コミュニケーションには3つの種類があることをお話ししました。
① 伝達 =情報のA地点からB地点への移動
② 議論(discussion)=どの意見が優れているかを検討し、相手を説得する
③ 対話(dialogue)=相互理解によって、考えや行動が変化していく創造的な相互作用のプロセス、です。
日常におけるコミュニケーションは、つい①伝達と②議論になってしまいがちです。
組織では、コミュニケーションが一方的であればあるほど(通達スタイル)であればあるほど、受け手は上や強力なリーダーが「何をすべきか」を「命令」してくれることに依存するようになります。別の言い方をすると、責任者はだんだん権威的になり、メンバーはより受け身になります。
コミュニケーションスタイルが対話型になればなる程、メンバーの向上心と自主性が高まります。また、自然とリーダーシップと恊働能力を発揮するようになり、それぞれが互いに補完し合うようになります。
結果、責任者は「答えを持った人」というよりも全体のプロセスの世話人としての役割を担うようになります。
ハーバード・ビジネススクールのデイビッド・ガービン教授は、組織開発にとっては、「緊密なコミュニケーションよりもむしろオープンなコミュニケーションを行えるかどうかが重要である」と指摘し、以下の3点を組織開発を支える要因として挙げています。
1.精神的な安全(思ったことを自由に発言できる等)
2.違いの尊重(意見や考えの食い違いが起きても建設的な対話ができる等)
3.新しいアイディアの許容度(新しいアイディアを尊重する)
「私のアイデア聞いてもらえるのかな」「こんなこと言っていいのかな?」。。。そういう心配をしなくていい、安心して自分の意見を伝えることができる環境を人は求めてるー組織における大きな一歩はその辺りから始まりそうです。