今日は、私ってちょっと考えすぎなタイプかなと思う方、パワハラにあっている人、人生このままでいいんだろうか?という問いがよぎり始めた方にオススメしたいことがあります。
「絵本を読むこと」です。
この数日、姪っ子と一図書館へ行って一緒に絵本を読む機会があったのですが、絵本には、人間社会の普遍的なテーマを物語形式で伝えてくれ、かつ、疑似体験させてくれる本質的な力があることを実感しました。
絵本というとかわいい絵があってハッピーエンドで終わるものというイメージを持つ人がいるかも知れませんが、実はけっこう残虐だったり、人が死んだりと「喜怒哀楽」と「ストーリー性」がはっきりしているものが多くあります。
一見子供向きの形をとりながら、大人向けの聞き心地のいいことだけが書かれた本よりも、むしろ絵本の方が、人間社会のより本質的なテーマをまっ正面から教えてくれます。
善と悪、共生と対立、生と死、生きる意味、勇気、幸福、人間愛などです。
例えば、絵本の中でも有名なものに、「スーホの白い馬」があります。教科書にも載せられていますし、皇室の美智子さまも好きな絵本として挙げられています。
ただ、内容としては、ハッピーエンドどころか、権力者の不条理な対応に打ちのめされる羊飼いの悲しいせつないストーリーです。
設定は、モンゴルの草原で馬を育てる羊飼いですが、
そこには、「人間」と「権力」という普遍的なテーマが描かれています。
そもそも、人間が生きるところには、部族の集まりがあって、部族長だのなんらかの「制度」が生まれた。部族の知恵が伝承される集団もあれば、王政をつくった社会もあり。。。
圧倒的な力の差が存在する時、人はどうするのか?
人は「性善説」か「性悪説」か?
そもそも私たちが生きる社会には、わからないこと、不条理なこと、人間の弱さゆえに、善と悪の視点だけでは片付けることのできない問題がたくさんあります。
人間は弱く、どんな時代にも大人社会での「いじめ」もなんらかの形で存在しました。
人生で起きることも体験することも決していいことばかりではありません。
怒り、嫉妬、もどかしさ、悔しさ、無念さ、理不尽さ、などなど。。。
だからこそ、読み手は主人公とともに、さまざまな「喜怒哀楽」を感じながら、それを自分自身に投影させて、それを乗り越える快感を体験していくことができるのです。
時に、悲しいお話しに涙したり、時に怒ったり、不条理な出来事にやりきれない思いを感じたり、そんな自分の内面が揺れ動くことや「感情」というものを知りながら、かつ上手に好きあう術を学んでいくのです。時には自分の中の感情そのもののが「浄化」されることもあるでしょう。
本を読むことは、「実生活の『シミュレーション』である」、と言っているのは、子供の能力を伸ばす学習で有名な高濱正伸さんです。
私自身も数年前に「スーホの白い馬」を読んだ時には、涙がポロポロと溢れ出てきてびっくりしました。
この本を読んで泣いてしまう人はけっこう多いようです。
会社や組織での「理不尽な」対応ややり方がいいとは言いません。
ただ、絵本を読んでいると、人間の社会に「理不尽さ」はつきもの、とさえ感じられてくるのです。
昨日からお休みという方も多いかも知れません。
お休みでない方も組織で働く方ならのんびりモードな時期ですよね。
そんな時間がある時だからこそ、ぜひこの夏休みには、少し視点を広げて、ぜひ絵本に浸る時間を自分に贈ってあげてください。