国連の平和維持活動に関わってきたことで体験したユニークな点の一つは軍人の人と一緒に働くということかも知れません。南スーダンとか東ティモールなど現場にいた時にはそれこそ30カ国以上の軍人の人と日常的に接していました。一緒に情報収集をしたり計画をたてたり実際に実施するのお互いが必要になるのです。
そんな私でさえ正直「うーん、アメリカ軍って~でしょ」的な自動反応的な偏見がかなりありました。それを超えるチャンスなのか、国連の平和活動についてアジアの国の軍隊にトレーニングをする仕事の関係でアメリカ軍の人と一緒に働く機会がありました。
一緒にご飯を食べながら彼らは私にこんな話しをしてくれます。
「自分の父は太平洋戦争に従軍して自分も軍人だけど、アツギに3回ほど駐在した体験で日本人をすごく尊敬するようになったんだ。」
「日本のことを知れば知るほど日本人の底力に驚くよ。日本は本当に重要なパートナーだと思ってる。どんどん世界で活躍して欲しい。」
「311はとてもショックで真剣に自分ができることを考えたよ。」と言い、自身が指揮をとったという当時の緊急対策計画を見せてくれた人もいました。
「最近は他の国に紛争の調停に行くようになったけど、私に異文化をはじめて体験させてくれたのは日本だった。狭いアメリカを超えて世界に目を開かせてくれた日本に感謝してる」とは、米軍太平洋司令部のGeneral級のかなり偉い方でしたが、彼のみでなく、「日本」という異文化の体験が要職を担う彼らの考え方に大きな影響を与えたことは興味深い点だと思いました。
もちろん、彼らは軍人という「職業人」だから、時の政権の意向、政策、国際政治などいろいろなことが彼らの仕事に影響を与えるでしょう。でも当たり前だけど彼らも人間なんだよね。
○○○人は~だろう、あの人は○○○だから~だろう、そんなレンズを少し外してみるだけで、目の前の人がいつもと少し違ってみえる。世界はそんなに悪い場所じゃないかもね?!