安全対策(情勢分析)でのリスク分析のフレームワーク(考え方)の一つを紹介しました。
リスクレベルを、脅威(threat)× 脆弱性(vulnerability)と捉える考え方です。
例えば、外務省発行の安全対策ブックレットにも、その社会での「脅威」について知りましょう、とあってもどう脅威を判断し評価すればいいのかは書いてありません。
この考え方は、ありうる脅威を把握すると同時にこちらの安全面での弱い部分=脆弱性(vulnerability)を下げること =予防出来る面を増やすことでリスクを下げることができるというものでした。
今回はリスクを単に軽減するという視点だけでなく、先を見越してより積極的に安全に投資をするこという視点を取り上げたいと思います。
リスクレベル= 脅威(threat)× 脆弱性(vulnerability)× 強み(strengths)です。
例えば、米軍や国連の平和維持活動でも自身の身の安全を守ることに対して数々の対策や研修が行なわれていますが、
その内の考え方の一つにPosture(姿勢) & Perception(どう見られているのか)というものがあります。
こちらが言語として相手側に伝えているのはあくまでも一部であり、非言語領域でも全ての面で相手にどんなメッセージを送っているのかを認識し、より効果的なメッセージを送ろうという考え方です。例えば、備品の置き方、車の駐車の仕方、現地の人とのコミュニケーションをする時のボディ-ランゲージなどです。
確かに、私が南スーダンの現場にいた時、治安の維持のために派遣されたいろいろな国の軍に接してきましたが、素人ながらそれぞれの軍の士気や強さが想像できたものです。
「この軍ジョギングしてるけどなんか士気がなさそう。。。いざという時大丈夫だろうか?」
「そごいこの軍!きびきびしてる!この軍なら安心した。」
さて、これを企業の文脈に応用すると、どうなるでしょうか?
◯ 駐在員の方は普段現地の方にどう見られていますか?どんな現地との接点がありますか?どこに行くことが多いですか?
◯ 駐在員のご家族はどんな現地社会との接点がありますか?
◯ 会社や精神やサービス自体はどういう風に見られていますか?
◯ 本社(日本)や日本の動向はどんな影響を与えていますか?
◯ ホームページやプレスリリースはどんなメッセージを発信していますか?
◯ それは現地の人に伝わっていますか?
◯ こちらが伝えたいメッセージと現地の人が受けとっているメッセージの間にどんなギャップがありますか?
◯ 現地のメディアや政府や商工会議所からはどんな風に伝えられていますか?
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◯ どんなメッセージを今後より積極的に送っていきたいですか?
◯ どんな方法がありますか?
◯ どんなアクションをとりますか?
まとめると、
1、より積極的に安全に投資をする。
2、今後どんなメッセージをより積極的に送っていきたいかを確認する。
3、Posture(姿勢) & Perception(どう見られているのか)という非言語領域にも意識を向ける。
4、ホームページやプレスリリースなどが発信しているメッセージを見直す。
5、駐在員本人だけでなく、家族や出張者も会社の代表・広告塔であるという意識を全員が持つ。