大舞台での原因不明の発作に苦しんだジョコビッチ選手の「自分を信じる」ということ

さて、「自分の感覚を信じる」ということをお話ししてきましたが、この例で、テニスチャンピオンのノバク・ジョコビッチ選手の体験が面白いのでご紹介したいと思います。

 

ジョコビッチ選手と言えば、2015年、ウィンブルドンや全米オープンなどグランドスラム大会3勝と、3つのグランドスラム大会を制覇。世界ランキング1位に輝き、男子史上3人目となるグランドスラム4大会連続優勝の記録を達成しています。

 

つい先月(2016年11月)のATPワールドツアー・ファイナルズでは、錦織選手が準決勝でジョコビッチと対戦しましたが、「彼(ジョコビッチ)が強すぎました。」とコメントを残すくらい、決勝と準決勝の差は大きいのかなと感じさせるものでした。

 

それだけ見ると、天賦の才能を授けられた天才プレーヤーだろうと思われる方もいるかも知れませんが、たった数年前にはここ一番という舞台で何度も何度も原因不明の症状でコートに倒れ、トイレに駆け込むほどの発作を体験していたことはあまり知られていません。

 

 

その時、彼には、すでにフルサポート体制のチームが組織されていたそうです。

 

 

日々のスケジュールを管理するマネージャー

最高のパフォーマスができるためのストレッチとスポーツマッサージをしてくれる理学療法士

食事内容をみてくれる栄養士

彼の日々の練習内容と動きを見てくれるコーチ

打ち込みなど日々の練習相手を務めてくれるアシスタントコーチ

 

 

練習内容はもちろん食事や飲み物の配分まで、すべての動きを見守る人たちがいて、例えばドリンクもその日の体調に合わせてビタミンやミネラル、電解質の配合が決められていたそうです。

 

そのような体制がすでにあったにも関わず、しかも、何人もの医師の診断を受けたにもかかわらず根本的な解決に至らず、彼の原因不明の症状はしばらく続きます。

 

また、原因不明の「発作」が起き、コート上で突然倒れてしまうのです。

 

しかも、全世界に生中継される大舞台で。

 

全米オープンで、

 

全仏オープンで。。。

 

 

そんなことが続き、対戦相手からもメディアからも「プロとしてあんな調整不足は恥ずかしい」、「どうせまた『例の発作』がでるさ」などと何度も言われたそうです。

 

その時の彼の練習量は、ジョコビッチ選手いわく、

 

「人間が起きている間にできる「ほぼベスト」の「限界に近い」メニューだった」そうです。

 

 

ヨガ、太極拳、ストレッチ

毎朝1時間半の打ち込み

ストレッチ

スポーツマッサージ

特製ドリンクとランチ

ウェイト・トレーニング

ストレッチ

90分の打ち込み(サーブとリターンの精度を高める)

ストレッチ

スポーツマッサージ

読書

瞑想

などなど

 

 

毎日そんな厳しい練習を続けながら、本番で倒れてしまう悔しい思いをし続けたジョコビッチ選手は、「藁をつかむような思いで」少しでも役に立ちようなものはなんでも試します。

 

その結果、練習にはヨガや太極拳、瞑想を取り入れることになったそうです。

 

そんな日々が続く中、ある日、地球の反対側でジョコビッチ選手がコートで倒れてた場面をテレビで見ていたというある一人の医師から「あなたの発作の原因がわかった」という連絡をもらいます。

 

 

その博士の診断は「グルテン不耐症」でした。

 

彼はそれを聞いた時思わず叫んだそうです。

 

「先生、待ってください!だって、うちの両親はピザ屋なんですよ!」

 

 

ただ、彼はもうその時すでにどんな可能性でも試してみようという気持ちでした。

 

まずは2週間、新しい食事法を試してみることにします。

 

彼はセルビア出身。彼の周りの欧州出身のアスリートの食事と言えば、大量のパンとパスタにピザが当たり前でした。

 

そんな人たちにとって彼が新しく取り入れた食事法は摩訶不思議。しかも、アスリートならみんな摂るはずのプロテインもとらない。

 

 

「エネルギー足りなくなるぞ」「本当にそんな食事法でいいのか」「あたまが狂ったんじゃないか」などといろんなことを言われたそうです。

 

 

ただ、その効果は、冒頭で紹介した2015年ウィンブルドンや全米オープン等グランドスラム大会3勝、そして4度目の年間世界ランキング1位の「実績」がすでに雄弁に物語っています。

 

 

彼が世界一になるまでの体験と彼が取り入れた食事法が紹介されている『ジョコビッチの生まれ変わる食事~あなたの人生を激変させる14日間プログラム』(三五館)は、今年のベストセラーの一つで、彼の食事法を取り入れているアスリートが増えているそうです。

 

 

同時に、ジョコビッチ選手は、相手が、医師だろうが、栄養士だろうが、新しい食事法だろうが、「誰かの言うことをそのまま盲信してはいけない」と言っています。

 

 

ちなみに、ジョコビッチ選手は、試合中に彼を導く内なる声がある、と言っています。

 

初めて、当時の世界王者マレーを破った試合では、いつもボレーをしないジョコビッチ選手の中で、「そこで前進してボレーを打て!」という声がはっきりと聞こえたのだそうです。

 

ジョコビッチ選手は言います。

 

 

「時には何か新しいことを試してみて、自問して自分自身の答えをみつけなければならないことがある。『これは私に役に立っているのだろうか?』と。

 

…(中略)…

 

もちろん、専門家にアドバイスを求めたり他人に耳を傾けることは大切だ。でも、自分の身体が何を言わんとしているがわかるのは究極のところ自分だけだ。

 

自分に関する権威は自分なのだ。」

 

ノバク・ジョコビッチ

 

投稿者: blossomjp

80カ国以上もの人達が ー文化も言葉も職歴も違う人達が ー アフリカの僻地で出会い、突然「国連軍」として「国連警察」として「国連職員」として仕事を始めることになっった。。。 国連に「出稼ぎ」に来ている人もハーバード卒業の「エリート」もみんな一緒。カオスでにぎやかな現場で80カ国の人たちが一緒に平和を築くためには?!

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