勉強に得意・不得意、認知や才能に凹凸がある子たちがいます。
ある分野での能力は高いのだけど必ずしも全体的に成績がいいわけでもなく、IQが高いと判定されるわけでもないというケースです*。
なので、英才児とも分けられ、天才児という訳もしっくりこないし、逆に学習障害を指摘される場合もあるそうです。
だとすると、認知や才能に凹凸がある子たちの強みってなあに?
認知の凹凸ってどういうこと?
という疑問がわきます。
同時に言われているのは、得意・不得意の差が大きい、認知の凸凹がある、才能の峰と谷がある子たちこそ、創造性が高いのではないか?という指摘です。
では創造性っていったい何でしょう?
創造的な人たちは日常生活の中でさまざまな発想やアイデアを思い浮かぶ傾向があるそうです。
例えば、
ー多くのアイデアを短時間に思いつく力
ー新しいことばや概念を生み出す能力
ー今まで無関係だと考えられていたものを結びつける能力
といった特徴です。
新しい発想やアイデアを得ている状態は、外から見ればもの思いにふけっているような感じですが、当の本人は、さまざまな着想が浮かんでは消え、ぼんやりとしたものが形を持ちはじめ、徐々に全体像を見渡せるようになるような体験をしている可能性もあります。
一旦全体像をつかんだら、
それを表現する作業に入り、
ある場合には文学や芸術作品として、
音楽として、
ダンスとして、
論文や科学的な理論として、
建築物として、
プロジェクトとして表現されます。
その形になったものが私たちの目や耳に触れることになります。
学校の作文かもしれないし、ブログの記事かもしれないし、大きな舞台での発表かも知れないけれども、
創造性はそれに触れる人の共感や感動を生み、私たちにひらめきや直観を与えてくれるようなものです。
知能検査(IQ)をデザインしたアメリカの心理学者ターマンによる創造性に関する研究というのがあります。
知性(IQ)が非常に高い子ども達を抽出し、その757名を成人後までフォローアップするという研究でした。
この研究の一つのポイントは、IQが高いことと創造性は関係あるか?という点だったのですが、結論から言うと、知性と創造性は別物で、知能が高いことと創造性は直結しないという結論になりました。
創造性に関しては、知的能力(IQ)は必ずしも高くないけれども、ギフテッドを含め、どちらかというと認知に凹凸がある子たちの中が高い傾向があると指摘されています*。
なぜそうなのかについてはあまり説明がないのですが、
その人がどのように世界(目の前の事象)を見たりどのように認識・理解するか(認知)ー聴覚、視覚、空間認知などーその人の特性を活かせれば、認知の差や違いこそが、新しい見方=創造性として活かされやすいからでは?と推測します。
人が創造性を働かせている時の状態を脳科学的に見ると、皮質下の連合野という部位が活発に活動している状態で、連合野とは、脳の各部位や情報をつなぐ領域で、まさに無関係だと思われたものをつなぎ合わせる働きを担う所だそうです。
面白いのは、この連合野という部分は、20代になっても成長を続け、最後に完成する脳の領域だそうです。
ピカソなど晩年まで多くの作品を残した人が多いように、私たちには生涯にわたって (こそ?) 創造性を発揮できる能力が備わっているそうです。
ギフテッドや才能やの認知の凸凹のある子たち・人たちの存在ーある意味凹凸があるからこそ、差があるからこそ、それをどう活かすかを考えることになるーそんな視点を教えてくれているように感じました。
*IQは、5つの下位検査の評価点を足したスコアから割り出されているので、飛び抜けた一つの才能があったとしても評価されない場合が多い、と指摘されています。
参考文献:杉山登志郎・岡南・小倉正義「『「ギフテッド』天才の育て方」学研
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
ギフテッドの子ども、若者・大人の可能性を引き出すために、自身もギフテッドである大仲千華が自分の体験を基に丁寧に向き合います。
ギフテッドによるギフテッドのためのギフテッドコーチングについてはこちら
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
写真 ガウディー建築