そのような状況が続いてくると、今の仕事は私にとってあまり意味がないのではないか?
報われないんじゃないかと感じ、今まで自分を支えていた仕事への情熱や自信、職業的な誇りが失われていくように感じます。
より根源的なレベルにおいては、燃え尽き症候群の要因は「意味の喪失」です。
人間とは「意味」を求める生き物であり、私たちは、日常で体験することになんらかの意味をみつけることで、日々の生活の中に秩序や安定を感じることができると思うからです。
例えば、人がストレスの大きい環境や仕事に置かれたとしても、耐えようと思うことができるのは、自分が置かれている状況になんらかの意義があると思える時です。
そうした「意義」には、一緒に働く同僚の人たちとの関係を築いたり、自分が関わっている仕事やコミュニティーの成果を実際に目にしたり、感じたり、価値を共有する仲間がいること、そうした人たちとのつながりを持つこと、そうした人たちのコミュニティーに属することも含まれることでしょう。
そうした意味において、自分が体験する状況にもはや意義を見出せなくなる時、私たちは文字通り目的や活力を失ってしまうのです。
燃え尽き症候群の間違った対処法 vs. より効果的な方向性
まず燃え尽き症候群になり始めた人は「まさか自分が」と自分がそのような状態であることを「否定」しがちです。
アルコールやなんらかの中毒的な習慣に陥ることも一時的には気を紛らわすことに役に立つように見えますが、根本的な解決にはなりません。
燃え尽き症候群になることは恥ずべきことでも珍しいことでもありません。そうした状況で役に立つことは、自分が体験している徴候に対してまず自覚を持ち、自分の時間をとり、セルフケアを優先させること、他者との健全な境界線を持つことを学ぶこと、自分がもうどうすることも出来ないと感じた出来事や体験を整理することです。
また、このように感じているのは一人じゃないんだ、こんな風に感じてもいいんだ、こんな経験をしてもおかしくないんだ、と感じたり、体験できるような機会や安全な場があることは、バーンアウトの予防や回復に役に立ちます。
自分はバーンアウトではないかと思ったら
今すぐに出来ること
- 週に最低1日はメールやパソコンに向かわない日を設ける
- パソコンの画面を見ながらランチを取らない(食事を味わい、休憩をとる)
- 深夜や早朝などの時間外の業務に関して、「ノー」と言う。
- 身体を動かす時間をつくる。(エクササイズは身体の緊張を解放します)
- 紙に自分の体験や感じていることをなぐり書く(燃え尽きの無感覚の下には怒りがあることが多いので、怒りを解放させましょう)
- 1日を振り返るための日記をつける(1日5分でもいいので、1日の最後に心を落ち着ける時間を持つ)
- 自分の感情に意識を向けること。
- 瞑想やマインドフルネスの練習など心を落ち着かせる時間を持つ。
- 仕事とは関係ない人とおしゃべりをする。
- セルフケアを優先すること。
バーンアウトから回復するために役に立つこと
- 休むこと、自分のために使う時間を優先的に確保すること
- 自分にバーンアウト症候群の兆候があることを受け入れること
- 自分がいなくてもなんとかなることを受け入れること
- 仕事と全く関係ない時間を持つこと
- 自分に対する自己評価とプロジェクトの成果を区別すること
- 自分が信用できると思う人に聴いてもらうこと
- 自分の体験を吐き出し、感情的な整理をすること
- 必要であればカウンセラーのサポートを求めること
- 援助する側と援助される側との関係性において健全な境界線(boundary)を持つことを学ぶこと
- 自分が出来なかったことではなく、出来たことに目を向けること
- 人生の領域においてバランスを持つことに意識を向けること