「どうしたら究極の男性社会の代表みたいな軍人の人たち相手に講師ができたの?」と最近友人から聞かれました。確かに女性として軍人に関わる苦労はあるけど、女性だからこそ軍人相手に講師が出来たという面もあると思うのです。
私が軍人対象のトレーニングの講師として雇われた理由の一つは私が女性だからでした。
それは、この人達が国連要員として派遣される国の住民の半分は当たり前ながら女性なので、女性のことをよく理解しないといけないよね、ということが認識されつつあるからです。
そして、私自身トレーニングに関わるうちに女性だからこそ相手に伝わることがあることに気づきました。
相手は軍人。
実際に内戦にかかわった人もたくさんいる。
とは言え、当たり前だけど彼らも人間。
1週間、2週間と一緒に過ごす内に彼らの葛藤が見えてくるのです。
「被害者も加害者も両方苦しみますよね」
そんな言葉はたぶん女性から発せられる方が相手は受け取りやすいのだと思います。
そして彼らはポツリポツリと話しだすのです。
「自分の国に帰ったらこんなことは言えないけど、僕はずっと『反政府勢力』と対話をするべきだと思ってたんだ。」
「僕はやっと最近気づいたんだ。『敵』も人間として扱うべきだって。」
そんな言葉を2回もイラクに派遣されたアメリカ人の軍人の人の口から聞くとは思いもよらず。。。
「長年軍隊にいて葛藤があったけど、『人間』らしくあることを自分に求めていいんだって思えた。」
「僕、バングラデシュ軍を辞めようと思っていて。。。」ついにはお悩み相談まで。。。
そんな事をボソっと言ってしまうのは、相手が女性だからという部分もあるんじゃないかなと思いました。
私も軍人という人に対して、かなりの偏見と思い込みがあったのですが、この体験は、相手がどんな人であろうと、相手に対する判断や偏見を超えて繋がることができるという自信になりました。
分野は違いますが、最近受けた運転免許証の更新講習の講師の方がちょっと年配の女性の方でした。少し前は警察官のおじさんがちょっと偉そうに講義をしていた記憶があるのですが、この女性の方が話してくださると、ああ交通事故に気をつけよう、命を大切にしようと思えるのです。
男性社会のさなかにいる本人たちも葛藤している。争いをやめたいと思っている。人間らしくなりたいと思ってる。
それには女性的な力が必要とされているんじゃないかな ー つい何でも解決したくなるけど、まず聴く、理解する、葛藤を葛藤のままにいったん受けとめる。。。そこで生まれるスペースがある。
これから増々こういうリーダーシップのスタイルが求められていくんじゃないかな。
それがすごく腑に落ちた体験でした。
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