先週は、世界最高峰のオーケストラと言われるウィーンフィルの演奏と世界的指揮者として知られるズービンメーター氏の指揮に触れる機会がありました。
あまりに楽しみで、前日からワクワクして、6時間も前からサントリーホール前をうろうろしてたと言ったら、友人に笑われました(笑)
ズービンメーター氏(ウィーンフィルのニューイヤーコンサート過去最多指揮の一人)の指揮は本当に素晴らしく、彼の演奏に触れた後はしばらく文字通り「恍惚状態」でいました。
「😲『巨匠』ってこういう人のことを言うんだ💡💡💡」
私の中でひらめきのライトが点灯して、そして、どうしても知りたくなりました。
彼はどうやってあの領域に至ることができたのか???
という訳で、彼が登場するインタビュー動画をこの一週間でほぼ聞きました。
そして、この週末は、ジョナサンノット指揮のブラームス一番(東京交響楽団)を聴きに行きました。
これからヨーローパ演奏ツアーに出かけるという彼。ブラームス一番はとても好きなので、チケットは数ヶ月前から予約していたし、演奏は十分に堪能しました。
ですが。。。
なんと言うか、指揮に力が入っていた。
先週のマエストロの指揮は、完全に自分という「器」を通じて音楽を奏でていらしゃったので、まったくそんな力を感じるどころか、すごくリラックスした気持ちになりました。
かえって先週の巨匠の演奏がいかに「格別」だったかがより一層浮き彫りになって、なんだかやけに「納得」して帰路につきました。
巨匠ズービンメーターがどうやってあの領域に至ることができたのかは、まだわかりません。
ただ、彼がインタビューで言ってたことで印象に残ったこと。
「指揮者の仕事とは、偉大な作曲家が残してくれた偉大な音楽をその意図通りに最後の一ミリまで再現することです。そこに『私』が入り込む余地はまったくありません。
その偉大な音楽を少しでも再現できた感じる時、とても謙虚な気持ちになります」と。
フランス人の指揮者シャルル・ミュンシュは、リーダーシップに関する本質を書いた本としても知られる著書「指揮者という仕事」の中で、指揮者の仕事についてこう言っています。
「壇上に立ち、第一拍を振り始める瞬間、あなたには無数のまなざしが向けられ、観客はそれぞれが自分の光と熱をそこから汲み取ろうとする。」
…
「指揮者(conductor)という言葉自体には統率するという意味も含まれていますが、大事なのは、命令を与えるというよりも、自分自身がそれを身振り、態度、そして抗じ難い放射によって、表すことです。
…(中略)…
この瞬間には、音楽の知識はほとんど役に立たない。指揮者に求められるのは、ただ生きること、ハートを脈打たせ、魂をふるわせ、あなたの感情を歌わせることだ。」
そのような音楽に触れると、音楽を聴いているはずなのに、
何かが腑に落ちたり
何かが突然分かったり
洞察やインスピレーションを受け取る
といった体験をしたことがあります。
音楽を通じて表現されるハーモニーがそのようにさせてくれるのでしょうか。
ミュンシュはさらに言います。
「指揮者が楽曲を忠実に再現することによって、聴いている人の思考や感情が指揮者の思考や感情と同時に再創造される。」
まったく個人的な感覚ですが、ベートーベン9番を演奏したズービンメーター指揮から醸し出される音色からは「人類への祝福」すら感じました。
しかも、荘厳なだけでなく、繊細で柔らかくて甘い音色で。。。
音楽を奏でる人は音楽を通じてひらめきを与える。
講師・カウンセラー・コーチは言葉も話すけど、言葉を超えた部分でひらめきを与える。
目指せ 巨匠の世界。