私のお姉さんとご家族が中東で体験した奇跡のお話しです。
私の姉(魂のお姉さん)は、この数年は旦那さんのお仕事の関係でイスラエルとエジプトにいました。
私の初任地の東ティモールの山奥で知り合い、ご一緒させていただいて以来、その後私がいろいろな国で平和支援に関わろうと思えたのは、お姉さんと旦那さんが電気のない環境でも明るく、温かく分け隔てなく現地の人とかかわる姿勢を見せてくださったお陰でした。
さて、2年前にカイロにご家族を訪ねた時、お姉さんの栄さんとご近所を散歩することになりました。
お姉さんには、息子さんと娘さんがいるんですが、お母さんって毎日食事の用意をするから買い物に行ったり、子どもを学校に行かせたりと現地社会との接点が多いんです。
お姉さんの場合、
スーパーはあるけど、近所の商店の方が野菜が新鮮なのでそこに通う内に、そこの店員さんと仲良くなって、おしゃべり。
息子と娘の学校選びのため、学校を何件か見学して、自分の目と耳で確かめないといけないから、そこに通う人やいろんな人とお話し。
息子さんはイギリス系の学校へ、娘さんは地元のアラブ系の幼稚園に通うことに決まり、
新しい学校生活がはじまり アラブ人のママから外国人まで新しいママ友とのお付き合いがはじまり
息子さんも娘さんもなんとか新しい学校に慣れはじめ、やっと一安心。
ふっー、海外で子供を学校に通わせることはほんと「一大プロジェクト」ですね。
海外赴任をしているご家族のお母さん・奥さまの役割の大きさを思います。
争い事の多い土地柄、学校で相手から言いがかりをつけられたこともあったそうです。
息子さんと話し合い、誤解は誤解だとはっきり伝えよう、と。
「はっきり言ってやったわよ。『私は神の名のもとの真実を信じています』って」 。
娘さんは、アラブ系の幼稚園に通うのですが、アラビア語がペラペラになり、幼稚園で習ってきた遊びを家でもしたがるので、ついに家でもアラビア語をしゃべり出します(!)
近所を散歩している時には、スーダン人の人たちがやっている小さな食堂をみつけて、娘さんと一緒にふらっとのぞいてみたりもします(カイロには他の中東やアフリカからの移民の人がたくさん住んでいます)。
息子さんも娘さんもあらゆる国籍の子たちと友達になるから無邪気に聞くそうです。
なんで〇〇ちゃんとは同じ学校で遊べないの? (現地のアラブ系学校に行く時もあればインターナショナルスクールに行く場合もあります)
なんでパレスチナにいる◯◯ちゃんはこっち(イスラエル)には来れないの?と。
世界には経済、国籍、教育、移動の制限といったさまざまな「格差」が存在する事、さてなんと説明したものか?
子供はちゃんと大人の言うことを覚えているから親も必死です。
旦那さんの支援先のパレスチナで、あるご家族と仲良くなり、家族ぐるみのお付き合いが始まったことがありました。
パレスチナに行くには途中何カ所もイスラエル軍の検問を通らないと行けないので、旦那さんの職場の許可が必要になるので、いつも会いに行けるわけではありません。
あなたに会いに行きたくても行けないの、と伝えた時には、最後にあなたにどうしても伝えたいアラビア語があるの、とパレスチナ人の友人の奥さまが一生懸命に伝えてくれたそうです。
「I love you. I love you in God.」
(あなたを愛している、あなたを愛している、神の中において)
そして、栄さんも言いました。
「I love you. I love you in God.」
「いつか、必ず家族であなたの家族を訪ねます。
きっとその日はくる事でしょう。ありがとう、ファワーズさん一家。」
栄さんは、
もしかしたら、その方々にとって初めて会う日本人かも知れないー
初めて言葉を交わす日本人かも知れない ー
その人は何かの時に栄さんの言った何気ない一言を思い出すかも知れない ー
今、中東が混乱する中でこの力はなにより大きいと思うのです。
ちなみに、後ほどファワーズさん一家はその後日本に来日する機会があり、奇跡の再会を果たしたそうです。
当たり前だけど、全てのひとは女性から生まれる。
今世界で争っている人も、どんな人も、どんな人も。
子ども達は母が伝えたことを身体で覚えて大人になっていく。
生まれてくる子ども達に平和を伝えることができたら?
世界はよりよい場所になっていくと思うのです。
⬆️ 母なるナイル川@南スーダン・ジュバよりーカイロで地中海に合流
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