内向型の大きな強みとして「繊細さ」があります。
「繊細さ」が強み?と思われた方もいるかも知れません。
私が内向型に興味を持ったきっかけは、ギフテッドの子達は圧倒的に内向型の割合が高いという指摘でした。
ギフテッド(gifted)とは、勉学や芸術などある分野で秀でた才能を持っているとされる子供、または大人のことを言います。
(全人口の10パーセント位はギフテッドじゃないかという指摘もあります)。
アメリカではギフテッド教育(gifted education)という、彼らの才能を伸ばすためのカリキュラムが組まれ、そうした教育や研究がこの10数年の間に急に進んでいるようです。
ギフテッドの子達には、好奇心が旺盛、深く追求するのを好む、感情の幅が激しい、繊細である、等。。。の特徴がありますが(ギフテッドの特徴についてはこちら)、その研究で私の目をひいたのは、この記述でした。
「ギフテッドの子達は感情の起伏が激しい傾向があるが、
感情的な深みこそが、
ギフテッドの子達の才能の源泉であり、
感情の幅や深みと知性は相関関係が高い」、
という見解でした。
(これがギフテッドの子達だけに当てはまるのか、一般的にも当てはまるのかは分かりません。)
さらには、
特にギフテッドの子たちにとって、そして、内向型にも当てはまるのではないか、と思うのは、
感情こそが、学びたい、成長したい、と思わせる源泉であり、才能を発揮したい、望むことを達成したいと外に向かって自分を突き動かす源泉そのものである、という指摘でした。
繊細さは弱さではなく、強みであるという訳です。
確かに、人間をロボットではなくて人間たらしめているのは感情。
仮に、目の前で誰かがガス室に送られそうになっていても私たちが何も感じなかったら、人類はとっくに破滅してます。
例えば、
「苦労した自分のような体験を他の人にはして欲しくない」
「困っている人の助けになりたい」
のような内なる「感情」こそが、
特に内向型やギフテッドなタイプの人を突き動かす大きな原動力となるという訳です。
ただ、教育現場しかり、ビジネス界しかり、まだまだロジカルなアプローチが重視される環境では、感情は排除されるべきものとして捉えられています。
なので、ギフテッドだったり、繊細なタイプの人は、なんか自分はおかしいのではないかと思ってしまいがちです。
(そういう子供に対して、「あなたは繊細過ぎる」というのは逆効果だそうです。繊細なお子さんとの接し方に関しては後日お伝えしたいと思います。)
かくいう私も、似たような体験があります。
南スーダンで再び紛争が起きたと聞いて、何万キロも離れた場所での出来事について自分でも信じられないくらい落ち込んだ時です。
こんな繊細な自分はおかしいんじゃないか?。。。と。
今だったら、そういう事があっても、
「そうね、さすがに4年も働いた所だから、友人もいるしショックだけど、だからといって自分までそこまで落ち込まなくてもいいよねー。」という健全な境界を保ちながら、そんな繊細さを才能として受け入れることができます。
例えば、私の繊細さは「分析力」「判断力」「安全管理能力」として、紛争解決の最前線で大きな武器となってくれました。
政情が不安で、この先数ヶ月どうなるのか分からないという状況で、
いろんな人に会って情報収集をして、あり得るシナリオなどを考えながら、どうしたらいいかを決定していきます。
私の「鋭敏なアンテナ」が、相手が伝える1の情報から
その何十倍もの情報を読み取ってくれるのか、
同じ国にいながら、同じ街にいながら、同じ人に会いながら、同じ情報を耳にしながら、
私の分析なりが全体像を掴んでいた、先を見越していた、ということはよくありました。
言葉で伝わるのは15%にも満たないとはいいますが、
芸術や音楽、
デザインなどクリエイティブな分野はもちろん、
例えば、
初めて会う人との関係構築の中で、
全く新しい環境 (組織や街や国など) に慣れるために、
お互いに母国語ではない言語で話している時、
など「繊細さ」が役に立つ場面はけっこう多いのではと思います。
ガンジーもビルゲイツも内向型だった!: 内向型人間の持つ強み (6)に続く
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ギフテッドの子ども、若者・大人の強みや才能を引き出すために、自身もギフテッドである大仲千華が丁寧に向き合います。