。
この数年、世界でポピュリズムやナショナリズムが激しくなってる理由 の一つは、未知の不安に向き合い、答えがすぐに出ないような複雑さや答えのない状 態に耐えるよりは、「不正確でもいいからより単純な答え」を求め、自分に安全をくれると感じられるより大きな集団に帰属感を求めるからだ、という指摘もあります。
そうした人間の組織における集団心理を理解した上で、
本当の適応課題に目を向けさせることは、’Adoptive Leadership’=「適応型リーダーシップ」と呼ばれています。
別の言い方をすると、変化に対する不安があるならば時に人々のそうした不安に寄り添い、
人々に安心を与えること、
そして、「本当に大切なこと」を見分け、人々を真の成長に導くという働きが求められるということです。
職業訓練を行うのも、釘やネジ一つ隣国のウガンダやケニアから輸送しなければいけない南スーダンで苦労をして、元兵士の人たちに技術的な支援を提供することはできましたが、
本当に求められていたのは、「心の適応」に関するサポートだったということは多々ありました。
これが私が国連職員を経て、コーチングを始めることになった大きな体験の一つでもありました。
新しい生活に対する心配があるのならば、その部分に丁寧に耳を傾け、新しい方向性を示すことができます。
そういう意味で、紛争地や今の世界で求められている人とは、その社会の中でどんなことが起きているかを観察でき、まだ言葉にされていない部分を理解した上で、よりよい方向へ導くことのできる人と言えます。
これは日本人が得意な分野です。
日本の力が世界で求められています。
(写真) アンジェリーク・キジョー(Angélique Kidjo)ベナン出身の歌手。現ユニセフ親善大使。アフリカンポップ、レゲー、ジャズを織り交ぜた音楽をスタイルは国際的に高く評価され、グラミー賞(Grammy for Best World Music album)受賞。米紙ガーディアンに「世界でもっとも啓発的な女性Top100」の内の一人として取り上げられる。
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