人口の半分から三分の一は内向的 (introvert)なタイプだそうです。
国際機関で働いていた時、組織の理念には共感するけれども、我先に自己主張をしたり、声が強い方がいい、みたいな風潮に違和感を感じていました。
そういう類の自己主張ではない自己主張もあるんじゃないか?
内向型人間だからこそ発揮できる能力や社会的役割があるのではないか?と感じていました。
アメリカでミリオンセラーになった ’Quiet ‒ The Power of Inroverts in a World That Can’t Stop Talking’ 邦題「 内向型人間の時代、社会 を変える静かな人の力」の著者であるスーザンケインは、内向型の人の強みについてこう言っています。
内向的な人は、
洞察力があり、
感性豊かで 、
創造性が高く、
繊細さがあり、
集中力、
忍耐力、
持続力が抜群で、
今の社会に大切な才能と能力を持ちあわせている、と。
そして、
芯が強い、
聞き上手である、
周りに流されない、
思慮深い、
芸術分野で成功するのは内向型の人が多い、
自分の興味のある分野に関してものすごい集中力を発揮する、
富や名声などの誘惑に惹かれることは比較的少ない、
聞き上手である、
とも言っています。
スーザンは、ウォーレン・バフェットを始め、経済危機でも成果を上げ続けたのは、世間の多数意見や社会のプレッシャーから距離をおいて、自分の判断基準を持っていた内向型の人たちだったと彼女の分析を披露しています。
そして、個人的に興味を惹かれたのは、「聞き上手でメンバーの能力を引き出す」という内向型の強みです。
これを読んでなるほどと思ったのは、
内戦をしてきた国の軍人たちが、なぜ私に悩みを打ち明けてくるのか、という私の中の「謎」でした。
彼らは内戦を体験した国の軍人です。
それなのに、私が講師を務めた研修で、一人一人ぽつぽつと私のところにやってきて、こう言い出すのです。
「長年軍隊にいて葛藤があったけど、『人間』らしくあることを自分に求めていいんだって思った。」
「実は、軍隊をやめようと思っていて。。。」
(ええっ?!この研修そういう研修だったっけ?汗)
「国に戻ったらこんなこと言えないけど、僕はずっと『反政府勢力』ともっと対話をするべきだって思ってたんだ。」
「僕は2回目のイラク派遣で、ようやく『敵』も人間だって気づいた。僕たちは敵だって人間として扱うべきなんだ。」などと。
あるレセプションでは、米軍の将軍(General)の一人が、実はこんなこともあってね。。。と、彼の中の深い体験を語りだしたこともありました。彼は米軍のアジア・大平洋司令部の最高司令官の一人でした。
当の本人は、「へ?!、わたし何かそんなこと言ったっけ?」と、当初は、正直私自身が驚いたものでした。
今、思えば「聞き上手さ」ということが自然に発揮されていたんだ思います。
ただ、本来は内向型の私が自分ではないスタイルで自己主張をしたり、無理に外向型にふるまったとしたら、そのような体験はしなかったかもしれません。
そもそも私自身が、外向的に振舞わなければいけない、とも、自己主張をしなければいけないとも思っていないので、誰の中にもある内向型の部分、というか、深い部分を見せてもいいと安心したのかも知れません。
そして、本では特に触れられていないけれど、内向型の大きな強みとして「答えのない状態をホールドできる力」も大きいのではないかと思います。
それを実感したある出来事がありました。。。
ガンジーもビルゲイツも内向型だった!: 内向型人間の持つ強み (3) に続く
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