メダルをとれる選手は足が長い選手、音感がいい選手、技術の高い選手?
「そういうのはなくても大きな問題とは言えないものばかりです。でも、◯◯がなかったら選手は絶対に上手くなりません。」
そう言うのは、8回のオリンピックでメダルをもたらしている奇跡の人、井村雅代シンクロナイズドスイミング女子監督。
井村雅代監督が彼女が選手との向き合い方などを書いた「教える力」という本があります。
選手の育成やコミュニケーションはもちろん、そんな彼女の「リアル体験」と「本物感」が詰まった面白い本ですが、
総監督としてのチャレンジの一つとしてあげられているのがどの選手を最終的に選ぶか、という判断です。
足が長い選手、音感がいい選手、技術の高い選手ーさて誰を選んだらいいのか?
時には、メディアに取り上げられている選手や、地元の応援を受けている選手、長年目をかけてきた選手、もいる。
でも、それでメダルがとれるのか?
スポーツは結果がわかりやすくでます。メダルと4位の差はとても大きい、と言います。
その決断と結果をぜんぶそんな重大な決断の最高責任者は彼女。
でもリオも含めて8回もオリンピックでメダルに日本を導いてきた彼女が基準にしていることとは何か?
彼女いわく「心の才能」。
「足が長い選手、柔軟性が高い選手、魚のように水と一体感をもてる選手、音感がいい選手、、、そういうのは持っているにこしたことはないですが、なくても大きな問題とは言えないものばかりです。
でも、『心の才能』がなかったら選手は絶対に上手くなりません。」
自分ができない時に「私は才能がない」とか、「私は向いていない」とかそんなことは言わないで、「できないのは自分の努力が足りないからだ」と、「だから、もっと努力をしよう」と思えることーこれが、心の才能です。
「私はまだこれができないから、できるまでやろう。」という心の才能があったら、何でもできるようになるんです。」
「みんな、オリンピックでメダルをとる人だったら、何か特別な才能を持っている人たちだろう、と思うかと思いますが、そうではありません。なにがなんでもオリンピックの舞台で最高のパフォーマンスをしてメダルをとりたいーその想いが強い人がオリンピックでメダルをとるのです。」
井村雅代「教える力」より