世界の若者の61%が起業したいと望んでしている。
世界の若者が仕事に仕事に「意義」を求めている。
理想の職場を一言で表すと「クリエーティビティー」
これは、2015年に国連とアイセック(AIESEC)という国際的な学生団体が世界の若者の声をまとめた「2015 Youth Speak Survey Millennials Insight Report」という報告書の一部です。
この報告書では、世界100カ国、18-25歳の42,257人の調査より若者の仕事観などの本音が紹介されています。
なぜ、若者の声なのかというと、冒頭で挙げたように、全世界的に見ると2025年までには全世界の労働人口の75%は若者たちになるからです。
全世界的な選挙の低投票率化などの現象をとってみても、若者たちの意見は十分に反映されていないんじゃないか?彼らの関心や彼らのニーズを政策は反映しているのか?という問題意識があるからです。
日本では少子化ですし、日本も含めそもそも若者の声が聞かれることはとても少ないように感じるので、若者層とその前の世代がお互いを理解するためにも若者層に注目する意味は大きいと思います。
さて、この若者たちは、スマホやSNSと共に大人になってきた今まで人類が体験したことのない世代です。
この世代では、特に、テクノロジーや情報、働き方、リーダーシップなどに対する共通点があると言われています。
生まれた時から充分にものがある世代、
小さい頃から自分の携帯・スマホがあったデジタルネイティブ、
環境や世界の課題の課題がより身近になったこと、
FacebookやYoutubeなどで個人でも気軽に世界に情報を発信するグローバル世代、
といった特徴なども、世界の若者世代の価値観を共通の方向に導きつつあることがこの数年で明らかになっていきています。
日本では、ゆとり教育とバブル崩壊がこの世代の特徴を述べる時の要因としてよく指摘されますが、それだけではこの世界的な現象を見落としてしまいます。
ところで、日本で言うところの「ゆとり世代」は、欧米では、ミレニアル世代、または、ジェネレーションYと呼ばれます。
スイスの名門MBAプログラムIMDの学長を務めるドミニク・テュルパンが、ミレニアル世代が企業の中心的な働き手となりつつある点について、次のように指摘しています。
今、世界では 次に挙げる三つの大きな変化が起きています。
1、競争環境の変化
2、市場(顧客)の変化
3、働き手の変化
ここで注目しているのは、三つ目の、「働き手の変化」ですが、ベビーブーマー世代 (1946年~64年生まれ)が世界的に引退に近づく一方で、ジェネレーションX (1965年~1980年生まれ)とジェネレーションY (1981年~1994年生まれ)が企業の中心的な働き手となりつつあります。
それぞれの世代によって価値観や転職・働き方に対する意識が変わります。とくに、転職や働き方、テクノロジーに関する点です。
《転職・働き方について》
ベビーブーマー世代:「転職はキャリアを後退させるもの」
ジェネレーションX:「転職を含め自分の可能性を追求するのは当たり前」
ジェネレーションY:「転職するにも起業するのに垣根はない」
《テクノロジーに対するスタンス》
ベビーブーマー世代:「テクノロジーはあんまり得意じゃない。正直面倒。」
ジェネレーションX:「テクノロジーは不可欠」
ジェネレーションY:「テクノロジーは基盤。最新のものが必要」
《リーダーに対するの期待》
ベビーブーマー世代:「『とにかく仕上げろ』と叱咤激励して欲しい」
ジェネレーションX:「『コーチ』として自分の力を引き出し、動機づけて欲しい」
ジェネレーションY:「同じ目的に向かって『パートナー』として共に歩んで欲しい」
《情報へのスタンス》
ベビーブーマー世代:「情報を小出しにすることで自分の権威を守ろう」
ジェネレーションX:「ネットワークを形成し、その中で情報を動かし生かす」
ジェネレーションY:「公私問わず、常につながり、コラボしていく」
「ふたたび世界で勝つためにーグローバルリーダーの条件」(日本経済新聞社)より
では、ミレニアル世代の力を活かすためにその上の世代やリーダーが知っておくこととは何でしょうか?
また、ミレニアム世代自身がより自分らしい働き方をみつけるために知っておくことは何でしょうか?
続く