ノーベル平和賞に3度ノミネートされたシーラ・エラワージー「逆説的に聞こえるかも知れないけど、人が『マスク』を抜いでもろさを出せる時にこそ成果がうまれる」

今、日本も世界も危機にあります。

同じやり方では続けられなくなっています。

にんげんとして必要なことや本当に大切なことを無視し犠牲にして自分だけが生き残るやり方で国も社会が繁栄するはずがありません。

 

この数年で気づいたら、社会全体の力も一人一人の生命力も弱ってきています。

 

真実や真理はわたしたちに活力やインスピレーションをくれるけれども、「にせものの力」は人から力を奪っていきます。

 

今の時代、私たちは本当の力や真実を見極めていかないといけません。

 

そして、「ほんとうの力」を求め、自らつくり、広げていかないといけません。

 

ノーベル平和賞に3度ノミネートされたシーラ・エルワージーの著書、「内なる平和が世界を変える」(Pioneering the Possible)の序文にこう書かれています。

 

内なる平和が世界を開ける

 

「世界は危機に瀕している。だから、内的力と外面の行動を結合できる技を持った人たちが必要だ。

 

内的力は、習慣的な内省や瞑想を通して、克己心、自我への鋭い観察力と自制を磨くことから生まれる。…

 

望むような外的変化は内的変化抜きに実現しない。これが現在の進化プロセスなのだが、ほとんどの人がまだそれを理解していない。あなたの自覚の質が、あなたが生み出す結果の質に直接影響する。

 

紛争を変容させ、世界の問題を解決するための創造的イノベーションとエネルギーもそこから作り出される。」

序文 デスモンド・ツツ

 

シーラ・エルワージーは、本の冒頭で「自分の仕事の成果は内的な力の直接的な結果だ」とも言っています。

 

これはどんな意味なのでしょうか?

 

彼女は、13歳の時のショックだった体験を紹介しています。

 

テレビでソ連軍がハンガリー・ブダペストに侵攻して、小さな子どもたちが轢かれるニュースを見たそうです。

 

「ともかくブダペストに行かないといけない」と思った彼女は、スーツケースを出してきてパッキングを始めます。

 

その彼女に対してお母さんは冷静に言うのです。

 

「わかったわ。でもね、あなたはそれに必要なトレーニングを受けてないの。どうしたら受けられるのか一緒に考えましょう」と。

 

その後、彼女は大学へ行き、難民キャンプやアルジェリアの孤児院で働き、紛争やトラウマが人間一人一人に与える影響も身をもって体験します。

 

核政策にかかわる人たち13人に深い深いインタビューを行い、博士号を習得し、アフリカでも働き、結婚し、子どもも授かります。

 

国連のコンサルタントを務め、リサーチにもかかわります。

 

しかし、それでも、彼女が13歳以来求めてきたほんとうに必要な体験もスキルもまだ学べていなかったと言います。

 

その事を痛感したのは、国連ニューヨーク本部で開催された核軍縮に関する特別会議に参加した時でした。

 

第二次世界大戦後、二回目の開催となった核に関する特別会議だけあって、日本など世界中からも多くの人が参加し、それに合わせて何千人もの人がニューヨークのブロードウェイでデモを行ったり、ロビーイングに参加し、会期中にはニューヨークタイムスが核問題について大きな特集も組んだそうです。

 

そうした熱気に触れ、「何かが変わるかも」と期待とともに会議場に戻った彼女が直面したのは、何もなかったように自国の立場を話し続ける各国の担当者と何の具体的な成果も産まずに終わった会議でした。

 

彼女は何が本当の問題だったのか?と、考え続けます。

 

その時、彼女の頭を占拠したのは、

誰がほんとうの「意思決定者」なのか?という疑問と、

ともかく、「意思決定者」に話さないといけない!

