私たちの中には何かについて考えるときに、それが難しい問題であるほど、一生懸命に苦労して考えなければ答えが出ないという思い込みがあります。
ただ、なんらかの課題に対して答えを出す時、必ずしも苦労して汗の滲むような努力をして考えないと答えが出ない、訳ではありません。
これは思い込みです。
なぜなら、問いと答えは同時に浮かぶ、と言われているからです。
その問いが浮かぶ時点で、その答えも同時に認識していると言われているからです。
問いと答えは同じ次元に存在しているという訳です。
私たちが考えることを止めてしまう理由の一つに、一生懸命に苦労をして、または何かを我慢しないと何かを成し遂げられない、という思い込みがあるように思います。
なにしろ、私も、苦労して一生懸命やってこそ何かを成し遂げられると思っていました。
それで自分が結果を出してきたので、それを疑ったことはありませんでした。
自分が講師を務める講義の準備をするのに何十時間もかけていました。
そんなことをしばらく続けて、ヘトヘトになったときに、これって本当に必要なんだろうか、と思いました。
そして気づきました。
一生懸命に時間をかけた割には本当に必要とされていた部分はその2割くらいだったということ。
そして、一生懸命時間をかけることこそが成功であるという過去の成功パターンが自分に染み付いている、ことでした。
一生懸命に努力をすれば、結果がでると信じて自分を安心させたかったというのが深層でした。
一生懸命何かに向けて努力をしている時、私たちは「自分が何かをしている」ことである種の安心感を覚えます。
ただ、これは一種の「思考停止状態」です。
もちろん準備も努力は必要ですが、私たちに時間が有り余っているわけでもありません。
なので、本当に必要なことをやる必要があります。
そして、その本当に必要なことのためのヒントや答えをもっと簡単にわかっていいんじゃないか、と思いました。
そんなことに気がついた時に、私は過去の自分の成功パターンではなく、もっと簡単で新しいやり方にオープンになってみようと思いました。
そう思ったら、答えがひらめくようになりました。
答えというのは我慢というよりは、リラックスしている状態のときにもたらされやすいのです。
一生懸命に考えた後で、シャワーを浴びてる時や、散歩をしていたらふと答えが浮かぶということがありますよね。
必ずしも苦労して汗の滲むような努力をして考えないと答えが出ない、というのは私の中の思い込みだったんだなと思いました。
「そんなすぐにわかったら苦労しないよ。」という声が聞こえてきそうです。
でも、苦労しないとわからない、という考え方自体が私たちがもっと簡単にやることを止めてしまっているのです。
もちろん、努力は必要です。
考え抜くことも必要です。
でも、誰がしかめっ面をして机にへばりついてしなければならないと言ったのでしょうか?
もっと簡単にやってもいいのです。
今すぐに答えが浮かんでもいいのです!
でも、楽にリラックスして答えが「わかる」こともできます。