ギフテッドであれば、知能も高いので勉強もでき「羨ましい」というのはギフテッドに対して単純な誤解のある見方です。
ギフテッドだけでなく、誰もがそうなように、ギフテッドの子ならではの強みとチャレンジもあります。いわば、「同じコインの表と裏」のような関係です。
ギフテッドの8つの強みに関する「ポジティブな側面」と「上手にお付き合いする側面」を2回に分けて紹介しています。
カナダのAlberta Learning(アルバータラーニング)とAlberta Associations for Bright Children (AABC) アルバータ協会が共同で製作した『ジャーニー: ギフテッドの親のためのハンドブック』(The Journey: A Handbook for Parents of Children Who Are Gifted and Talented)を参照にしています。
① 高い知能 (Advanced Intellectual Achievements)
② 高い言語能力 (Verbal Proficiency)
③ 好奇心が旺盛 ( Curiosity)
④ 創造性 (Creativity)
⑤ エネルギーが高い(High Energy)
⑥ ロジカルシンキング(Logical Thinking)
⑦ 繊細さ(Sensitivity)
⑧ ユーモアのセンス(Sense of Humor)
エネルギーが高い(High Energy)
ポジティブな側面:
・活発である。
・新しい体験をすることに意欲的
・一度にいろんなことができる
上手にお付き合いする側面:
・常に刺激を必要とする。
・動き回る(多動である)。
・頭も体も常に忙しい。
・簡単にフラストレーションを感じ、それを撒き散らす。
・集中するのが難しい時がある。
・寝付くのが難しく、寝ないのではないかと見える。
激しさ (Intensity)
ポジティブな側面:
・ゴールを設定し、それを達成するために努力する
・収集する
・他の子達よりも自分の興味をさらに追求したり、問題を解決しようとしたり、課題に対する答えをみつようとしたり、ゴールを目指す
・観察する
・粘り強い
上手にお付き合いする側面:
・頑固になる。
・視野が狭くなる。
・家族や学校での責任を忘れる。
・興味のないことに対して集中できない。
・身体能力が知的能力にマッチしないと感じるとフラストレーションを覚える。
ロジカルシンンキング (Logical Thinking)
ポジティブな側面:
・数を数えたり、計量したり、測ったり、カテゴリーを整理することを楽しむ。
・地図や地球儀、チャート、カレンダーや時計が好き。
・自分の周りの環境が整理されていることを好む。
・起こった出来事に対して論理的で合理的な説明をする。
・どんなテーマに対しても、パワフルで説得力のある論点を見つける。
・規則やルールに対して理由を知りたがる。
上手にお付き合いする側面:
・相手を自分の都合のいいようにする。
・ソーシャルスキルを得る上で助けが要る場合がある。
・どんな事に対しても説明を求める。
・論理的でないを思う事に対して意義を申し立てる。
繊細さ(Sensitivity)
ポジティブな側面:
・年齢が小さい時から周りの大人の気持ちや考え、経験に対して敏感に気づき理解している。
・他人の感情に対して敏感であり、他の人たちが気づかない点に気づく。
・動物に対して強いつながりを感じる。
・苦しみや暴力について質問をする。
・写真やアート、音楽に敏感に反応する。
・アートを通じて自分の感情を表現する。
上手にお付き合いする側面:
・体験を個人的にとらえる傾向がある。
・自分には対応できないのではないかと心配する。
・こわい、不安、悲しい、落ち込むといっ体験をする
・批判されたり拒否されたりする体験を中々処理できない。
・他の人の強い感情によって自分も影響を受ける。
・簡単に泣いたり興奮する。
・食べるものや着るものにこだわる。
ユーモアのセンスがある (Sense of Humor)
ポジティブな側面:
・同じ言葉でいろいろな意味を持つ謎かけやなぞなぞをつくる。
・ダジャレをつくる。
上手にお付き合いする側面:
・クラスの中で道化師のような存在になる。
・クラスを乱す行動をとる。
・自分のジョークやダジャレが理解されないとフレストレーションを感じる。
・ダジャレやいたずらで周りを困らせる。
・他の子供達のユーモアのセンスが分からない。
あくまで一般論であって、ギフテッドの子に全てが当てはまる訳でもありません。当てはまらないからギフテッドではないという訳でもありません。
本人にとって役に立たない気質や習慣は親や大人が上手にサポートしつつ、「ポジティブな面」に注目し、長い目でやさしく「強み」を育んでいただく参考になりましたら幸いです。
ギフテッドコーチング
ギフテッドの人たちにとって大きな悩みの一つは誰にも理解されない孤独感です。「こんな私はおかしいんじゃないか?」と一人悩む方も多いのです。ギフテッドの人にとって、自分と知的レベルが同じ人と一緒に過ごしたり、理解し合える存在がいることは大きな心の支えになることが知られています。
自身もギフテッドの大仲千華が自分の体験をもとに丁寧に向き合います。国連での勤務より帰国後、心理学やスピリチュアリティー学び始める中で、自身もギフテッドであり、相談に来る人たちも姪っ子もギフテッドであることに気づき、ギフテッドに向けた情報発信とコーチングを始める。
誰もがありのままで認められ、その人の持つ強みや才能を活かすお手伝いをしたい!私がコーチングを始めた理由です。⇨ギフテッドコーチングはこちら
《大仲千華プロフィール》
英国オックスフォード大学大学院より奨学金(New Century Scholar)を授与され大学院を修了(社会人類学)。ニューヨーク国連本部、南スーダン、東ティモールなど国連活動の最前線において、元兵士の社会復帰支援などの平和支援に10年従事。多国籍チームのリーダーを務める。国連退職後は、国連特使にスカウトされ、米国政府(米海軍大学院)付けの専門家として、世界の閣僚経験者も講師を務める世界的なプログラムにて講師を勤める。
帰国後、PTSDから燃え尽とうつになり、何もやる気がしない・朝起きれない・働けなくなる。自分の「弱さ」やシャドー受け入れ、統合していくことを学び、数年を経て、うつを乗り越えた時に、直感能力とヒーリング能力が飛躍的に開花する。
クーリエジャポンで「答えを求めない勇気」連載中⇨https://courrier.jp/columns/58542/