さて、大学院の通知とインターンの結果を待ちながら最後の学期の試験とレポートの季節がやってきました。
以外なところから「最後の関門」がやってきました。
15年も飼っていた愛犬が、急に体調を崩しはじめ、動物病院の先生から「もう先は長くないかも知れない」と言われたのです。「犬」だけれども、15年も一緒にいた家族の一員。ショックで心配で全くレポートが進みません。
最後のレポートを提出しないといけない、それでないと卒業できないというまさにそういうタイミングで、側で見守る中亡くなりました。。。(涙)
一晩中泣きはらし、信じてもらえるか分からないけれども、先生に直接会って説明するしかないと思い、泣きはらした顔のまま締め切りに遅れた訳を説明しました。幸い先生は何も言わずにレポートを受理してくれました。
理想を言えば、最後はもう少しいい成績で終えたかったけれども、無事に最後の提出物を終えることができてホッとしたのでした。
そして、朗報とは突然やってくるようです。
受け入れ先として興味を持ってくださったドイツの企業の社長さんが日本に出張に来るので面接がてら会いたいとの連絡を受けました。きさくにおしゃべりが進み、ぜひお越しくださいとのこと。採用です!
そして、大学院からも合格通知が届きました!
なんと「奨学金の受給候補者になったので、数日中に面接を受けてください」との予想外の嬉しいニュース付きで。
全く予想外の展開でした。
なんで人類学を勉強したいのですか?
なんでオックスフォードで勉強したいのですか?
卒業後は何をしたいのですか?
就職活動の面接も無駄じゃなかったかも知れません。
今度はスムーズに応えることができました。
結果は合格。
あまり知られていませんが、外国人にとっては、オックスフォードは大学院に入る方が門戸が広くなります。世界的な大学として、多くの国からの学生が集まることを一つの大きなアピールポイントとしているため、奨学金を出して各国から留学生を集めるためです。ちなみに、2006年度で138カ国から学生が集まり、大学院では63%が外国人留学生です。
さっそくイギリス人の先生に報告をしました。とても喜んでくれました。
それ以来、似たような立場の人に会ったら私も肩を押してあげられるようになろうと思えるのはこの時の体験があったからです。
そして、ようやく両親に報告できました。今なら分かります。
親は子どもには苦労して欲しくないーだから安全や安定を優先するもの。
自分たちの体験や想像を超えたことは単純に分からないこと。
そして、ある意味「通過儀礼」だったと。
反対することを通じて、親はあなたはどれだけ本気なの?と私にチャレンジを課すという意味で応援してくれていたこと。
私はこの体験を通して、
仕事の場や機会は日本だけを見ていたら「ない」ように見える時でも、
日本の当たり前は世界では必ずしも当たり前ではないこと、
世界に目を拡げたら全く違う大きな機会が目の前に開けること
そして、
信じれば道は拓けることを体験したのでした。
あなたの努力が報われるときがきっと来ると信じています。
海外に行きたいのに親に反対されたら(了)