先日、海外でインターンをする人たちを送り出し、海外に派遣されている人達をサポートする立場にいる方々にワークショップをする機会がありました。
お悩みを聞くと、
自分にはあまり出来る事がなくてもどかしいと感じることがある。。。
相手を何と言ったら励ましてあげられるのか分からない。。。
相手にこちらのアドバイスが伝わっているのか分からない。。。
などが挙りました。
なるほど。。。頷きながら聞いていました。
海外に派遣されている人のサポートに限らず、日常的なやり取りや対人職の方は少なからず似たような体験がありますよね。
まず、二人一組になってお互いに「サポート」をし合うということをしました。
「サポートする側」は、ついなんとかしたいと相手をサポートすることに一生懸命になってしまうものですが、自分の「サポートされる側」としての自分自身の体験を思い出すと、少しそこにスペースが生まれ、自然に今起きていることに気づいたり、思い出したり、なにより「腑におちる」ものです。
◯ 何があったのですか?
◯ それはなぜですか?
◯ その体験から何を学びましたか?
とお互いに「振り返り」(リフレクション)を促す質問を何度か繰り返し、
時には「それはなんで?」「それはなんで?」とさらに掘り下げ、
同じことを別の角度から聞いてみたり、とさらに掘り下げるということをしました。
そして、どんな質問が効果的でしたか?と「振り返り」自体を振り返りました。
シェアされた感想や気づきやまとめをまとめると、このような点が挙げられました。
① 相手はまず聴いて欲しい
こちらは聞くだけしかできない、と感じたり、つい相手の問題を解決したくなってしまうものですが、「聴く」ということがもたらしてくれる効果を体験しました。何もできないと感じる時には、相手のことを聴いてあげることができます。こちらが思う以上に、相手にとって「聴いてくれる人がいる」ことは大きな助けになります。
② 相手のことを聴く時の自分のくせー「ポジティブーネガティブのシーソー」に気づく
相手のことを聞こうと思っても、相手に対してもっとこうすればいいのに、なんでこうなんだろうと批判的な考えが浮かんだり、またはアドバイスしたくなったりすることがあります。
人が二人以上集まると、自動的にどちらかがポジティブ、どちらかはネガティブになるダイナミックスがあると言われています。相手がポジティブな発言をすればする程、なんだか「そんな事言われてもねー」とシニカルになったり、ネガティブになるという具合です。
いずれの場合も、本当は相手と同じだけ自分もポジティブでありネガティブであるのですが、じぶんの癖の方を表面的に表現しやすいという捉え方です。
あなたは悩み事を聞くと、つい相手を励ましたくなる方ですか?
そうであるならば、自分の中のネガティブな部分を受け入れると過剰に相手を励ます必要を感じることなく、自然と相手のネガティブな発言を含め受けとめ、聴くことができます。
あなたは、もっとこうすればいいのにと相手に対して思ったりする方ですか?
そうであるならば、あなた自身が自分自身に対して厳しい傾向があるかも知れません。にんげんどんな人でも完璧な人はいないので、相手のよい面に意識をフォーカスすることが助けになります。
③ 今・全て「解決」しなくてもいいー相手を信頼することの力
今、問題や課題と見えることも、長期的なスパンで見れば、必要なことが起きていると考えることもできます。
自分が生まれた時から今までの自分年表を書いたことがあるのですが、自分にとって大変だった出来事と嬉しかった出来事は前後で「対」になっていることを発見しました。
あの時は大変だったけど、それがあったからこそ次の体験に繋がった、というのはあながち単なる慰めの言葉でもないのです。
なにより、問題を「解決」することはその方本人が決めることです。
こちらが相手との関わりで自分のベストを尽くし、相手のことを信頼する。
信頼は大きな力です。