最近、私のところに燃え尽き症候群でカウンセリングに来られる方が増えています。
実際、この数年において、燃えつき症候群(バーンアウト症候群)になる人が増えているようですね。
これから、3回にわたって、燃え尽きの症候群の徴候や対策を一緒に考えていきたいと思います。
燃え尽き症候群になることは恥ずべきことでも珍しいことでもありません。そうした状況で役に立つことを自分自身の体験も含めてまとめてみました。
燃えつき症候群とは?
燃え尽き症候群 (Burnout Syndrome)とは、それまで何かに取り組んで来た人が、過度のストレスに晒されることにより、疲労感や無力感に襲われ、あたかも燃え尽きたかのように気力を失してしまう状態のことを言います。
より具体的には、朝起きられない、意欲が湧かない、イライラが募る、集中力できない、対人関係において引きこもりがちになるなどの兆候がみられます。病気に対する抵抗力も低下するなど、うつ病に至ることもあります。
「バーンアウトシンドローム」は精神心理学者のハーバート・フロイデンバーガーによって用いられた造語で、日本語では「燃え尽き症候群」と呼ばれています。燃え尽き症候群という概念が紹介された当初は、対象者は主に医療や教育、福祉関係者などの対人援助職に従事する人とされてきましたが、現在では、スポーツ選手、ビジネスマン、研究者、エンジニアなど、他のさまざまな職種や業種にも見られるとされています。
燃えつき症候群の徴候
燃え尽き症候群の特徴は、単なる肉体的な疲労だけでなく、文字通り「気力が枯渇したような消耗感」が伴うことで、「長期間、感情的な負担を必要とされる状況に関わることによって生じた身体的、情緒的、精神的な消耗感」とも表現されています。いわば、エネルギーが枯渇した状態です。
では、日常的にはどのような徴候が見られるでしょうか?
- 仕事、職場、同僚に対する不満や批判が募る
ささいなことでイライラしたり、批判的になったり、怒りっぽくなる。今までなら、問題なく適応できたようなことに対応できなかったり、仕事、職場、同僚に対する不満を覚えたり、批判的になる。
- 人間関係が億劫になり、引きこもりがちになる。
こちら側がエネルギーを消耗させている状態であるために、相手のために気を配ったりする余裕がを持てなくなり、人間関係が億劫になってしまい、人とのかかわりを避けるようになり、引きこもりがちになる。
- 無関心・冷めている
今まで関心のあったことや今までの自分が打ち込んでいた現象に対して、無関心になる。
- 先延ばしが多くなる
小さな作業が大きな作業のように感じられ、圧倒される(overwhelming)感じがするために、簡単なメールさえ返信ができなくなるなど、先延ばしが多くなる。
- 集中できない・身が入らない
目の前にやるべき事が沢山あるのは頭で分かっているのに、身体が動かない、仕事に集中できない。ミスが多くなり、仕事の質が下がりがちになる。
- 「行き詰まり」・停滞感を覚える
自己否定しがちになり、仕事に成果があったとしても、その成果を実感できなくなり、「行き詰まり感」を感じる。
- ストレス性の身体症状
朝起きられない、寝ても疲労が抜けずに、全身の倦怠感を覚える。仕事に行きたくないと感じる。頭痛、肩こり、食欲不振、潰瘍などのストレス性胃腸障害がある。体重が減ったり、寝つきが悪い、眠りが浅いなど、睡眠障害等の症状が出ることもあります。
バーンアウトを起こしやすい要因としては、以下の点が挙げられます。