強みを伸ばすor 弱みを克服するーどちらが才能を開く?
ギフテッドの子たち自身、または親ごさんに勉強は得意ですか?という質問をしたとすると「いいえ」と答えるケースが多いのではないかなと想像します。
なぜなら、ギフテッドの子たちは好き・嫌いがはっきりしている傾向があるために、全部の教科で器用に成績がいいというよりも、得意・不得意の差が大きいことも多いからです。なので、本人も親もどちらかというと、勉強は得意じゃないと思っている場合が多いのではないかなと思います。
私の場合は、数学と古典がどうしても苦手で、この科目が出来ないことにコンプレックスを持っていました。
自分が勉強が得意だとも思っていませんでした。
その理由の一つとして、教育システムをはじめ、私たちは強みよりも弱みを克服しようとする傾向の方が強い、という事も関係しているかも知れません。
ギャラップ社の調査によると、
子供を持つ親を対象に行われた調査で、
「国語A、社会A、理科C、算数Fという成績を子供が持って帰ってきたとしたら、子供と成績を話し合う時にどの教科に最も時間を割きますか?」という質問に対して(Aが成績が高くてFが成績が低い)、
世界平均で77%の親が算数と答え、国語のAが6%、社会のAは1%だったそうです。
そして、日本人は世界の中でも弱みを克服しようとする傾向が強いらしいのです。
強みを知ることと弱みを知ることどちらがあなたを成長させると思いますか?という質問に対しては、
アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、中国、日本などの回答の中で、
アメリカでは41%が「成功への鍵は強みにある」と答えているのに対し、
同じように答えたのは日本と中国でわずか24%だったそうです。
ただ、55歳以上になると、世界共通で強みを伸ばす方がいいとの回答が挙がるそうで、直らない自分の弱みを隠そうとするよりは受け入れる方がいいと思うようになるからではないか、と指摘されています。
似たような例で、
うつ病に関する研究は4万件以上あるけれども、幸せや達成感に関する研究はわずか40件だという数字もあります*。
上手くいってないことにはすぐに目がいくけれども、上手くいっているところは「当たり前」だと思っていてなかなか気づかないー
そんなことは沢山ありそうだと自分自身のことを思っても思わず頷いてしまいます。
弱みを補う努力も必要だけれども、強みの部分、秀でているところ、上手くいっている部分に対してもっと目を向けてもいいなあと思いました。
*「さあ、自分の才能に目覚めよう」マーカスバッキンガム、 日本経済新聞出版社参照。