パワハラは何が本当の問題なのでしょうか?
私は初めての国連での赴任地東ティモールで、「パワハラ」・「セクハラ」に遭遇しました。
相手はパキスタンの出身の男性で、女性のスタッフには一切挨拶もせず、「女性に仕事はできない」と言い放つ人でした。
女性と男性は別々に食事をするような国ですから、もしかしたら、女性と仕事をしたことがないのかも知れません。(ちなみに、ノーベル平和賞を受賞したマララさんもパキスタンの出身です。)とは言え、平然と女性だけを無視したりする訳ですから、こちらも心穏やかではありません。
他の同僚の助けてもらいながら、自分がやるべきことは淡々とやりましたが、電気もお湯もないような任地で、国連の1年目分からないことだらけだったので、大きなストレスと精神的な負担になったのは言うまでもありません。
国連で働き始めてすぐに起こったことだったので、国連という組織のことも、国連での職場での人間関係についてもよく分からなかったのですが、そのうち、自分が「そのような扱い」を受け続ける必要はない、と思うようになりました。
我慢し続けるのも限界になり、上に訴え、彼は別の地域へ再配属されました。
数ヶ月の苦痛から解放され、ホッとしたのですが、「『この事件』は私にとっていったい何だったんだろう?」という「宿題」が私の中に残ったような気がしました。
その3年後、私は国連ニューヨーク本部へ移り、仲裁の研修を受けた時に、国連の職場で上司との関係や仕事の評価に関する異議申し立てが多いことを知り、再びそのことを思い出しました。
全世界で働く国連職員の数はおよそ8万人(secretariatとPKOミッションで働く職員)。
その8万人から、一年間の間で、国連のオンブズマンオフィスに約9,000件も仲裁(第三者を交えて話し合いを持つこと)の要請があるそうです(2012年度)。
相談内容については、圧倒的に多いのが、職場での仕事の評価について、契約体系(更新)、上司との関係についてだそうです。
国連という組織は、基本的には自動更新も自動昇進もない自己志願制の契約体系で成り立っていますから、評価や契約は大きな問題になりえるという事情はあります。
とはいえ、この数字は「氷山の一角」なのでしょう。
国連では、国連の職員が「職場での対立に建設的に対処する能力を身につける」ためのいろいろな研修が行われていて、私もそうした研修に参加したことがあります。
そして、部屋の中に、ありとあらゆる肌の色の人達がいるのを見た時に、「ああ、悩んでいたのは私だけじゃないんだ。」
そして、「意見の違いや対立に対処する方法を最初から分かっている人はいなくて、誰もが学んでいくものなんだ」、とある意味ホッとしたのを覚えています。
その後、私は部下を持つようになり、南スーダンでは多国籍チームのリーダーを務めるようになりました。上司になって新たに見えたこともありました。
今度はカウンセラーになって新しく見えることもあります。
「パワハラ」では、人間関係のくせやこれまでの「課題」が「噴出」して現れることがあります。
新しいステージへ上がるために、自分の課題や生き方を見直すのは大切なことです。
いずれにせよ、はっきり言えるのはどんなケースであれ、「その先」がある、ということです。
何が本当の課題なのか?
何を学ぶ機会なのか?
自分はどうしたいのか?
まずは、今の自分の状態や体験を落ち着いて整理することが大切です。
今の自分の状況を整理して、ではどうしたらいいかを考えられるように、自分の体験と相談を受ける中で気づいたことを質問形式にまとめました。
なぜ質問形式なのかと言うと、人それぞれ性格も違うし、会社や上司の状況とかいろんなことが違うので、「こうしましょう」という決まった一つの答えはないからです。
今の自分の状態や体験が整理でき、理解できると、自分の奥からほんとうの力が湧いてきます。
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少しでもお役に立てましたら幸いです。