という失望の中で受け取った閃き💡のような衝動と、

 

ほんとうに変化をもたらすためには何が必要なのか?という問いでした。

 

まず彼女は、政治家や安保理常任理事国、兵器製造企業経営者や技術者などを議論に含めないといけないと考えました。

 

ちなみに、これは80年代初頭の冷戦まっただ中の話しです。

 

今のように、インターネットがあるわけでもなく、各国の防衛省や外務省の組織図が公開されているわけでもありません。

 

アメリカの担当者はロシアや中国の担当者と顔を会わせたこともないし、

会議が始まる前から彼女は参加者たちの疑いや強い緊張を感じたと言います。

 

彼女は、会議全体を注意深くデザインし準備を進めます。

会場は、英国オックスフォードの郊外にある美しい庭や緑のある場所に決まりました。

 

議題や会場、参加者の選定などを進めると同時に、彼女は、会議のサポートに関わる人にとってのほんとうの「準備」はもう少し別のところにあった、と言います。

 

ほんとうの成果が生まれるためには、それぞれが公式見解をただ一方的にスピーチするのではなく、一人の人間としてオープンに対話ができる場が必要だと彼女は考えました。

 

そのためには、彼らが緊張や不安から解放され、公的な「マスク」を一瞬でもいいから脱げるくらいの「安全な場」をつくることが鍵だと思いました。

 

彼女が会議の運営に関わる人たちと共に進めた準備とは、会議がはじまるとその場で生じるだろう不安や緊張、疑いをその人たちが自分の中で「超えていること」、そしてその状態をホールドできる「内なる強さ」を持つことでした。

 

彼女は、成果を生む場をつくるために、内的な力をマスターしている人たちを5人程呼び、その人達に会議室の真下で1日中瞑想をしてもらい、文字通り会議を下で支えてもらうことにしました。

 

会議中、米国国務省の出席者の一人がシーラのところにやってきて、言います。

「シーラ、この建物は何か特別だ。下から何か湧いてくるように感じる」と。

 

シーラは、会議室の真下の部屋で瞑想をしている人たちがいることを伝えました。

 

「みなさんのランチを配膳してくれた人たちを覚えてますか?

あの人たちが下で瞑想してくれてるの。もしよかったら本人たちに聞いてみて」

 

米国国務省の担当者は、その人たちの笑顔と穏やかさに触れ、驚きと同時に何か腑に落ちた表情で会議室に戻っていったそうです。

 

彼女はこうした対話を続け、こうした場での交流が冷戦化の対立の中で信頼関係を生み、核条約の締結につながったと言われています。

 

彼女が行った対話は非公式という条件で行われたので、当時は一言もメディアに載ることもなく、今になって彼女がずい所で明かすエピソードが示唆に満ちていて面白いのですが、

彼女にはある確信があったそうです。

 

「難しいテーマである程、会議室には言葉にされなくてもすぐに不安や疑い、怒り、フラストレーション、失望が蔓延する。そんな状態では、同じ意見の応酬が続くだけ。」

 

… (中略) …

 

「人は対話を『ソフト』なものと言い、『マッチョー』なものを求める。

でも、本当に生産的な結果を生みたかったら、私たちは怖れを超える内的な強さを持たないといけない。」

 

… (中略) …

 

「逆説的に聞こえるかもしれないけれども、人がマスクを抜いでもろさを出せる時に事が動いた。結果が生まれた。自分がありのままでいられる程、成果を生んだ。」

 

これこそが、彼女がブダペスト以来ずっと求めてきた「トレーニング」(スキル)だったのです。

 

私もニューヨークの国連本部で働いていた時に、やはり各国の担当者が一方的にスピーチするのを聴き続けてとても疲れたことを覚えています。偶然にも軍縮に関する会議でした。

 

「怖れを超えたところからしか本当の力は生まれない。」

 

本当の力とは、怖れや緊張や疑いなどネガティブな面を否定するのはありません。

 

「ありのまま」(being authentic)とは、自分の中の怖れや怒りなどを自覚し、正面からとらえ、愛をもって受け入れることによってそれらを「力」にすることができるのです。

 

彼女のエピソードがつまった動画おすすめです!

 

Scilla Elworthy: Part 1 – The Heart of Peace

Discover the core challenges & opportunities in making peace actually work with Nobel Peace Prize nominee & founder of the Oxford Research Group & Peace Direct.

 

http://globalleadership.tv/video/scilla-elworthy-part-one-the-heart-of-peace/

 

 

 

 

 

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投稿者: blossomjp

80カ国以上もの人達が ー文化も言葉も職歴も違う人達が ー アフリカの僻地で出会い、突然「国連軍」として「国連警察」として「国連職員」として仕事を始めることになっった。。。 国連に「出稼ぎ」に来ている人もハーバード卒業の「エリート」もみんな一緒。カオスでにぎやかな現場で80カ国の人たちが一緒に平和を築くためには?!

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