なぜ何十年も破られなかった「10秒の壁」を一人の陸上選手が超えると次々と記録が更新されていくのでしょうか?
1983年に陸上のカールルイス選手が100メートル走で「10秒の壁」を破った時に、彼は超人と言われました。ただ、何十年も人類が超えられなかった「10秒の壁」を一人が超えると、人間の身体能力自体はそれほど変わっていないはずなのに、その数年内で9秒台で走る人が続出しました。
「できる」ことが当たり前になってくるからです。
この10秒越え現象は、このような現象とも原理を同じくしています。
ー何万もの蛍が一斉に発光を始める。
ー一緒にいる女性の生理の周期が似通ってくる。
ー象の群れは歩くリズムが同じである。
一つの鍵は同期現象(synchronization)と呼ばれるものです。
同期現象とは、「一つ一つはバラバラに動いているのに、全体がなぜか揃ってしまう」現象のことです。
その科学的な詳細についてはハーバード大学のサイト(https://sciencedemonstrations.fas.harvard.edu/presentations/synchronization-metronomes)に譲りたいと思いますが、論より証拠。
最初はバラバラだった32個のメトロームが合っていくこちらの動画を見てみましょう。2分~3分まではぜひ見ていただきたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=5v5eBf2KwF8
最初はバラバラだった32個のメトロームが一斉に揃っていきます。
この一糸乱れぬリズムすごいですよね!
さて、このメトロームの実験は私たちの日常にどう関係するでしょうか?
まず、自分が身を置く環境はとても大事だということです。
そして、自分の針がどのような方向に向きを向けている方向に気づいていることがとても大事だということです。
例えば、なんとなくネットサーフィンを続けていると、針が暗いニュースに「同期」されがちです。なぜなら、ネガティブやセンセーショナルなニュースの方が売れるからです。ネット系のニュースはさらにその傾向が強いです。その理由でネット情報やテレビは最低限という人もいます。
とくに、「日本人」は、一斉に針に合わせて突進する性質が強いと言えるので、自分の針の向きを知っていること、整えることが大切です。
こちらの音楽とてもお勧めです。向きが整えられていくのを感じます。
心を震わす演奏に拍手がおき、刑務所なのに人が踊りだす映像は必見です。